テラーノベル
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俺は袋の山と零斗さんのドヤ顔を交互に見つめる。
「なんだよ。嬉しすぎて言葉も出ねぇか?」
零斗さんはドヤ顔のままそう言う。
「…零斗さん。何してるんですか」
「あ? 何って、プレゼントだよ。快へのプレゼント」
「いやいや。こんな大量に買ってどうするんですか」
「そりゃあまぁ、日替わりで着てくれよ」
「そういう事じゃなくて…」
まったく。どうしたらいいんだ、この人は。
俺が困っていると、零斗さんが申し訳なさそうに言う。
「…悪かったな。快が俺と定期的にショッピングデートしてぇって言ってたのにこんな一気に買って」
(それもまた違うけど…)
「いいですよ。買ってくれたのは嬉しいですし。でも、次ショッピングデートする時は同じことしないでくださいね」
「ん…分かった」
零斗さんは反省する顔を浮かべる。
「ほら、帰りますよ。袋半分ください。そんなに持ってたら重いですから」
そう言って手を差し出すと、零斗さんは俺に袋を少し分ける。
「こんだけ持ってくれれば後は持てっから」
そう言って歩き出す零斗さんの隣を歩いて車に向かった。
家に帰ると、荷物を置いてソファーに座る。
フーッとため息をつくと、隣に零斗さんが座る。
「快、もしかしてまだ怒ってんのか?」
「怒ってないですよ。ただ歩き回って疲れただけです」
「そっか。じゃあくっついていいか?」
「あぁ…いいですよ。別に」
俺の言葉に零斗さんは目を輝かせる。
「よし、快。寝転べ」
零斗さんはそう言いながら自分の太ももをポンポン叩く。
「膝枕ですか?」
「ん。疲れてんだろ? 昼寝しろよ」
「昼寝って、もう十六時なんですけど」
「まぁ、細かい事はいいだろ。ほら」
そう言って期待に満ちた目で見つめて来るので、俺は仕方なく零斗さんの太ももに頭を乗せ、寝転ぶ。
「これでいいですか?」
「ん。俺が寝かしつけてやるよ」
零斗さんが俺の頭をそっと撫でる。
何度も何度も優しく。
そうされているうちにだんだん瞼が重くなる。
「零斗さん…俺、本当に寝そう…」
「寝ろよ。な?」
零斗さんは優しく頭を撫でながらそう言う。
「でも…零斗さんと…」
そこで俺は眠ってしまった。
しばらく眠り、ゆっくり瞼を開ける。
スマホの画面を見ていた様子の零斗さんが気付き、俺の頭をそっと撫でる。
「おはよ」
「ん…おはようございます…」
「結構寝たな」
「えっ。何時ですか?」
そう言いながら飛び起きる。
「十七時過ぎ。一時間寝てたな」
零斗さんは俺の肩に手を置いて引っ張り、もう一度寝かせてくる。
「ちょっと、もう起きるんで寝かせないでください」
「いいじゃねぇか。ここでゴロゴロしてろよ」
「嫌です。零斗さんとイチャイチャします」
「イチャイチャ?」
零斗さんは不思議そうに俺を見る。
「はい。イチャイチャです」
「んなもん今してんじゃねぇか」
「まぁ確かに…でもそうじゃなくて、もっとイチャイチャしたいんですよ俺は」
「もっとって言われてもよ…」
零斗さんはそこで口を噤み、考える素振りを見せる。
「俺にくっつきまくるって言ってたのに、全然くっつかないじゃないですか」
「今くっついてんだろ」
「これが零斗さんの”くっつきまくる”なんですか?」
「そうだけど…違ぇのか?」
「まぁ、はい。俺の想像してたくっつきまくるは…」
俺は体を起こし、零斗さんに体を向けて膝の上に乗る。
そして目が合った瞬間、俺は零斗さんの唇に俺の唇を重ね、顔を上げた。
「こういうのです」
零斗さんは俺と目が合うと、サッと目を逸らす。
そんな零斗さんには興奮のオーラが浮かんでいた。
「零斗さん。今、エロい事考えました?」
「あ? いや。考えてねぇけど…」
「嘘ですね。なんなら今も考えてるでしょ」
「いや俺は別に…」
焦りのオーラ。
「零斗さん。俺には全部見えるんですよ。観念してください」
「…お前が誘うような事するからだろ」
「分かってないですね。俺は”誘うような事をした”んじゃなくて、実際に”誘った”んですよ?」
俺のその言葉で零斗さんの目つきが変わる。
「へぇ。それはつまり俺が何しても文句ねぇって事だよな?」
「はい。好きにしてください」
俺の言葉を聞いて、零斗さんは俺の口元に自分の口を近付ける。
そんな零斗さんを見て、俺も少し顔を近づけると、俺の唇に零斗さんの唇が触れた。
何度か唇が触れ、深いキスに変わると、零斗さんの手が俺の腰に回る。
「んっ…」
そのままゆっくりと体を倒し、気づけば俺はソファーに寝転がっていた。
何度かキスを続けると、俺の唇から零斗さんの唇が離れる。
零斗さんは顔を上げ、俺を見た。
「ベット行くか?」
「いや、いいです。俺もう待てないんで」
「お前…そんな煽るようなこと言いやがって」
「本気になっちゃいました?」
俺の言葉に零斗さんはニヤッと笑う。
「そうだな。ちょっと手加減出来ねぇかも」
「ホントですか? 大歓迎です。前の零斗さん、優しすぎましたから」
「そりゃあ快は取り扱い注意だろ。俺と違ってやわで純白だろ?」
零斗さんの言葉に俺はフフッと笑う。
「見くびらないでください。俺は零斗さんより恋愛経験が豊富ですし、やわでも純白でもありません」
そう言った後、零斗さんの胸ぐらを掴んでぐっと引き寄せ、キスをする。
手を離すと、零斗さんが顔を上げた。
「こういう事も平気でするんですよ? 俺」
「お前ホント…」
「なんです?」
「好きだわ」
零斗さんの唇が俺の唇に触れる。
「手加減無しでいくぜ?」
「はい。よろしくお願いします」
俺が微笑むと、再び俺たちの唇が触れ合った。
ソファーに裸のまま、二人並んで座る。
「零斗さん、本気出したらあんなに凄いんですね」
「まぁ…ちょっとやり過ぎたけどな」
「そんな事ないです。俺はあれくらい激しい方が好きなので」
「へぇ〜。意外だな」
「もう。零斗さん俺の事甘く見すぎ。俺って結構変態ですよ?」
「じゃあ俺と相性バッチリだな」
ニヤッと笑う零斗さんに微笑む。
「そうですね。俺たち、お似合いです」
零斗さんは冗談で言ったつもりだったのか、驚きと照れのオーラを出す。
「あれ。零斗さん、何照れてるんですか?」
「快がお似合いなんて言ってくれると思わなかったから…」
「零斗さん、素直ですね。ご褒美に一緒にお風呂に入ってあげます」
「あ? 一緒に風呂?」
喜ぶと思って言ったのに、零斗さんの表情が少し曇る。
「あー…嫌でした?」
「別に嫌じゃねぇけど…ちょっとトラウマが」
「トラウマですか?」
「おう。俺たちがフラワーパーク行った日、俺快に他に好きな奴居ると思っていじけて帰っただろ?」
「あぁ…そうでしたね」
「おう。そんで帰った後さ、部屋籠って、そろそろ風呂入んなきゃなって風呂場行ったんだけど、中から喘ぎ声聞こえてきてよぉ」
「えっ。誰かしてたんですか?」
「ん。あおと陽雅が」
「あぁ…」
(恭也のそういう話初めて聞いちゃった…)
「落ち込んでんのにそんなの聞かされて、マジ余計に落ち込んだわ」
「それでトラウマなんですか?」
「そう。まぁ、今はもう快と付き合えてるしどうでもいいかもしんねぇけどさ、やっぱ一緒に風呂って単語聞くと思い出しちまうわ」
零斗さんは苦笑いをした後、続けて言う。
「恋人プレイとかもしてたし、あいつら両想いだろうしさっさと付き合っちまえばいいのにな」
「…そうですね」
「まぁ、陽雅がそのうち告んだろ」
零斗さんはそう言って微笑む。
この感じだと多分、零斗さんは陽雅さんが恋人を作る気が無い事を知らないのだろう。
「…零斗さんは陽雅さんが恋人作る気無いって事知らないんですか?」
「あ? そうなのか? 全然知らねぇわ」
「あの…もし零斗さんが良ければ、陽雅さんの事説得してくれませんか?」
俺は少し勇気を出してそう言った。
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うわぁ…第34話、甘々だった🥀💗 零斗さんの不器用な愛情表現と、快くんの“誘ってる”感のバランスがたまらない…! 「俺たち、お似合いです」って快くんが言うシーン、心臓ぎゅってなったよ。 トラウマ話でシリアスな空気になるところも、ちゃんと物語に厚みがあって好き。 陽雅くんの件、どうなるんだろう…次が気になる〜!