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「私はプロットをワープロソフトではなく、プレゼンテーションソフトで書いているが、どんなソフトでも構わない。中には論理屋のようにスプレッドシートで書く変人もいるからな。書き方の順番としてはタイトル名、コンセプトだ」
プロジェクターにタイトルの十二星座物語に黒い丸が付けられ、コンセプトの欄に《地球の少女が天秤座星の女王に選ばれ、戦わなくてはいけない葛藤を解決する》と記載されていた。
「おお……去年のプロットはホラー小説のプロットだったのに今回はファンタジー……さすがプロ作家、書くジャンル広い」
幽美は呟くように言う。
「私が一年の時はミステリーのプロット解説だったねぇ」
理香は興味深そうに教子先生のプロジェクターに映ったプロットを見た後、ノートPCとは別のタブレットPCを操作する。
「十二星座物語って確か……アニメ化して大ヒットした作品じゃ!? 何年も続編がずっと出されてなかったけど……」
書也が思わず立ち上がる。
「そこ、ぶつぶつとうるさい! 黙って聞け」
「ご、ごめんなさい」
「そしてここが重要だ! 物語の骨組みであるコンセプト。疑念、概念とも言うが……ここが破綻すると、物語としてブレたものになっていく。さて、これがブレるとどうなるか?簡単に言えば、赤い服を作ろうとして、青い服に、ダウンベストを作ろうとしてセーターになっていたなんて事になりかねない。作品の全体となる骨格な訳だ」
書也が手を上げる。
「コンセプト以外にテーマは必要だったりしますか?」
「一応、テーマはあるが、書く人と書かない人に別れる。私の場合は友情とか努力とか、一言で終わってしまう内容だったら、書かないな。このプロットについては十二星座がテーマとなる。次に世界観、これは大まかに言えばファンタジー小説だったら魔法が存在する異世界、SF小説だったら科学が発達した未来、時代小説だったら江戸時代、恋愛小説だった現代日本といった書き方となる。私のプロットの場合は天秤座星、アラビアンナイトを模した世界となっている」
プロジェクターに映ったプロットの世界観と書かれた記載に赤い丸が表示される。
「次に用語解説だ。ファンタジーやSFの場合、プロットのあらすじのシーンに出てくるオリジナルの造語や歴史、文化、道具、化学技術、特異な動物、敵対勢力をここで説明する。例えばその世界で使われる独特な道具、機械、魔法、モンスターだったり、超能力だったり、独特なスキル、独特な種族を書いたりする。キャラ設定の補足欄に書いても良いが、その世界の固有の動物、乗り物。市民が使うライフラインが独特な場合は用語解説として記載した方が良いだろう。私の用語解説の欄には味方勢力と敵勢力になる十二星座星の各説明と、乗り物である天馬、媚薬などの説明がされている」
プロジェクターに映し出されたプロットには用語解説と赤い丸が記載される。用語解説の欄にはズラリと並んでいる。
「戦記ものファンタジーとして考えられた小説なので細かく書くとこんな感じになる。次にキャラ設定だ。まずキャラの役割。まず一番の重要キャラは主人公、物語の主軸となる人物だ。日本人である女性の一夜が担っている。次にヒロイン、恋愛対象もしくは友情を育む者としての位置づけだな。私のプロットでは賢者兼ヒロインと書かれているが、右大臣のシェヘラザードがこの役割を担っている。賢者は主人公を導く役割だ。次にライバル(対抗者)にも位置づけられるが、この役割は第二王女のライラが担っている。次に黒幕(魔王)と記載している。裏で戦争を起こした張本人、シャフリヤールがこの役を担っている。その他にも仲間、悪者の役割があるが、そのままの意味だから割愛する。次にスパイ、変化する者という役割で書いてる奴もいるが、左大臣のドゥンヤザードがその役割を担っている。次にトリックスター、冒険を混乱させる者だな。金次第でなんでもやる盗賊統領のモルジアナが担っている。次に使者、切っ掛けや動機を運んでくる存在だ。同盟星座の牡羊座星の羊飼いの村娘、ハイジが担っている。その他は割愛して、私のプロットでは以上が役割分担となる」
プロジェクターに映し出されるプロットにキャラの役割の項目に次々と赤い丸が記載されていく。
「これって上、下編のプロットですか?」
書也が手を上げる。
「そうだな。戦記ものだからキャラが多いというのもあるが、お前達が新人賞の応募を目指すなら少ないキャラ数でまとめた方が良いだろう。特に最初の一巻目は読者がキャラを覚えてもらうという意味では五人、最高でも八人以下のメインキャラを出すぐらいが丁度良い。特に熱情のような巨大ロボットもの小説で、ごちゃごちゃ出しすぎると、キャラの印象が薄くなる」
「あれはですね……いえ、なんでもありません……」
友美は言いかけて、むすっとした表情になり、教子先生から目を逸らした。
「次は名前、性別、年齢、種族や所属、役職、略称、あだ名などの設定を書く。身長、体重、ウェスト、バスト、ヒップ、血液型、誕生日などもあるが、私的にはあまり必要ないと思っている。どうしても物語に必要だと思ったら記載しても良いだろう。例えば極端に身長が高いキャラ、低いキャラがコンプレックスを持っていたり、バレーやバスケのように有利、不得意を表現したいなら書いても良いだろうし。体重の場合は太った人物で、パワータイプを表現したいならそれもありだろうし、太っているという事でコンプレックスを持っているというキャラづけもできる。逆に体重が極端に低い場合は小食で病弱なキャラを設定する事もできる。ハーレムやラブコメなどで、ヒロインをより魅力的に書きたいなら、ウェスト、バスト、ヒップの設定も良いだろう。誕生日も主人公やヒロインを喜ばすイベントとして、設定をするのも悪くはないだろう。血液型も親、兄弟、姉妹などが分かるという伏線やイベントを作る事もできるし、主人公とヒロインの血液型が同じなら、瀕死の時に輸血してあげる事もできるから、絆が深まるイベントも作れるだろう。関係性を明確にしたいのなら漫画のように相関図も作っても良いだろう。人・モノ・組織・概念などの複雑な関係性を線や図形で結んで視覚化した方が分かりやすいからな」
プロジェクターに映ったプロットに名前、性別、年齢、所属、役職、略称の欄に次々と赤い丸が記載された。後からプロットに青文字で身長、体重、ウェスト、バスト、ヒップ、血液型、誕生日の文字が次々と記載されていく。
「次にキャラの詳細だ。私の場合、そのキャラにもっとも特徴ある髪型、顔、眼、口、体型、背丈、服装、口癖、などを記載する。そして重要なのはキャラの性格、どういった行動をするのか? 何を大切にしているのか? 何に対して怒るのか? 行動理念を書き記す。その他にキャラ同士の関係性を書いたりする。私のキャラの千一夜の場合、性別女、年齢十五歳、所属日本の女子高生、赤髪のポニーテールにセーラー服を着ている。人の顔色ばかりを気にし、行動をしている。イジメを目撃しても、助けられずに見て見ぬフリをする。後からイジメられた友人を助けられずに後悔し続け、悩み続ける。そんな彼女が未来を見通す力を持つシェヘラザードに導かれ、強制的に天秤座星に連れて行かれ、女王として即位し、仲間に助けられながら成長していく。王に即位してからは護身術として、剣術と幻術を扱う。こんなところだ」
八雲瑠月
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#変身ヒロイン