※結構前に書いていたものなので時系列はいちごマイクラの少し後になっています
※外部の方のお名前が出てきます(一部セリフのある方もいらっしゃいますが口調など違っていたらすみません🙇🏻♀️)
※ktyくん愛されっぽいですが、prさん以外は恋愛感情はありません
side:pr
2週間という長いようで一瞬だったいちごマイクラを終えて、今は外部ゲストの方も含めた大規模な打ち上げの最中だ。
みんなご飯を食べたりお酒を飲んだりしながら各々盛り上がっている。かくいう俺もさっきまでアマルたちと話していたが、酔っ払ったあっきぃを筆頭に飲みゲーが始まってしまった為、端の方に避難してきて今に至る。
盛り上がってるあっきぃ達を尻目にゆっくりしていると、どこからか特徴的な大きな笑い声が聞こえてきた。
声の方を向くと予想通りそこにはけちゃおがいた。いちごマイクラでよく一緒に行動してたしゆちゃとだいきりと思い出話に花を咲かせているようだった。
けちゃはゲームが苦手だし、自分からグイグイ他の人に話しかけに行くタイプではないから、いちごマイクラが始まる前は心配していたが、持ち前の愛されキャラを存分に発揮して色んな人と交流を深めて楽しめたようだ。
今だってほら。
「あ!社長〜!ひょうくん〜!よろず屋集合だ! また一緒に配信したいね〜!」
こめしょーとひょうくんはけちゃおがよろず屋を始めた初期の頃からお世話になってたみたいで、今回のいちごマイクラを通して特に仲良くなったらしい。いちごマイクラが終わってからもコラボ配信をしたり、ご飯を食べに行ったという話を聞いた。
メンバーとしてはけちゃおの交流関係が広くなったのは喜ばしいことだ。
しかし彼氏としてはこの状況は全くもって面白くない。
てるきゅんやメルトがよくけちゃおの近くは癒されるって言ってたけど、本当にその通りなのかけちゃおの周りには常に色んな人がいた。
「ミランくん!また機材のお話しよ!今度は機材デート行こーね!」
「らいちゃん!いっぱいけちゃ子の応援してくれてありがとね〜!」
「MENさん!またマイクラ教えてください〜!」
「ルザクくん!オススメしてくれたマウスパッド使ったらなんかゲーム上手くなった気がする!」
「ばうち!もう彼女いじりやめてよ〜!w」
いやさすがに可愛がられすぎではないか?
けちゃおもけちゃおで、この楽しい雰囲気に流されていつもよりお酒を飲んだからか、話す時の距離が近くてそれが余計にモヤモヤを加速させていく。
「お前顔に出すぎだろw」
「…………アマル」
声をかけられ振り返るとそこにはアマルがいた。どうやら暴走し始めたあっきぃの目を盗んで逃げてきたらしい。
アマルは俺の視線の先を見ると、なるほどね〜と納得したようにニヤニヤとし始めた。
「あ〜けちゃおくんねwたしかに構いたくなる魅力あるもんな〜」
「まぁそれがあいつのええとこやし……」
「お前も輪に入ってくればいいじゃん」
「せっかくけちゃおが頑張って築いた仲を邪魔したくはないし、それにこんなんで嫉妬してるとかバレたら恥ずいやん……」
「お前も難儀だね〜w ったく、しょうがねぇな」
そう言うとアマルは唐突に立ち上がって大きく息を吸ったかと思えば、次の瞬間
「おーい!けちゃっぷくーん!!!」
と俺が制止する間もなく大声でけちゃおを呼んだ。アマルに呼ばれたことに気付いたけちゃおはびっくりしながらも嬉しそうにこちらに寄ってきた。
「ちょっとちょっとアマルくん!それ前の名前で気まずいんだからやめてよ!!w」
「いやーごめんごめん。でも俺もけちゃおくんと話したくってさ〜」
「えぇ〜なにそれwでもアマルくんボクと同じピンク色だし仲良くなれて嬉しいなぁ〜」
何のためにアマルがけちゃおを呼んだのかは分からないが、単純に親友と恋人が仲良くなったのは嬉しいので2人が談笑しているのを眺めていると不意にアマルがけちゃおの耳に顔を寄せた。
「けちゃおくん良いこと教えてあげるから耳貸してよ」
「えぇ〜なになに?」
いや流石にその距離はないやろ。
つい反射的に俺はけちゃおに声をかけてしまった。
「けちゃお!……あ、えっと、服……に、汚れついてんで……」
「え!うそどこどこ!?この服お気に入りなのに」
「見にくいとこにあるし俺が洗ったるから行くぞ」
ありがと〜ぷりちゃん〜なんて呑気に言うけちゃおの手をとって歩きながらアマルのほうを振り返ると、全て思い通りにいったとばかりにニヤニヤと笑っていた。
酔ったけちゃおがあの距離を許すことも、俺がそれに嫉妬して声をかけるのも、全部分かった上でのアイツの行動に上手く踊らされてしまったのが悔しくて、文句のひとつでも言ってやりたかったが、それより無自覚なコイツを分からせるのが先だと打ち上げ会場を後にした。
勢いで会場からでてきてしまったが、さて、このポンコツにどう分からせようか。
そんな俺の心情も知らないけちゃおは上機嫌に鼻歌を歌っている。
人気のないところまで連れてきて、やっとそこであれ?トイレは〜?と当初の目的を思い出したようだ。気付くの遅すぎやろ。こいつの能天気な顔を見ているとこっちばっかり振り回されてるのになんだかムカついてきた。
「こんの無自覚ポンコツが」
そう言ってけちゃおのおでこをつつくと、大した力は入れていないのに「痛い!暴力反対!」「急に悪口言うなんて!」とぎゃあぎゃあ騒ぎ出したから黙らそうと口を塞ぐ。
するとさっきまでの騒がしさが嘘かと思うほど、顔を真っ赤にして借りてきた猫のように大人しくなった。
そんな風に俺の一挙手一投足に翻弄されてコロコロと表情を変えるけちゃ見ていると、さっきまでのモヤモヤが嘘かのように満たされていって、つくづく俺も単純だなぁと思う。
でもそんなんじゃ足りなくて、今度は深めの口付けを落とす。けちゃに俺の存在を記憶させるかのようにじっくりとけちゃの口内を弄すると次第に息が苦しくなってきたのか俺の胸を軽くたたいてきたから名残惜しくも口を離す。そしてけちゃがとろとろになってぼーっとしている隙に首元に近づいて見えるか見えないかギリギリの位置にこっそり印をつけた。誰のものなのか分からせるための重い愛の詰まった印。
けちゃが落ち着いてから2人で会場に戻った。
戻ってすぐに「けちゃくんどこいってたの探したよ〜」「けちゃおこれ美味しかったから食べてみ〜」「けちち飲んでんの〜!??」と次々話しかけられてあっという間にみんなに囲まれるけちゃ。でもさっきみたいな焦燥感はもうない。
俺らが戻ってきたことに気付いたアマルがこっちに寄ってきた。そして目ざとくけちゃの首元にある印を見つけるとニヤニヤと笑いながら話しかけてくる。
「けちゃおくんも厄介なやつに捕まっちゃって可哀想にな〜w」
「ポンコツなあいつにはこれくらいでちょうどええから」
けちゃがどんだけポンコツでも、自分が誰のものなのかくらいは分かっておいてもらわなきゃ困る。
そんな俺の気持ちを代弁するかのように、赤い印はけちゃの白い肌に存在を主張していた。
side:tg
「あれ?けちゃ首元赤くなってるよ?」
けちゃに抱きついて癒されていると、ギリギリ見えるくらいの位置にある印を見つけてしまった。
さっきぷりちゃんがけちゃを連れて会場から出ていったのを見たし、もしかしてぷりちゃん勝手にけちゃに痕つけたんじゃ……!もしそうならお説教しなきゃ!なんて思っていると、
「そう。愛されてるでしょ?」
そう言って魔性の笑みを浮かべるけちゃ。その笑顔からはいつものポンコツ愛されキャラの片鱗すら感じなかった。
前言撤回。さっきまでのぷりちゃんへの怒りはどこはやら、愛され上手なけちゃに翻弄させられているぷりちゃんに俺は同情したのであった。
コメント
1件

初コメ失礼します! 主さんの文章が凄い素敵で、 表現力がすげぇってなりました! prkty大好きなので嬉しいです! 語彙力なくてすみませんm(__)m