【第7話・孵化②】
互いの毛穴が見えるほど、大沼は莉乃に顔を近づけていた。
大沼の右手で鷲掴みにされた左胸の鼓動は早くなりながら、温度を失っていく。
「莉乃、君は自分の人気が分かってるのか?」
「お客様は君を待っているんだぞ」
大沼はほぼ灰色の濁った黒目で莉乃を見た。
「で、いつからちゃんと出勤できる?」
大沼は水中の岩穴から出て来たウツボの様にぬらりと身体を動かし、莉乃に体を密着させた。
詳しい年齢は莉乃も知らないが、恐らくは五十代手前だと莉乃は感じていた。
密度の濃い厚みのある口髭を指でこする。
頭髪は薄くなりかけているが、短めに切られていて無理矢理に隠している様な感じはしない。
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