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放課後。ワンダーステージに集まった4人、ワンダーランズ×ショウタイムのメンバーは、台本を片手に話し合いをしていた。ここはどういう動きにするか、ここはどういう演出なのか。ならここは、、と。次々と産まれてくるアイデアを共有しながら、台本を詰めていく。

「ここで寧々に歌って貰うんだけど、魔法が掛かっているように見せる為に粉を降らそう。」

「粉?」

「別に振らせてもいいけど、地面に粉が残るのはどうするの?そのまま?」

「いや、そこは粉と床にしく板を僕が用意しておくよ。それを使えば床に降ってきた粉も板に触れれば直ぐに溶けて綺麗に無くなるさ。」

「わあぁ!すごい!キラキラァシュワワァってなるのいいね〜!!」

「うん、悪くないんじゃない?」


「司は?これでいい?」


寧々が珍しく静かな司に話題を振る。それに少し遅れて気づき、急いで返事をした。

『あ、ああ!いい演出だと思うぞ!』

「フフ、お気に召して貰えて何よりだよ」

ぎこちない笑みを浮かべるオレを寧々達は心配して声をかけようとしたが、それを邪魔し次へと進ませる。ぎこちない笑みなんてわかっている。本当ならこれもちゃんと隠したかったが、無理な程に動揺してしまっている。


今言った類の演出は、オレが考えたものだった。


確かに完全にオレの、だとは言いきれない。そこには類が考えたものも混じっているだろうから。でも、流石に予想外だった。オレが考えた演出を、まるで類が全て一人で考えたように言うのは。ただ言葉が足りなかっただけかもしれない。もしかしたら、ショーのことについて考えるのに夢中で、伝えるのを忘れていたのかもしれない。可能性なんて幾らでもあった。それなのに、これを類がわざとやっているんだと疑ってしまい、何処かで確信していた。だから、そのときに言うべきだったと思う。類ときちんと話し合っていれば、なんて後悔するときがくるとは知らなかった。


⭐⭐⭐


ショーは大成功だった。寧々の魔法をかける為の歌声も、えむの妖精の性格を上手く表現した言動も、類の恐ろしい悪役の演技も、オレの勇者の演技も。全てが上手くいき、観客達は皆笑顔になってくれた。が、ショーが終わった途端笑顔を上手く作れなくなった奴が2名。

1人は神代類。最近は眠れないのか寝ようとしてないからなのか、どっちかわからないが、隈が酷い。それと、あまり元気がない。声をかけても大丈夫だよ、で済まされてしまう。オレには原因がわからなくて悩んでいたが1つ心当たりがあるとすれば演出。前回もだいぶ悩んでいたから、それに関係しているのではないかと思っている。

2人目はオレ。天馬司。類の悩みも心配だが、やっぱり前回の演出の事がずっと引っかかっていた。まあ簡単に言うと類のことで頭を抱えている、ということ。どうして類は元気がないのか、オレはどうするべきなのかなど。片手で数え切れるか怪しいくらい、類のことで頭を抱えていた。

『………』

昼休みの屋上。いつも隣に座っている類は来ないし、教室にも購買にも中庭にもどこに居ない為、1人で食べている。類から話を聞きたかったが、いないんじゃ仕方ない。咲希が作ってくれた弁当を食べながらも、ずっと考えていた。

『どうしたらいいんだ……』

ボソッと呟いてみても、当然返事なんか帰ってこない。代わりにとでも言うかのように風が吹いてきた。

神 様 の 断 頭 台

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