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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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わたしは思わず叫んだ。美咲はビデオの再生を止め、わたしに尋ねた。

「どうしたの?」

「どうした……って。ねぇ、これって村の風習が……って話じゃなかった?」

「そうだよ?」

「今、思いっきりヤバいもんが映ってたんだけど?」

「だから、珍しくてガチで怖いやつっていったじゃん」

「いや、言ってたけど……。でも、これ、犯罪じゃないの?」

「そりゃ、そうかも」

いや……そうかもって……。わたしは美咲の言っていることが理解できなかった。だって、これはどう見ても犯罪だ。しかもかなり悪質な部類の。ホラー系で怖いのかと思ってたけど、ちょっと「怖い」の意味が違うくない!?

「……ねぇ、この女の人は誰なの?」

「誰か、までは分んないけど、冥婚の花嫁として誘拐されてきた人みたい」

「えっ、結婚相手って、誘拐しているの?」

「そうみたい」

「……ねえ、やっぱりこれヤバくない?」

「ヤバいかも。だから、独りで見たくなかったの?」

なんか、とんでもないことに巻き込まれた気がする。……いやいや、落ちつけ。こんなの、本物のわけがない。これは、きっとそういうていの、作り物なんだ。

「とりあえず、ビデオの続き見るよ?」

「え、あ……うん」

美咲は再びビデオの再生ボタンを押した。ビデオの中の女性は、手足を縛られた状態のままぐったりしている。気を失っているのだろうか? と、そこへ、一人の少年が現われた。

「え、これ何? 子供?」

「そう。それが今回のビデオのやばいところなの」

「どういうこと?花嫁さん、子供と結婚させられるの?」

「まあ、結果的にはそうなるかな。今回の冥婚はね、10歳くらいで死んだ男の子のためのものなの。その子が死んで10年、20歳になったお祝いに、冥婚させたげようって親たちは思ったらしいの。けど……肝心の子どもは死んでいるじゃない? 死んだまま年を取らなかったみたいなの。だから、結果的に10歳の男の子と結婚することになったの」

「いや、その、ええっ!? 突っ込みどころが多すぎて、何から突っ込んだらいいのか……。とりあえず、10歳の子に結婚なんて無理じゃない?」

一番の問題はそこじゃなかったな、と思いつつ、つい、そう口走ってしまった。

「まあね……。でも、10歳で、えっちなことにも興味のある男の子が、好きにしていいよって言って縛られた女の子を見たら、どう思う?」

「まあ……エロいことするよね」

「でしょ? でさ……」

美咲はビデオに再び目をやる。すると、画面の中の女性は意識を取り戻したのか、もがき始めた。手足を縛られているせいで、大きな動きはできないようだけど……。

男の子は、そんなもがいている縛られている女の人に近づき、そして、女性の胸を触り始めた。

「えぇっ!? 何やってるの、この子」

「まぁ……エロガキだねぇ……」

わたしの驚きをよそに、美咲は冷静に答えた。そんなわたしたちに構わず、男の子の手はどんどん動いていく。女の人が身に着けているものを全て剥ぎ取り、女性は一糸まとわぬ姿にされてしまった。やがて、彼女の乳房を触っていた男の子の手が次第にその下へ伸びていく……。

「うわぁ……さすがにこれはちょっとヤバいな……」

「でしょ?」

画面の中では、男の子が女性の股間に手を伸ばしているところだった。女性は必死に抵抗しようとしているけど、手足を縛られていては何もできない。やがて、彼女の割れ目の中に少年の指がのびていった。少年は片手でそこを広げて遊んでいたが、やがてもう一方の手の指で、真ん中にあるぷっくりと膨らんだ女性の敏感な部分を探り当て、そこを弄り始めた。

「ねぇ……ちょっと……」

美咲に声をかけてみたが、彼女は画面に釘付けになっていた。やがて、少年の指の動きに合わせて、女の人の身体がビクビクと震え始める……。そんな状態になってもなお女性は抵抗しようとしていたが、ついに少年の指が女性の中にある弱点を突いたのだろう。彼女は激しく身体を痙攣させ、絶頂を迎えたようだった。

少年はそんな女性の様子を面白そうにくすくす笑いながら眺めていたが、やがて一度画面の外に出ると、今度は何か棒のようなものを持って帰ってきた。よくみるとそれは、いきり立つ男性器の形をしていた。

「何、あれ?」

「ああ、なんか、ああいうお供え物があるみたい」

少年は、持ってきたものを女性の股間にあてがうと、それを彼女の中に挿入した。彼女はさきほど少年の指でいじられたせいで、既に十分に濡れていたのか、少年のものを拒むこともなくズブズブと根元まで受け入れた。

少年はしばらくそのままの状態で女の人を楽しもうとしていたようだったが、やがて少しずつ動き始めた。初めはゆっくりだった動きが徐々に激しくなり、そしてついに……。

「ねぇ……」

わたしは思わず美咲に声をかけた。ビデオの中では彼女が再び絶頂に達している最中だった。彼女の割れ目から吹き出した液体が辺りに飛び散っているのが見える。これは作り物じゃない!本物だ……!すくなくともこのシーンは本物だ、そう思った。

「なに?」

美咲はわたしの呼びかけに気付かないのか、そのままビデオを見続けている。

「これ……本物だよ」

わたしはもう一度、そう言った。しかし美咲は何も答えなかった。しばらくするとビデオは終了した。私は最初に言いそびれた疑問をぶつけてみることにした。

「ねえ、美咲」

「何?」

「これって、冥婚のビデオだって言っていたよね?」

「そうよ。それがどうしたの?」

「だったら、あの男の子は死者ってことになるよね。でも、そうは見えなかった。これ、どうみたって『本物』じゃん! あれ、絶対生きている男の子だよ」

「ううん、これ、『本物』の冥婚のビデオだよ」

そして美咲はぞっとするような笑顔を浮かべてこういった。

「すぐに分かるよ」

その後、気まずくなった私は、すぐに帰ることにした。その夜のこと。昼間見たビデオのせいで、なかなか寝付けなかった。いろんなことを考えてしまう。そもそもなぜ、美咲はあんなビデオを見せたんだろう。……そういえば、独りでは怖くて見れない、とか最初に行っていた気がするけど、どうも反応を見ていると、内容を知っていた気がする。そんなことを考えながら、うとうとしていた。




どれくらい時間が経ったろう。私は夜中にはっと目が覚めた。けれど、……動けない! 何これ、金縛り!? それに、夜だと思ったけど違う。これ、私、目隠しされているんだ! 動けないのも金縛りじゃない、縛られているんだ! と、そのとき、子供、それも男の子の声がした。

「お姉ちゃんが、新しいお嫁さんかな? よろしくね!」

そして男の子がゆっくり近づいてくる気配がして――

終り

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