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無能と捨てられた鑑定聖女実は世界で唯一の神竜使いでした隣国の冷徹皇帝に溺愛され元婚約者は破滅します
第8話 - 第8話:無能と呼ばれた令嬢は、世界で最も溺愛される大皇妃へ
15
2,206文字
2026年08月06日
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つかであきひろ
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エルザ:真の救世聖女にしてガルディニア帝国の大皇妃。世界を救い、究極の幸せを掴む。ギルベルト:ガルディニア皇帝。エルザへの愛が天井知らずで膨らみ続けている。ノヴァ:神竜。エルザのそばで美味しいものを食べ、末長く世界を見守る決意をする。ジュリアス&マリア:全てを失い、最果ての開墾地で泥にまみれる元王族と偽聖女。「エルザ。本当に、世界で一番綺麗だ。今日の君を独り占めできないことが、これほど悔しいと思ったことはないよ」純白のウェディングドレスに身を包んだ私を見て、ギルベルト陛下――いいえ、私の最愛の夫であるギル様は、うっとりとした表情で熱い溜め息をついた。ガルディニア帝国の最高位を表す黒と黄金の礼服を纏ったギル様は、息を呑むほどに凛々しく格好いい。「ふふ、ギル様ったら。今日はお披露目のパレードなのですから、独り占めは我慢してくださいね」私が少しからかうように微笑むと、ギル様はたまらないといった様子で私の腰をぐっと抱き寄せ、額に優しく、けれど深いキスを落とした。【ギルベルト・ガルディニア】状態:幸福感の絶頂・全能感(愛妻家・極)本心:『ついにエルザが名実ともに私の生涯の伴侶(大皇妃)に! ああ、愛おしすぎて一秒たりとも離したくない。パレードなんてさっさと終わらせて、早く二人きりで初夜の続きをしたい』(……ギル様、本心が相変わらず直球すぎて恥ずかしいです……!)私の最高位鑑定スキル『万物看破』は、今日も夫の限界突破した溺愛ぶりを鮮明に映し出していた。でも、その過保護なほどの愛が、今の私には心地よくてたまらない。『おいおい、我の目の前で熱烈に見せつけてくれるではないか。主を泣かせるようなことがあれば、この国ごと焼き尽くすとあれほど言っただろう、皇帝よ』呆れたような、けれどどこか嬉しそうな声が響く。隣に立っているのは、漆黒の長髪を揺らす美青年――人間の姿に変身したノヴァだ。ノヴァはロストリア聖帝国での過去の因縁を私によって完全に浄化され、今ではすっかり私たちの頼れる(そして少々食いしん坊な)家族として定住していた。【暗黒神竜・ノヴァ】状態:主の幸福を全力で祝福・満足本心:『主のドレス姿、世界で一番美しいな。この皇帝なら主を間違いなく幸せにできるだろう。よし、我はパレードのご馳走のローストビーフを今のうちに確保しに行くか』「ノヴァ、お前は本当にマイペースね。でも、ありがとう」私が微笑むと、ノヴァは少し照れくさそうに顔を背けた。かつて無能と罵られ、冷たい地下室に閉じ込められていたレムリア王国での日々。それが今では、世界で一番大切な人たちに囲まれている。失ったものより、得たものの方が何百倍も大きかった。◇その頃――ガルディニア帝国の最果てにある「魔力結晶の奴隷開墾地」。「ひぃ、ひぃっ……! 寒い、お腹が空いた……! 誰か、誰か俺をここから出してくれ……!」かつてレムリア王国の第一王子として贅沢の限りを尽くしていたジュリアスは、今やボロボロの衣服をまとい、冷たい泥水に浸かりながらツルハシを振るっていた。その隣では、自慢だった金髪を泥まみれにし、シワだらけの顔(魅了の魔道具の副作用)になったマリアが、泣き叫びながら重い台車を引いている。「嫌よ、こんな生活! 私は聖女として、綺麗なお洋服を着て贅沢三昧するはずだったのにぃーッ!」「うるさいぞマリア! 全てはお前がエルザを追い出そうと仕向けたせいだ! お前のせいで俺の人生はめちゃくちゃだ!」「なんですって!? 騙されてエルザお姉様を捨てたのはジュリアス様でしょう!? この無能王子!」二人は毎日、血が滲むほど互いを罵り合い、傷つけ合っていた。私を捨てて自滅したレムリア王国は、結界が消えたことで魔獣に蹂躙され、ガルディニア帝国に無血吸収された。国を見捨てて逃げ出そうとした二人は捕らえられ、一生ここから出られない終身の奴隷として泥水をすする日々を送っている。【ジュリアス・元レムリア】状態:終身奴隷・精神崩壊寸前本心:『ああ、エルザ……。あの時、お前を裏切らなければ、俺が世界最強の力を手に入れ、今頃あの美しい聖女を抱いていたのに……!』どれほど後悔しても、もう遅い。二人は互いを呪いながら、永遠に続く絶望の底で這いつくばり続けるのだった。◇「――これより、ガルディニア帝国皇帝ギルベルト、そして真の救世聖女エルザの大皇妃就任を宣言する!」皇宮のバルコニーの扉が開くと、地鳴り coalition のような数万人の民衆の大歓声と、鳴り響く祝福の鐘の音が私たちを包み込んだ。見渡す限りの広大な帝国の街並みは、私の力で蘇った豊かな緑と、美しい花々で満ち溢れている。「エルザ。私の生涯のすべてを、君に捧げる。君がくれたこの美しい世界を、私は命に代えても守り抜こう」ギル様が私の手を取り、民衆の前で堂々と愛の誓いを立てる。その瞬間、ノヴァが天に向かって美しい漆黒と白銀の光の粒子を放ち、まるで星屑のような祝福の雨が世界に降り注いだ。「私も、あなたを生涯愛し、支え続けます。ギル様」私が微笑んで答えると、ギル様はたまらないといった様子で私を強く抱きしめ、民衆の歓声の中で熱い唇を重ねた。無能と捨てられた鑑定聖女は、今、世界で一番大切な家族と、一生をかけて私を愛し抜いてくれる最高の旦那様に守られ、誰よりも幸せな『世界最愛の大皇妃』となったのだった。