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ノベルBLしか書けない期来たかも…🥹
俺の彼氏は人気者だ。立場上の問題で社交的にならなければいけなくて、元々は苦手だった人との交流もやっぱり何年も続けてると慣れは来るもので、最近では作業のように挨拶しに回っては、手応えがよかったらにこにこで、手応えが悪かったらなぜか燃え上がったような表情を見せて返ってくることもしばしば。
…そう、いつか慣れは来る。だから今日という一日、一日を我慢すればいいってこと。それだけなのに。
やっぱり、恋人という普通の人とは違う関係性を引いている以上、他の人には抱かない感情、気持ち、想い、どれも似てるようで似てない複雑なものが入り交ざって俺の心のなかで渦巻いている。
「ただいまぁ…っ ひぃ…疲れた!」
「おかえり、ないくん ご飯温め直すからお風呂入っておいで」
「…癒し。 …じゃなくて、ありがとね。」
別に仲が悪いとかじゃないし、俺が彼への愛が冷めたわけでも冷めきったわけでもない。だからこそ俺はしんどく、藻掻き苦しまなきゃいけない羽目にあってるんだけど。
別れたいわけじゃない。…ううん、別れたくない。でもこの複雑なものを拗らせると絶対にないくんに迷惑かけちゃうし、もしかしたらいれいすメンバー、VOISINGメンバー、他の企業さん方々にも迷惑かけちゃうかもしれない。そんなのは絶対だめ。だってこれまで頑張ってきたのが俺の恋心で水の泡になったら俺はどう責任とればいいんだって話だからね。
だからその未来のことを考えたら別れた方が良いに決まってる。でもそれもしっかり別れる。って決断できないのは俺の弱さだよね。
「…? どうしたの?考えてるおかおしてる。」
「おかお…、りうらのこと馬鹿にしてる?」
「してないしてない、愛おしさ全開で話しかけたらそうなっちゃったの」
ふはっと吹き出しながらお箸を持つ手を止めて、俺の方をじっと見つめてくれる。対面に座ってるとよく互いの顔が見える状態でなんだか少しだけ恥ずかしいなぁ。なんて、照れ隠しで笑ってたらないくんはにっこりと目を細めて、そのまま俺の頬をゆっくりと触れる。
それにぴくり、と反応すると今度は面白可笑しそう、というより俺にも伝わってくるくらいの甘い甘い…愛おしさが込み上げたような、そんな優しい笑みを浮かべる。
「りうらが悩んでるのであれば俺にも相談してほしいなぁ、…いむとか初兎ちゃんとかに頼るのも見てて俺としては微笑ましいけどさ。やっぱり…俺も人間だから…」
…少しだけ悲しそうな顔、目を伏せて、その瞳で俺のことを捉えてくれてない。俺も悲しいはずなのに少しだけ嬉しい気持ちが込み上げるのはなんでなのかな。
ないくんに悲しい表情させちゃうなんて俺は彼女として失格だね、こりゃあ。
「悩んでる理由がないくんでも聴いてくれるの?」
「俺が理由ならしっかりと聴かないとじゃん …ごめん、俺はなにかしちゃった?」
背をすぼめて、目だけを上げてこちらを見つめてくる。あーあ、すっかりないくんの双葉もしょぼぼんとしてる。…こういう一面があるから嫌いになれないし、別れたくないってなるんだよ。だってないくんのこと更に好きになっちゃうから、どんどん俺だけが辛くなっちゃう。
「…ないくんが他の人たちと交流するのいや、りうらだけ見てればいいのにってなるのに。そんな気持ちは勿論伝わるわけもなくてさ、それで…えっと、」
「…うん」
ごめんも、そっかも言わないのはまだ俺が言いたいことがあるってわかってるからかなのかな。やっぱりないくんは俺のことをよく1番わかってるよ。…また好きになっちゃうなぁ。
「本当は2人きりがいい。あにき達でさえも近づくのが嫌。りうらだけなのにないくんにベタベタベタベタ…そんなの見てて不愉快でしかないし、それと同じ分だけイライラしちゃう。…でもそんなこと叶うわけないし、そんなことがもし仮に叶ってしまったとしても色んな人に迷惑かけちゃう。」
「だからたくさんたくさん我慢してきてる。それなのにないくんはこうやってまた好きにさせてくるんだよ?そんなことされたら気持ちが抑えきれなくなっちゃって、…りうらしんどいよ。」
ないくんのせいみたいな言い方しちゃった。もういっそのことないくんが全力でフッてほしい。もう嫌いになったから別れようって言ってほしい。…でもないくんがそんなこと言うわけないからさ、きっとないくんのことだから、俺のこと大好きなないくんのことだから「ごめん、もっと距離感気をつける」って言ってしっかり有言実行してしまって俺としては嬉しいような申し訳ないような気持ちに覆われるんだ。
本当に面倒くさい人間だなって自分でも思ってるよ、直したいって思ってるけど俺は頭良くないし行動力もないから気持ちで抑えちゃって行動に移すことができないの。
「りうらにしんどい思いさせちゃってごめんね。メンバーとの距離とか、企業さんとかとの距離は…変えられないかも。2人きりになりたいってのも無理」
「…俺だってりうらと2人きりだけの世界で生きていきたいけど、そんなことしたらりうらは大変なことになっちゃうから、りうらのこと好きな人たちが辛くなっちゃうんだから、俺はいくら俺の可愛いりうらでもそのおねだりは言うこと聞けない。」
…思ったよりばっさり捨てられた。でもそれなのに、なんだか嫌な気持ちしない。悲しい思いも辛い思いもしない。ただ嬉しいような真っ暗だった部屋に電気が着いたみたいな感じがする。
「…ないくんは今でもりうらのことすき?」
「だいすき」
「そっかぁ…」
まだもう少しだけりうらは我慢してみようかな。ないくんだって同じ気持ちなのであれば乗り越えられる気がする。その辛さにも慣れて、へっちゃらになればもっとないくんが楽になるし、もっと幸せになれるはずだから。
だからもう少しだけわがままお姫様でも許してね。りうらだけの王子様
end
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