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テラーノベル(Teller Novel)
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ないこ病み


人工的な光


ブルーライト


脳天を衝く痛みを薬で誤魔化す日々


暗い部屋


規則的に響くタイプ音


いつもなら何も思わない其れも


硬いベッド


終わらない仕事


責任転嫁


上司の罵声


言葉の羅列に酔う


誘われる眠りに落ちないように


仕事に追われる日々


「今日もないこは」


「ちゃんとやれ」


「出来ないなら歌い手なんてやめろ」


いっその事


俺の存在を消してしまおうか


カッターを 首に当てたら 死ねるだろうか


今更俺を期待する人も 生きていて欲しい人も


まず俺に関心がある奴も居ないだろうから


取り敢えず消えてしまえ


カチカチカチカチ・・・。


息を切らして飛び込んできた薄紫


俺が刃を出したカッターを彼は取り上げて


彼は彼の掌に押し付けた


忽ち溢れる赤い液体


「ないちゃんはこれでも死にたいと思うの」


こういう時だけちゃんとしてる薄紫。


血が顔や手に付くことも厭わず、俺は彼を抱き寄せた。


血が口に入って、鉄の味がした。


甘い味がした。


何故か目から透明で塩辛い液体が流れて止まなかった


歪んでぼやけた視界は。


普段よりもはっきり物が見えた気がした。


彼の心が、見えた気がした。



nunu.






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