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ドゴォォォーン!!
「一郎と六郎はまだ、本家に残ったままなのか!?」
「モモちゃんと四郎を連れ戻すだけでも、必死だったんだよ。」
「2人は無事なのか?」
五郎が通話していた相手は七海だった。
「分からない、インカムの電源がきれてる。爆破の影響で僕達も本家から離れないとヤバイ。」
五郎はライフルスコープを覗きながら、九龍会の本家の様子を見ていた。
キラッ。
本家の反対側から一筋の光が見えた。
「一旦、切るぞ七海。」
「は?え!?ちょ、ちょっと。」
ピッ。
タッ!!
プシュンッ!!
五郎はARES MS700スナイパーライフルBKフルセットを持ち、近くにあった大きな水道管に身を隠した。
さっきまで五郎がいた位置に、銃弾が撃ち込まれていた。
CASE 五郎
「スナイパーがいやがる。」
カチャッ。
ARES MS700スナイパーライフルBKフルセットのライフルスコープを覗く。
どこから撃って来やがった。
煙で何にも見えねぇ。
パシュッ、パシュッ!!
お構い無しに撃って来やがってんな。
光が見えた所にぶち込むか。
俺に弾が当たる可能性が高くなるが、相手を撃てる可能性も上がる。
一か八か…。
カチャッ。
俺はARES MS700スナイパーライフルBKフルセットを構え、射程位置に付く。
キラッ。
見えた。
パシュッ!!
ザッ。
弾を撃った後、俺は物陰に隠れた。
当たったか分からないが、相手のいる位置は大体…、予想出来る。
煙が晴れたら、弾をぶち込んでやる。
射程位置を確保し、煙が晴れるのを待つ。
風が吹いて来た。
煙が晴れ出し、九龍会の本家とは逆側のビルが見えた。
あのビルに居る。
カチャッ。
パシュッ!!
パシュッ、パシュッ、パシュッ!!
俺の射程位置を分かって、撃って来たな。
「だが、俺の方がうまいんだよ。」
パシュッ!!
視点 九龍会本家の反対側のビルの屋上ー
ブシャッ!!
「いったぁぁあぁあ!!」
五郎を撃っていたスナイパーは、喜助(キスケ)だった。
喜助の肩に五郎の撃った弾がヒットした。
「あの野郎!!絶対に殺してやる。」
カチャッ。
M16A2を構え直し、ライフルスコープを除いた。
「撃った後にちょこまか動きやがって。」
パシュッ!!
パシュッ、パシュッ!!
視点 五郎
ブシャッ!!
右肩に痛みが走った。
クソスナイパーが乱射して来た弾が、俺の肩に当たった。
「無茶苦茶な弾を撃って来やがってる!!」
パシュッ!!
パシュッ、パシュッ、パシュッ!!
当たれば良いって、思ってんな…。
だったら、これでも食らえ!!
ジジッ。
俺はカバンから手榴弾を取り出した。
撃って来てる位置は…、大体分かった。
あそこに手榴弾を力一杯に投げる!!
タタタタタタタ!!
「うぉっらぁぁぁぁぁ!!」
一か八か、あのビルまで届けば…。
俺の腕なら…、ビルの上に行く。
カチャッ。
ARES MS700スナイパーライフルBKフルセットのライフルスコープを覗く。
見えた、手榴弾!!
自慢になるが、俺は目がめちゃくちゃ良い。
まだ、まだだ。
まだ…。
キラッ。
光が見えた。
俺が投げた手榴弾は、向こうのスナイパーの頭上に飛んだ。
もう一発、向こうのスナイパーの弾が当たる覚悟で、引き金を引く。
パシュッ!!
ブシャッ!!
左の腕に痛みが走る。
「グハッ!!」
ビチャ!!
ドゴォォォーン!!
吐血したと同時に、大きな爆破音が聞こえた。
「ハッ…、ざまぁみろ。」
俺はスマホを操作し、七海に電話をした。 「七海ー、動けないから迎えに来てく…っ、ゔ!!」
「五郎?!」
焼けるような熱さと痛みが走った。
恐る恐る、痛みのする部分に視線を向ける。
右側の脇腹部分から血が噴き出した。
「嘘っだろ?」
ドサッ。
俺の意識が遠のいた。
視点 喜助
「うそうそうそうそ!!」
手榴弾投げて来た!?
あたしは慌ててM16A2を持って、屋上を離れようとしたが…。
白い光が見えて、大きな突風に体を押された。
ドゴォォォーン!!
「ゔっ!!ガハッ!!」
パラパラ…。
「いったぁぁ…。」
背中が焼けるように熱くて痛い。
体が動かない。
ヤバイ、ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ。
こんな所で、あたしは死ぬの?
あたしは…、また、こんな惨めな思いをしなくちゃいけないの?
あたしは、あたしは…。
惨めな思いをしたくないから、椿様に付いて来たんだ。
相手に深傷を負わせないまま、死ぬなんて嫌だ!!
カチャッ。
射程位置に付き、M16A2を構えライフルスコープを覗く。
誰かと電話してる。
銃を持ってない。
今なら、殺せる。
「死ね。」
パシュッ。
ブシャッ!!
男の体から血飛沫が見えた。
「当たった…。」
ドサッ。
あたしはその場に倒れ込んだ。
椿様に褒められた銃で、男を見返してやった。
「お疲れ様、喜助。」
ボヤけた視界に映ったのは、あたしのご主人様…。
「椿様…、喜助は役に立てた?」
あたしの言葉を聞いた椿様は、体を抱き上げてくれた。
「ご苦労様、喜助。お前の存在を五郎君に焼き付けてられただろう。」
「椿様…、喜助は…。」
椿様に褒められただけで、死んでも良いのです。
意識が無くなった喜助を見た、椿は口を開けた。
「嘉助(カスケ)。白雪の血液は持って来た?」
「はい、こちらにあります。」
椿の後ろにいた嘉助は、ポケットから血の入ったガラス瓶を出した。
意識の無い喜助の口の中に、椿はガラス瓶に入った血を飲ませた。
「さて、最終パートだ。潰されて貰うよ、一郎君。」
「椿様、そろそろ離れないと。」
「そうだね、嘉助。車を回して来て。」
「分かりました。」
椿よりも先に嘉助はビルを降りて行った。
プルルッ…、プルルッ…。
ピッ。
「もしもし。」
槙島ネネは通話に出て、暫く話をしていた。
九龍会本家に到着した、八代警部補と櫻井警部補は車の外にいた。
「ネネ、九龍会本家には到着したか?」
「目の前にいるけど、もう行って良いの?」
「あぁ、一郎君と六郎ちゃんがまだ中にいる。助け出してくれ。」
「先輩、だから私を呼んだんでしょ。」
「あぁ、お前だから呼んだ。ネネ、力を使え。」
「後処理はして下さいよ。それと、八代警部補をパートナーにしても良い?」
槙島ネネの言葉を聞いた男は、一瞬だけ言葉を失った。
「気に入ったのか?」
「うん、いや…。違うな、共鳴したの。私の縁が。」
「ネネの好きにしたら良い。パートナーになる未来が見えてんだろ?」
「頭の中に色んな運命が流れてる。それを1つにまとめる。」
槙島ネネは通話切り、車を出た。
「八代警部補。」
「どうしたんだ?槙島。」
「貴方の力が必要なんです。」
「え?はっ?」
八代和樹の顔に手を伸ばし、槙島ネネは顔を近付かせた。
そのまま八代和樹の唇に自分の唇を合わせた。