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こんにちは人類+αです
フィン受けの小説があまりにも少なくて泣ける
読みに行くんで誰か書いてください😭
それではどうぞ
最近、少しずつ空気が重くなっている気がする。
教室も、家も、どこにいても息苦しい。
誰もが笑ってるのに、俺だけ何かを警戒してるみたいで、胸の奥が落ち着かない。
原因は、なんとなく分かってる。
兄貴たち、そして日本。
「フィン~、最近顔色悪いけど大丈夫か?」
昼休み、ノル兄が廊下で声をかけてきた。
2年の教室からわざわざ来てくれるあたり、本当に世話焼きだ。
「ちょっと寝不足」
「また夜更かししてんのか? 無理すんなよ」
そう言って、ノル兄は俺の肩に手を置いた。
「……何かあったら、俺に話していいからな」
いつも通りの優しい声。
その普通さが、今はありがたかった。
放課後、昇降口に行くと案の定スウェ兄が立っていた。
今日はスーツ姿。塾帰りか何かかと思ったが、ただ俺を迎えに来ただけらしい。
「フィンランド。今日はちゃんと寄り道しないでね帰ってきてね?」
「誰が寄り道なんか——」
「今朝、フィンと日本君一緒に登校してたよね?」
「……は?」
「朝の通学路。フィンの隣で仲よさそう話してたの、僕知ってるよ」
笑ってるのに、目が笑ってない。
その一瞬、背筋が凍る。
「仲良いね、日本君。……でも、フィンには危ない人がよく付き纏ってるからね。僕が全部、見ておかないと」
「兄貴、何でそんなに監視してんだよ」
「監視じゃない。守ってるんだよ」
「守るって……俺、子供じゃねぇんだぞ」
「違うよ。——僕の弟だからだよ」
声が低くなる。
いつもの穏やかなトーンの奥に、何かが潜んでいる。
俺は返す言葉を見つけられず、そのまま家に帰った。
夜、リビングでノルウェーと一緒にテレビを見ていた。
スウェ兄は風呂場。
ノル兄がふと俺を見て、小さく呟いた。
「フィン、兄貴のこと大丈夫か?怖くねぇ?」
「……別に」
「嘘。お前の顔見りゃ分かる」
ノル兄は真面目な顔をして続けた。
「兄貴、昔からお前のことになるとおかしいんだよな。誰かと話してるだけで、すぐ機嫌悪くなる」
「……そんなことない」
「あるよ。一応あいつ結構な猫被りだからな?」
言葉が詰まった。
ふざけているように聞こえたが、至ってノルウェーは 真剣のようだった。
「フィン。もし何かあったら、助けてやるから
俺にも、もっと頼れよ?」
その優しさが、痛いくらいに沁みた。
その夜。
スマホにまたメールがきた。
送信者:日本。
> 『フィン君、最近スウェーデンさんと揉めてませんでしたか?』
『……何で知ってるんだよ』
『心配だから見てました』
全身に鳥肌が立った。
“見てました”?
> 『まさか家の前にいたとか言わないよな』
『見守っていただけです。フィン君の家の電気がつく瞬間を見ると安心するので』
背筋が凍る。
既読もつけずにスマホを伏せた。
けど、数分後にまた震えた。
> 『スウェーデンさんのように、私は束縛しません。ただ、あなたを守りたいだけなんです』
『フィンランド君の笑顔を奪う人間は、この世には要りませんからね。』
怖い。
けど、どこかで分かっていた。
日本が“優しい”だけの人間じゃないことを。
ベッドの上で目を閉じた時、脳裏にノル兄の言葉が浮かんだ。
——「何かあったら助けてやるから俺にももっと頼れよ?。」
「……こんなのどうやって頼ったら良いんだよ」
不安な気持ちを抱いていたが、どうやら眠気には逆らえないようだった。
俺は不安を抱えながら意識を手放した。