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学園モノ編
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💚🩷高校生
この高校は、異様だ。
一年、二年早く生まれただけで、
絶対的な上下が決まる。
廊下では目を合わせない。
呼ばれたら、即座に返事。
逆らえば——
次の日から居場所はなくなる。
そんな場所で、俺は大人しく三年間を過ごす。
……はずだった。
──
放課後。
佐久間は中庭を横切っていた。
視界の端に、誰かがしゃがみ込んでいる。
地面をじっと見つめ、草むらをかき分けている。
🩷(何してるんだろ)
🩷「あの……」
声をかけると、その人物はゆっくり顔を上げた。
💚「あ」
整った顔。
見覚えがある。
学年トップの優等生——阿部。
🩷「なにか探してます?」
🩷「手伝いましょうか?」
一瞬だけ、阿部は佐久間を見つめた。
観察するみたいに。
💚「……いいの?」
柔らかい声。
💚「カッターを落としちゃって」
🩷(カッター?)
一瞬、引っかかる。
でも、深く考えなかった。
二人で草むらを探す。
沈黙が妙に静かだ。
──────────────
真剣に探す。
そして─────
🩷「あ、これですか!?」
土の上に光る銀色。
拾い上げる。
刃先に、赤い液体がついている。
🩷(……絵の具?)
💚「ああ、それそれ」
阿部は迷いなく受け取る。
💚「ありがとう」
にこ、と笑う。
でも。
その笑顔が、
少しだけ、目に届いていない気がした。
🩷「じゃあ、俺はこれで」
背を向ける。
その瞬間。
💚「佐久間くん」
名前を呼ばれて、振り向く。
💚「……優しいね」
意味深な微笑み。
あれが、始まりだった。
俺の高校生活は、
静かに、狂い始める。
──つづく。