テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
#浮気パロ
雛
1,103
NIKITA
85
105
朝のキャンパスは、いつもと変わらないざわめきに満ちていた。
けれど、すちの目に映る世界は、少しだけ色を失っていた。
(……来るよね。今日も)
講義室の扉が開き、見慣れた姿が視界に入る。
――みこと。
目が合った。
一瞬、みことの目が揺れた。
すちは、ゆっくりと一歩踏み出した。
「みこ――」
「……っ!」
呼びかけた瞬間、みことは小さく肩をすくめるようにして、横を向いた。
まるで、逃げるように別の席に向かう。隣には、こさめとらんがいた。
(……避けた?)
心の奥が、静かに軋んだ。
その様子を見ていたいるまとひまなつが、隣からすちの肩を叩いた。
「お前ら、喧嘩したのか?」
「めっちゃ空気ピリピリしてんぞ……」
すちは小さく息をつき、目を伏せた。
「……俺が、言いすぎたんだ。そしたら、みこちゃんが“嫌い”って言ってきてさ」
「「は?」」
いるまとひまなつが、同時に驚く。
「え、あのみことが?あんなにすちのこと大好きオーラ出してるのに?」
「だから余計にわかんなくなって……俺、怒ったこと、正しかったのか……今でも正直、自信ない」
ひまなつはうーんと唸って腕を組んだ。
「お前さ、独占欲強すぎて、たまに自滅するよな。大事に思うのはわかるけど、言い方ってあるじゃん」
いるまは、静かに笑いながらも優しく言った。
「みことの“嫌い”って、きっと、本気じゃないと思う。でも、本気で傷ついてるかもしれないから、焦らずにちゃんと話せ」
すちは唇を噛んで頷いた。
「……みこちゃん、泣いてた。俺、あんな顔、見たくなかったのに」
━━━━━━━━━━━━━━━
「ねぇ、みこちゃん……大丈夫?」
こさめがそっと声をかけると、みことはぎこちなく笑った。
「うん、平気……」
「ウソ下手すぎか。顔死んでるよ?」
らんが呆れたように言った。
みことは、うつむいてぽつりと呟いた。
「昨日……すちに“嫌い”って言っちゃった」
こさめとらんが、同時に息をのむ。
「……みことが?それは……勇気っていうか暴走っていうか……」
「違うの、怒られて、すごく自分が悪いのわかってて……でも、言われた瞬間に、怖くなって。反射的に……」
言葉にした途端、目頭がじわっと熱くなる。
「本当はね、嫌いなんかじゃない。大好きなのに……謝れなくて……どうしようって」
こさめが、そっと手を握る。
「焦らなくていいよ。でも、その気持ちが本物なら、絶対すちくんもわかってくれる。ちゃんと向き合ってみよ」
「お前の“好き”はちゃんと強いから。絶対、届くよ」
らんも、珍しく真面目な顔で言う。
みことは涙を拭いながら、うなずいた。
「……ありがとう。がんばる、俺」
━━━━━━━━━━━━━━━
♡400↑ 次話公開