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魑魅魍魎
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魑魅魍魎
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8話目もよろしくお願いします!
スタートヽ(*^ω^*)ノ
「2人だけの帰り道」
放課後ーー
『レトさん、お待たせ!帰ろうぜ!』
部活終わりのキヨが教室に入ってくる。
サッカー部の練習を終えたキヨは、少し髪が乱れ額にはうっすら汗が滲んでいた。
そんな姿も妙に色気がある。
(今日もキヨくん、格好よかったなぁ。)
付き合う前からずっと見てきた姿なのに、恋人になった今の方が余計に目で追ってしまう。
そんなレトルトの熱い視線に気付いたのか、キヨが顔を上げた。
『なんだよ、レトさん。見過ぎだって!』
キヨはケラケラと笑う。
「見てへんし」
レトルトは慌てて目を逸らした。
『いや、見てたって』
キヨは得意げな顔でニヤニヤと笑う。
そして、
『本当、レトさんは俺のこと大好きだなぁ』
と嬉しそうに言った。
「うっさいな」
レトルトはそう返しながらも、少しだけ頬が熱くなるのを感じていた。
付き合い始めてからのキヨは、前よりずっとこういう事を言うようになった。
「べ、別に好きじゃないし」
レトルトは照れを隠すように視線を逸らした。
するとキヨは一瞬固まる。
『え、好きじゃないの?』
さっきまでの笑顔が消え、しゅんと肩を落とした。
『そうなんだ……』
落ち込んだように下を向く。
もちろん演技である。
だがレトルトはそれに気付かず、
「え、いや!あの….えっと….」
慌ててキヨの方を向く。
「す、好きやってば!/////」
顔を真っ赤にしながら言葉を続けた。
「好きに決まってるやろ!」
その瞬間、 キヨの口元がにやりと上がる。
『ふふ、知ってる』
「……は?」
固まるレトルトを キヨは満面の笑みで見つめて
『レトさん、顔真っ赤。かわいい〜』
そして、
『俺もレトさん大好き!』
そう言いながらレトルトの肩を組み、自分の方へぐいっと引き寄せた。
「ちょっ!////」
レトルトは慌てる。
『レトさん、すーぐ騙されるな』
キヨはケラケラと笑う。
「もーーー!!キヨくん!!」
そう言ってレトルトは顔を真っ赤にしながら
キヨの肩をポカポカと叩いた。
『だってレトさん、素直に好きって言ってくれないじゃん』
嬉しそうなキヨに、レトルトは文句を言いながらも少しだけ笑ってしまった。
結局こういうところに弱いのだ。
夕暮れの帰り道。
オレンジ色に染まった道を、二人は並んで歩いていた。
『そういえばさ、レトさん』
キヨがふと思い出したように口を開く。
『今日、途中でどっか行ってた?』
レトルトは一瞬きょとんとした。
「なんで?」
聞き返すと、キヨは少し考えるように空を見上げる。
『いや、途中で窓見たらレトさんいなかったからさ……』
レトルトは思い出したように頷く。
「あー、うん。 モブ男に呼ばれてさ。ちょっとそっち行ってたわ」
『へー、そうなんだ』
キヨは少し俯いて答えた。
『….モブ男と何してたの』
キヨはレトルトより少し前に出ると、くるりと振り返った。
「え?」
『….2人で何してたんだよ』
キヨは歯切れが悪そうに小さな声で聞く。
「図書委員会の仕事ちょっと手伝ってって言われたから、本運ぶの手伝ってた」
レトルトが答えると、キヨは目を細めた。
『本当に〜?』
疑いの眼差し。
「本当やって」
『怪しいなぁ』
「怪しくないし」
レトルトは呆れたようにため息をついた。
キヨがモブ男との関係を疑う理由は分かっていた。
公開告白をしたあの日。
レトルトはモブ男に呼び出されていた。
モブ男はレトルトと同じクラスメイトで、最近何かとレトルトによく声をかけてくる。
呼び出された理由も、倉庫まで荷物を運ぶのを手伝ってほしいという事でお人よしのレトルトは運ぶのを手伝っていたのだが、 それを見たクラスメイト達が勝手に告白だと騒ぎ始めたのだ。
もちろん後からキヨにはちゃんと説明した。
モブはただのクラスメイト。
特になんの感情もレトルトにはなかった。
何度もそう伝えたの だが、 どうもキヨは納得していないらしい。
モブ男がレトルトに絡むと、こうして不機嫌になる。
『だってさぁ』
キヨは唇を尖らせる。
『レトさん、モブと仲良さそうじゃん』
「いや、クラスメイトやし….」
『なんでわざわざレトさんに頼むんだよ』」
「ん〜…..」
『しかも結構….かっこいい…し….』
「何張り合ってんねん」
レトルトは思わず笑った。
するとキヨはますます不貞腐れる。
『だって嫌じゃん』
ぽつりと漏れた本音。
『レトさんが他のやつと楽しそうにしてるの』
レトルトは足を止めた。
キヨも気付いて立ち止まる。
「ねぇ、キヨくん」
『なに?』
「ヤキモチ?」
レトルトがニヤッと笑う。
その瞬間、 キヨの顔が少し赤くなった。
『違うし!!!』
「へぇ〜(ニヤニヤ)」
『違うって!!!』
「そうなんや〜」
レトルトは明らかに面白がっていた。
するとキヨは観念したように足元を見て 小さく呟いた。
『……ちょっとだけ』
「え?」
『だから…ちょっとだけヤキモチ!!』
そう言ってそっぽを向くキヨの姿に レトルトは目をぱちぱちさせた。
付き合う前はあんなに鈍かったのに、 恋人になってからのキヨは時々こうして驚くほど素直になる。
「ふふ、安心してよ」
レトルトは笑いながら言った。
「俺はキヨくんしか見てへんよ」
その言葉にキヨは先程より顔を赤くして
『レトさん….』
「なに」
『それ反則/////』
真っ赤な顔でそう言うキヨを見て、レトルトは楽しそうに笑った。
『でもさぁ、レトさん見てない時に俺すっげーかっこいいシュートしたのになぁ』
「え?」
『見ててほしかったなぁ』
キヨは残念そうに笑った。
レトルトは思わず吹き出す。
「明日はちゃんと見てるからさ」
そう言ってから、少しだけ視線を逸らす。
そして….
「それに……キヨくんはいつも、かっこいいし….」
ぽつりと 恥ずかしそうな声で呟くレトルトの肩を引き寄せキヨは照れ隠しの様に笑った。
レトルトの視線は、ふとキヨの手元へ落ちた。
夕日に照らされた大きな手。
その手を見ていると、自然とあることを思ってしまう。
(手、繋ぎたいなぁ。)
でも、自分から言うのは恥ずかしい。
さっきだって「俺はキヨくんしか見てない」なんて言ったくせに。
こういうことになると急に勇気がなくなる。
すると、その視線に気付いたのかキヨがくすっと笑った。
『レトさん、ん?』
そう言って、手を差し出す。
まるで全部お見通しだと言わんばかりに。
「……////」
レトルトは少しだけ頬を赤くして、 モジモジしながらその手を握った。
レトルトの指先が触れる。
その手をキヨがぎゅっと握り返す。
その瞬間、レトルトの胸が大きく跳ねた。
先生から逃げる時も。
人混みではぐれそうになった時も。
何度だって手を握ったはずなのに。
友達だった頃も何度も手を繋いだはずなのに
胸が苦しいくらいドキドキする。
『レトさん?』
「なに?/// 」
『顔赤い』
「う、うるさい////」
キヨはケラケラ笑う。
そして繋いだ手を少しだけ持ち上げた。
『なんか恋人っぽいな』
その一言に、レトルトの顔はさらに赤くなる。
「付き合ってるんやから恋人やろ!」
『あ!そうだったな!』
キヨは冗談めかして笑ってはいたが、とても嬉しそうに握った手に力を込めた。
夕暮れの帰り道。
二人は少しだけ歩く速度を落として、いつもより長い帰り道を楽しんでいた。
続く
コメント
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尊い……癒し…… この学生の頃しか味わえない青春って感じのエモい雰囲気を言語化できるの本当に天才ですよね。
うわあああ第8話も尊すぎて胸が苦しいよ〜!!😭💕💕 キヨくんのヤキモチ、めっちゃ可愛いじゃん!「ちょっとだけヤキモチ!!」って素直になるところとか、レトさんが「キヨくんしか見てへんよ」って言った後の「それ反則////」の流れ、完全にエモの暴力すぎる…!!✨ 最後の手繋ぎシーン、友達の時と違って恋人同士だからドキドキするって描写がリアルで、こっちまで照れるわ…!!🥺💖 2人の距離感が少しずつ変わっていくのが尊くてたまらん!続きが待ちきれないよ〜!!🔥