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この作品はnmmn二大禁です。全てがフィクションであり、実際に存在する方々や団体などとは一切関係ありません。ありがたいことにコメントを頂ける際は、伏字など対策をお願いします。
ルールを守って楽しみましょう。
cp: なし。強いて言うならメンバー愛
cp要素はあまりありません
生死の描写が含まれます
シリーズ物です
side: 💚
タイムループ。タイムリープとはまた違うもの。
タイムループとは、物語の中である出来事が一定の時間で何度も繰り返される現象。
タイムリープとは、現実の時間から過去や未来へ移動すること。
「俺は……どっちだ?ループじゃなくて、リープ…?」
「おーいー阿部ちゃん、なにブツブツ言ってるの?もう呼ばれてるけど!」
「っえ、あっ今行く!!」
考えていると、とっくに傍から居なくなったていたふっかが俺を呼んでくれた。
未だに今自分がいるここが現実なのか分からないが、ふっかにまた名前を呼ばれたことが、何よりも安心した。
「ねえふっか!」
「なにっ阿部ちゃん?」
「今日の分撮り終えたら皆で遊ぼうよ」
「えぇ?別にいいけど、どしたの」
「いいから!絶対守ってね、俺ふっかと遊びたいから」
「はいはい、わったわった。てか言い方が小学生?笑」
俺はひたすら、ふっかに一人でいるなと釘を刺した。
ふっかがどう思うか分からない。でも俺はただ、お前を守りたいだけでやってる。
───
それからは俺の記憶通りに事は進んだ。
眩しい太陽が俺たちを照らしてる中、MVの撮影は順調に進んでいき……俺だけが二度も今日を過ごしていると思うと、また不思議な気分になった。
SNS用の動画も撮り終えてしばし休憩している時、俺はその場に9人全員いるかを数え始めた。
「……い、ない」
佐久間、翔太、照、康二、めめ、ラウール、ふっか……と数えていくうちに、舘様が居ないことに気付いた。
こんな展開、俺は知らない。ふっかはきっと俺の言葉を忘れずに皆と居てくれてるんだろうが、何故かこの場にいるはずの舘様がいない。
「ねえ翔太、舘様どこにいるか知らない?」
「え、舘?……トイレとか?」
慌てて翔太に聞くも、どうやら居場所を知らないみたいで俺は焦る。
ふっかがいるのは良かったが、代わりに舘様がいないのは、悪寒がした。
「……俺、舘様探してくる」
「おー、行ってら」
舘様が居ないことを気にも留めていない翔太に見送られながら、俺は皆から離れた。
ふっかはあそこにいた。皆と一緒にいた。それは良かったのに、次は舘様がいなくなるの?
そんなことを思いながら、阿部は宮舘を探しに回る。一人で深い森の中へと入るのは躊躇ったが、そんな事より宮舘が死んでいる可能性が阿部の頭にはチラついて、すぐに足を踏み入れた。
もしかしたら舘様も、あの時のふっかみたいにクマにやられているかもしれないと思った。
森の中を歩いてすぐに見つけたのは、小さく高い崖。
「こんな崖あったの……?」
まさか落ちているなんてこと……と不安になりながら、うっすらと崖の下を覗いた。
ひゅっ。
阿部は思わず息を飲んだ。
崖の下に赤い溜まり。そのすぐ近くに人の形をした何か。遠くからでも分かる、あれは宮舘のMV衣装だった。
「……う、う”ああ”ああ”あ”あ”ぁ”……!!」
あまりのショッキングな光景を見て、俺は喉が灼けるほどの声にならないなにかを叫び、そのまま気を失った。
───
「……ん、あ…ちゃん」
「……」
「阿部ちゃん!!」
「っぅあ……な、に?」
「なにって、阿部ちゃ大丈夫?寝てたけど」
「……ああ…………だい、じょうぶ」
目が覚めた時に俺を起こしたのは、隣にいるふっかだった。
ふと前を見て、めめと康二とラウールがきゃっきゃと海で遊んでいるのを見つける。
また、戻ってきたの?
よかった舘様が生きている。そう思ったと同時に、酷く絶望した。また誰かが死んでしまうのか、と。
いやしかし分かったことがある。俺は今、タイムリープをしているのだ。
メンバーの死体を見つけて、気失って、目を覚ますと今朝に戻っている。
この最悪なサイクルを止めるには、メンバーを死なせてはいけない。
誰かが死ぬとしたら初日である今日なのだ。もう誰かの死体なんて見たくはない。
誰かが死んでしまうと不安がるのなら、 絶対に、俺がみんなを守る。