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無能と捨てられた鑑定聖女実は世界で唯一の神竜使いでした隣国の冷徹皇帝に溺愛され元婚約者は破滅します
第7話 - 真の救世聖女。ノヴァを救うため、隠された真の力を完全に覚醒させる。ギルベルト:ガルディニア皇帝。
16
2,362文字
2026年08月06日
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エルザ:世界の常識を塗り替える真の救世聖女。大地の呪いを一瞬で消し去る。ギルベルト:エルザを全軍で守る皇帝。敵国の王族には一切の容赦をしない。ノヴァ:神竜。かつて自分を苦しめた土地が浄化される姿を見届ける。ロストリアの王族たち:セレナを失い、大地の穢れに対処できず自滅した哀れな権力者。「ロストリア聖帝国へ向けて、全軍進軍を開始せよ。我が妻エルザを侮辱した代償、その身と国家をもって支払ってもらう」ギル様の発した宣戦布告から、わずか数日。ガルディニア帝国の精鋭軍は、遥か東の大国であるロストリア聖帝国の国境を越えていた。けれど、これは「戦争」と呼べるようなものではなかった。なぜなら、私たちがロストリアの領土に足を踏み入れたとき、そこにはすでに人の住めるような光景は広がっていなかったからだ。「……ひどい。これが、大陸最大の宗教国家の姿なの?」馬車から外を見つめていた私は、思わず息を呑んだ。かつては美しい白亜の建物が並んでいたとされる街並みは、今や地面のあちこちから噴き出したドス黒いドロドロとした霧――「大地の穢れ」によって覆い尽くされていた。農地は腐り果て、人々はゲホゲホと黒い煙を吐きながら倒れている。『当然の結末だな』私の隣で、腕を組んだ人間の姿のノヴァが、冷ややかに鼻を鳴らした。『あの国は代々、我が魔力を神の鎖で強引に奪い取ることで、その大地の穢れを無理やり抑え込んできたのだ。その鎖を主が破壊し、第一聖女セレナが魔力を失った。帳尻を合わせる身代わりを失えば、大地に溜まっていた数百年の呪いが一気に噴き出すのは自明の理だ』【ロストリア聖帝国の王都】状態:古代の邪神の血による『超広域・呪毒汚染』生存確率:このままではあと3日で国家崩壊私の『万物看破』のスキルは、この国がもう手遅れであることを示していた。他人の力を泥棒のように奪って繁栄していた国は、その身の丈に合わない呪いの前に、自滅の一途をたどっていたのだ。「エルザ、気分が悪くなったらすぐに言いなさい。こんな薄汚い国、我が軍の魔導砲ですべて消し去ってもいいのだぞ」ギル様が私の肩を抱き寄せ、過保護全開の心配そうな声をかけてくれる。【ギルベルト・ガルディニア】状態:愛妻の健康が最優先・敵国への容赦ゼロ本心:『エルザにこんな汚い景色を見せたくない。王族どもは全員地下牢へぶち込むとして、この大地の呪いだけが厄介だな。エルザの服が汚れたらどうするんだ』(……ギル様、相変わらず私のことしか頭にありませんね。でも、嬉しいです)私はギル様の手を握り返し、まっすぐに前を見据えた。「ギル様、魔導砲はいりません。私がこの国のバグ(呪い)を、すべて直します」「エルザ? しかし、これほどの広範囲の呪いだ。君の体に負担が……」「大丈夫です。今の私には、ノヴァがいますから」私が微笑むと、ノヴァは嬉しそうに口元を歪めた。『応とも。我が主の望むままに、我のすべての魔力を預けよう』馬車がロストリア聖帝国の王宮前広場に到着すると、そこには生き残った王族や貴族たちが、泥まみれになりながら絶望に震えていた。「ひぃぃ! ガルディニアの悪魔どもが来た!」「セレナ様はどうした!? なぜ神の奇跡は起きないのだ!」彼らは自分たちの犯した罪も知らず、ただ天を呪っている。私は馬車を降り、広場の中心へと歩み出た。ギル様とノヴァが、私の左右を固めて世界を威圧する。「ロストリアの皆さん、よく見ていてください。これが、あなたたちが『偽物』と呼んだ力です」私は深く息を吸い、右手を天へと高く掲げた。ノヴァが本来の漆黒の巨大な神竜の姿へと戻り、王都の空を覆うように力強く咆哮する。その瞬間、世界を揺るがすほどの莫大な神魔力が、私の体内へとダイレクトに流れ込んできた。「万物看破――世界の上書き修正(リライト)!!」私の叫びと共に、私の体から肉眼では直視できないほどの純白の聖魔力が、衝撃波となって王都全域へと広がっていった。ドガァァァァァン……!!!光の波が、街を覆っていたドス黒い呪いの霧を次々と消し去っていく。ひび割れ、腐り果てていた大地は一瞬で瑞々しい緑の芝生へと変わり、白亜の街並みには色鮮やかな美しい花々が爆発するように咲き乱れていった。さらに、呪毒に苦しんでいた人々の体から黒い煙が抜け、一瞬にして病が癒えていく。たった一秒。私が右手を一振りしただけで、国家を滅ぼしかけていた数百年の呪いが、完全に「正常な大自然」へと上書きされたのだ。「な、何が起きたんだ……?」「大地の穢れが……消えた……? 身体が、軽い……!」静まり返った広場で、最初に声を上げたのは敵国の兵士や領民たちだった。彼らは呆然と周囲の美しい緑を見つめた後、その視線を私へと向けた。そして――。ザーーーッ……!!!「おおお……! 真の聖女様だ……!」「我が国を救ってくださった、本物の救世主様だぁぁぁ!」敵国の何万人という領民たちが、涙を流しながら一斉に私の前にひざまずき、祈りを捧げ始めたのだ。ロストリアの王族たちの権威は、この瞬間完全に失墜した。【ロストリアの民衆たち】状態:歓喜・狂信・エルザへの絶対の忠誠本心:『あの優しく美しい御方こそが本物の神の使わしき聖女様だ! 私たちを見捨てた王族なんていらない! これからはガルディニア帝国に命を捧げよう!』民衆の怒りの矛先は、私を襲おうとした愚かな王族へと向かい、ロストリア聖帝国は戦うまでもなく、完全に無血開城されることとなった。「素晴らしいな、エルザ。一瞬で一国を我が物にするとは……。君を敵に回した奴らは、本当に愚かだ」ギル様が後ろから私を優しく抱きしめ、耳元で愛おしそうに囁く。その瞳には、世界のすべてを敵に回しても私を守るという、深い深い愛の炎が灯っていた。
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つかであきひろ
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