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私ていらっしゃるもの……私の予想では、かなり危険な状態に陥っているように思われます」
「えっ?!」
ラキシュの言葉を受けて、ティアットは慌てて自分の身体を見下ろした。言われてみれば確かにそうだ。こんな格好のままでいたのでは風邪を引いてしまうかもしれない──などとぼんやり考えたところで、ようやくその事実を認識した。
(そ、そういえばわたし今、裸だった!)
思い出してしまえばもう遅い。先ほどまで意識していなかったいろいろなものが、まとめて襲いかかってくる。急に寒くなったような気がしてくる。ぶるりと身を震わせながら、ティアットは自分の肩を抱いた。
「ちょ、ちょっと待ってくださいね。何か羽織れるものを探してきますから」
言って、パニバルは立ち上がりかけて、「あふぁっ!?」変な声を出してひっくり返った。
「だいじょうぶっ?」
駆け寄ろうとするティアットを片手で制しつつ、ゆっくりと身を起こす。顔をしかめながら、体の調子を確かめるように何度か手足を動かしてみる。問題なし。
(……)
自分の体を見下ろす。服はほとんど裂けてぼろ布になっていた。露出した肌にもいくつか傷があるが、出血するような深いものは見当たらない。
『大丈夫ですか』
「ん? ああ」
軽く手を振って無事を伝える。
「ちょっと痛いけどね。まあ平気だよ」
「そうじゃなくて! 怪我とか!」
心配そうな顔で聞いてくるティアットを見て、「そっちの話か」と思う。
確かに体はあちこち痛んでいるけれど、動けないというほどではないのだ。だから気にする必要なんてないし、そもそも自分はこういうことに耐性がついている。慣れているというわけではないのだが、多少のことでは動じたりしないだけの経験を積んできているつもりだ。
「本当に?」
なおも食い下がってくるティアットの頭をぽんぽんと撫でてから、立ち上がる。ついでに、その辺に転がっていたゴーグル付きヘルメットを拾ってきて被った。
「さぁーってと」
軽く伸びをして、気持ちを切り替える。
目の前には、瓦礫の山となった〈十一番目の獣〉がいる。既に動きを止めてはいるが、それでもまだ完全に死んだわけではなく、今も