深澤「…どこ行くの?」
目黒「んー…辰哉の家かな」
目黒「勝手にごめんね。いい?」
深澤「いいよ。蓮が来るの久しぶりな感じ」
目黒「久しぶりだもんね」
深澤「運転ありがとう、入って」
目黒「ありがとう」
目黒「辰哉の家いい匂いする」
深澤「ほんと?なんもしてないけど」
深澤「蓮がいい匂いなのかも」
なんてことを話していると、急に蓮に「座って」と言われ、対面になる。
俺は、今から何の話をされるのかわかってしまって、体が強ばる。
目黒「…今日の話なんだけど」
目黒「単刀直入に言うね。」
目黒「辰哉って、男の人が好きなの?」
深澤「……うん。」
もう誤魔化すことは出来ないから、素直に話すことにした。
深澤「おれ、女の人を好きになったことないんだ」
深澤「生まれた時からね」
深澤「蓮にずっと嘘ついてた」
深澤「それに…、気持ち悪いよね」
深澤「ずっと一緒にいたやつが実は男が好きでしたとか」
深澤「自分も恋愛対象になるってことだし 」
深澤「そう思われるってわかってたから言わなかった」
深澤「蓮は、大切だから 」
深澤「……でも、蓮が嫌なら嫌で俺はちゃんと離れる」
深澤「だから……ん、」
蓮の顔も見ず、反応も待たずに独り言のように話していたら、いきなり蓮の手が顔の前にくる。
どうやら、蓮は声を発していたのにも関わらず俺はぺちゃくちゃ話し続けていたらしい。
目黒「辰哉」
目黒「気持ち悪いなんて言わないでよ」
深澤「気持ち悪いでしょ」
深澤「もしかしたら…蓮のこと好きになってたかもしれないんだよ」
目黒「別にいい」
深澤「良くなっ…!」
目黒「はぁ……」
蓮が深いため息をつく。
呆れたかのような。
それに俺は体をビクつかせてしまう。
目黒「あ…ごめんね、驚かせるつもりじゃなくて」
目黒「ただ、なんで俺が言うこと信じてくれないのって、思っちゃって…」
深澤「…っ、だってほんとに気持ち悪いんだよ?」
深澤「もう何年も友達…てか、親友みたいな人に後から恋愛対象として見てましたとか言われたら、どう?」
目黒「何も思わない」
目黒「逆に、辰哉はそう思う?」
深澤「そういうわけじゃないけど…」
目黒「良かった」
深澤「…」
何を言っても蓮は否定をしようとしない。
俺はずっと騙してきたのに。
目黒「で、あのいかつい人が好きなの?」
深澤「え?」
“いかつい人”
そう言われて直ぐにわかった。
照の事を聞かれている。
深澤「…そうだよ」
深澤「でも、もう恋人いるんだって」
目黒「……まだ好き?」
深澤「うん。でももうどうしようもないし、何も出来ないけどね」
深澤「何年も前からずっと好きだからしんどいけど」
深澤「…元カレだし」
目黒「え、元カレなの…?」
実は、蓮と初めて会った日に俺がなんで泣いていたかを蓮には話していなかった。
目黒「…あの人、見る目があるのかないのか……」
深澤「…?」
目黒「だってあのいかつい人の今の恋人って、ピンク髪の絡んできた人でしょ」
目黒「ずっといかつい人と肩組みながらこっち睨んできてたし」
深澤「蓮は鋭いね。なんでもわかる」
目黒「…辰哉のことは分からなかったけどね」
深澤「……ごめん」
目黒「これからはなんでも話して欲しい」
深澤「うん。もう何も隠してることはないよ」
目黒「ほんとに〜?」
深澤「ほんと!!」
まだ一つだけある。
…俺は、どんな手を使ってでも照を佐久間から引き離す。
俺が悪者になっても。
じゃなきゃ照は幸せになれない。
照が幸せならいい。
好きでもないくせに俺の目の前でイチャイチャ見せつけて…。
何が膝枕だよ。
あー、うざい。
俺の方が照のこと好きなのに。
せっかく照の隣にいれてるんだから、照の事をもっと大切にしてほしい。
目黒「辰哉?」
目黒「…なんで泣いてるの……?」
深澤「え?おれ泣いて…、」
いつの間にか、涙が出ていた。
疲れてるのかも。
ティッシュに手を伸ばしかけた時、急に蓮に抱きつかれた。
深澤「蓮?」
目黒「…そんなにしんどいのに、まだ好きでいる必要ある?」
目黒「俺は、辰哉に幸せになって欲しいんだよ」
深澤「…照のことを好きでいれてるだけで、俺は幸せだよ」
目黒「…ねえ、辰哉」
目黒「お願いだから、俺のこと好きになってよ」
深澤「…何言って、」
目黒「ずっと辰哉のこと好きだった」
目黒「……ごめん」
蓮が、俺のことを好き…、
いつから…?
ただ、そんなことよりも、”ごめんね”と謝られたことに切なさを感じた。
蓮も、俺と似たような気持ちなのかなって。
それとも、俺があんな話をしてしまったからなのか…。
深澤「なんで謝るの」
深澤「…嬉しい」
深澤「嬉しいけど…、やっぱり俺は照のことが…」
目黒「わかってる」
目黒「…わかってるから、返事はしないで大丈夫だよ」
目黒「余計しんどくなっちゃうから、 笑」
無理して笑う蓮に心が苦しくなる。
そんな顔をさせたくないのに…。
そんなことを思いながらも照のことを想っている俺は、相当頭の中がお花畑なのかもしれない。
目黒「…今日はごめんね」
深澤「え、」
目黒「明日も仕事かもだから、もう遅いし帰るね」
深澤「そ…そっか」
深澤「蓮、仕事頑張ってね。」
深澤「…今日はありがとう」
目黒「うん。こちらこそ」
目黒「じゃあ…ばいばい。」
深澤「またね…。」
そう言って、ドアをパタンと閉める。
蓮のあの独占欲はそういうことだったんだとか勝手に頭の中で答え合わせをしながら、寝る準備をする。
“蓮との関係が崩れませんように”と願って、電気を消した。
…… ᴛᴏ ʙᴇ ᴄᴏɴᴛɪɴᴜᴇᴅ
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お久しぶりです(^^)
久々にこっちのお話書きました!!!
これから展開どうしようかなぁとか考えてます😽
ぜひコメントもいいねもお願いします~~😴💜
いつも読んで下さりありがとうございます︎✿
コメント
1件
最高♡♡゛