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独立、ねぇ。
今思い返すとたくさんの国(息子)が独立したなぁ。
中でもアメリカの独立運動が一番の印象に残ったなぁ。
『もう耐えられない。父さん俺、独立する。』
「そんなことを私が認めるとでも?」
「何そんなふざけた真似は、そんなことはよしなさい?」
『お前なんかの事は俺には知らないね。』
『今まで耐え抜いてきたんだ、毎日酷いことを刺せられお前なんかの事を考えると思うか?』
「やって見なさい?きっとすぐ助けを求めるだろうねw」
『ああ、必ずやってみせるさ。』
そういいあなたは私の元から離れました。
心にはどうせ出来ないと思ってました。でも本当に成功したらどうする?
という一物の不安がありました。
今まで酷いことをしてきた。という自覚はあったものの、これでいいんだ、という諦めもありました。
英語が出来なければ、教育という名の暴力で躾たり
マナーが出来てないと、食事を抜きにしたりなど。
今思えば本当に酷いことをやっていましたね。
そして、アメリカの独立戦争が始まりました。
その時の私には
どうせ失敗に終わります。
という気持ちでも居ました。
でも、失敗、という予想は打ち砕かれました。
勝ったのです。
『どうだ?できないと思ったその気持ちは?』
「…」
『無言だけではなんも言い表せないぞ? 』
「…悔しい…ですよ。」
『ああ、そうだよな。
お前も前までは広大な領土があったのに今ではこんな小さくなってよw。』
ボコッ
「…ぁ」
『これが俺の気持ちだよ、分かったか?』
「…別に。」
『まだ足んねぇようだな。』
ボコッ
「っ…」
『いい気味だ。分かったか?』
「分かり…ました。」
『それじゃあ俺は向こうへ行く
そんじゃーな。』
そういい貴方は仲間たちと一緒にどこかへ行った。
今までは私の下で居たあなたが消えてしまうのは寂しいです。
そして貴方と私の差はどんどん開いていき、当時、無能だった貴方は
逆となり、逆に私が無能となりました。
成長した貴方と、なんも変わってない、置いていかれた私とでは
どれだけの違いがあるのでしょう。
そんなことも分からないなんて、全く無能ですね。
あれだけやったのは、あなたには立派になって欲しいという願いも有りました。
でも、その本音は到底貴方には言えませんでいた。
言ったって、『言い訳だろ?』と言われるかもしれません。
その不安で言えません。
貴方に本当のことを言ってしまったら嫌われるかも、と思ってしまうのです。
でも、いつかは、言えるといいですね。
でも、その時はまだ時間がかかるでしょう。
今、こんなに成長したのなら立派、とも言えるでしょうね。
それもこれも私、ではなくあなた自身の努力でもありますから、本当にすごいですよ。
置いてかれた私、私を置いていき、こんなにまで成長した貴方。
どれだけの違いが有るのでしょうか。
「いつか、言えるといいですね。」
ポンッ
「わ”っ!」
『ああ、すまん、親父。』
「アメリカ、ですか。」
『それより、何を言えるといいんだ?』
「…まだ、貴方には言えませんよ。」
『えー!言ってよ!』
「…嫌ですね。」
『そんなに言いたくないことなのか? 』
「…貴方にどう思われるか不安なんです。」
『ほぉう?過去の話か?』
「…そうですよ。よく分かりましたね。」
『そんなくらい雰囲気だと過去ぐらいしか思い付かないからな。』
『それより、言いたいことは何だ?』
「…あれだけ、酷いことをやった、という自覚は有りました。」
『おん。』
「でも、あれだけやったのは、貴方に立派になって欲しかったからなんです。 」
『そうか。それで? 』
「それでも独立したら貴方が大変な目に遭うかも、ということを思いました。」
『へぇ。』
「それでも、貴方は独立しても最初は手を借りていましたが、今ではこんなに成長して、
貴方の努力は本当にすごいのですね。って。」
『…そうか。』
「…ごめんなさいね、こんなの言い訳ぽっちとしか思いませんよね。」
『全然そんなことはないぞ?』
「え?」
『逆にそこまで気遣ってくれてたんだなって。』
「…っ アメリカ。」
『ん?何だ?』
「貴方は、本当に…優しい…ですね。」