鈴side
鈴「…ここか。…懐かしいね。」
鈴が来たのは、一ノ瀬が”死んだはず”のビルだ。
元々は一ノ瀬の、開発会社だったのだが、一ノ瀬が死んだあとは、少し古びた廃墟になってしまった。
今更ここに、何があると言うのだろうか。
少し、ビル内を歩いていると、一部の床の色がほんの僅か違うことに、気づいた。
少し、手に触れていると、ピピッと音が鳴り、床が外れるようになって、地下への入り口ができた。
鈴の、指紋を認証したのだろうか。
鈴「………指紋の他にも、盗まれたものがありそう。」
せっかくの手掛かりなのだ。
入らない選択肢はない。
鈴「よっ…っと」
地下に入ると、すぐに入ってきた入り口は塞がれてしまった。
歩いていると、一台のパソコンを見つけた。
しかも、新しいきれいなパソコン。
鈴「ん…?何これ。」
真新しいピカピカの、パソコンをいじっているのと、半年前のメッセージ履歴を見つけた。内容は消されているが。
鈴「情報が、少なすぎるな…。」
パソコンをいじって、隅々まで調べたが、メッセージ履歴以外の、これといった目ぼしい情報は、なかった。
………仕方ない。そろそろ離れないと。
鈴は立ち上がると、来ていた道を戻った。
出口で、自分の指紋を読み取った。
<マイクに向かい、質問に答えてください。>
鈴「ん?」
すると、どこからか、機械的の声が聞こえてきた。
<貴方の名前は?>
今度は、女性の声だ。
鈴「あー、なるほど。出るのはタダじゃないってことね。」
<貴方の名前は?>
鈴「分かった、付き合うよ。[天野 鈴]。」
<天野 鈴…。過去に、多くの人間の金を騙し取って、自 殺までに追い詰めているわね。その罪を、どうやって償うつもり?>
鈴「私は、私のやり方で償ってるつもりだよ。それに……、貴方に私の何が分かるの?」
………何も知らない、機械ごときが偉そうに。
<私は、貴女の全てを知っているのよ?何もかも。>
鈴「っ?(…何もかも?)」
<貴女が望んでいるのは、”薄情で最低な人間でも、住みやすい世界”、そうでしょう?>
鈴「何もかも知ってるなら、確かめることないでしょ?……”住みやすい世界”なんて、考えたこともなかった。
…………でも、私が”本当の自分”でいられるなら、それも悪くないかもね?」
<ふふ、完璧な返答。さあ、最後の質問よ。準備はいい?>
鈴「その前に、私から質問いい?……”貴女は、誰?”」
彼女は先ほど、笑ったりなどの、”感情表現”が違和感なく、出ている。
とても機械と会話しているとは思えない。
<貴方の質問に、答える義務はないの。さあ、最後の質問よ。……なぜ”戦う”の?>
鈴は、この質問の意味が分からなかった。
…戦う理由? …難しい質問だ。
鈴「さあ、なぜかな。……そーいう悪運が強いんじゃないかな? 呪いかも。」
鈴自身も、その理由は分からなかった。気づいたら、いつもどこかで戦っている。
……本当に呪いなのかもしれない。
さあ、これに女性は、何と答えるのか。
長いので、ここで切ります!
ヤバい、ノベルで書くの楽しい…!
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コメント
10件
私も好き~!
はーい!好きデース!