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管野アリオ
875
#オリジナル
重田💋(omoda)
886
「とにかく、あまり騒ぎを起こすような行動はしない方がいいと思います」
「何? 心配してくれてんの?」
「別に、そういうわけじゃありません」
即座に否定したものの至はどこか楽しそうに口元を緩めた。
「そうか?」
「……そうです」
「けど、何も思ってなきゃ、さっきみてぇに止めたりしねぇだろ?」
「それは……」
「あれがなけりゃアイツ、顔の形変わってたかもしれねぇからな」
「……っ」
さらりと告げられた物騒な言葉に優來の表情が引きつる。
「そういう物騒なことはやめてください」
「で?」
「……え?」
「何で止めた?」
気づけば至がぐっと顔を近づけていて、ふいに縮まった距離に優來は思わず顔を背けた。
そして、どう答えればいいのか分からず暫く黙り込んだあとで観念したように小さく口を開いた。
「……仕事中は……あんなに完璧な人を演じてるのに……」
「…………」
「騒ぎを起こして台無しにしたら……意味ないんじゃないかって……思っただけです……」
ポツリポツリと言葉を選ぶようにして告げる優來。
それは心配していると思われるのが恥ずかしくて必死に取り繕った言い訳でもあったのだけれど、至はそんな優來の言葉を黙って聞いていた。
「へぇ? そんなこと思ってたのか?」
そして聞き終えた至が面白そうに目を細める中、優來は何も言い返せず気まずそうに視線を逸らした。
「要は心配してくれたってことだ?」
「……そういうわけじゃ……」
「ますます惚れるな」
「だから、そういうわけじゃ――」
勝手な解釈をされることが恥ずかしいのと、これ以上からかわれたくなくて優來が思わず少し強い口調で言い返したけれど、そんな優來を前にした至は意外にもそれ以上からかうことはしなかった。
「そうだな、今度から気をつけるよ」
「……え?」
あまりにも素直に受け入れられて優來が目を瞬かせると至は微笑みながら優來の頭へ手を伸ばした。
ポンポンと、まるで宥めるように優しく頭を撫でられた優來は反論しようとしていた言葉をすっかり失ってしまい、
「ちょっ……そういうの、やめてください……」
頬を一気に赤く染めながら俯いた。
「照れてるのか?」
「違います……」
「やっぱ良いな、優來は」
「……はぁ?」
何がそんなに嬉しいのか、どこまで人をからかえば気が済むのか、苛立ちで優來が再び顔を上げると至は楽しそうに笑いながら、
「なぁ、これから俺と楽しいことしねぇ?」
「何言って――」
ゆっくりと顔を近づけてくる至との距離が縮まったことで優來の身体がピクリと強張った。
「なっ!?」
「良いだろ?」
すぐ目の前で懇願するような声音で同意を求められた優來は何も言えないまま、真っ赤になった顔で至を見つめ返した。
コメント
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リオンです。第8話、読み終えました。 優來が「心配してるわけじゃない」と否定しながらも、至に「ますます惚れるな」って返されて、もう完全に図星で赤くなってるの、可愛すぎますね……。物騒な話から一転して距離が縮まる場面の流れがとても自然で、思わずにやけながら読みました。次が気になります。