テラーノベル
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――コンビニ前。
自動ドアの横。
暗い路地の方から、声。
女「……だからさ」
男「いいって、誰も見てない」
愛空「……」(何気なく視線を向ける)
街灯が少ない。
でも。
シルエットが見える。
近い距離。
触れてる。
愛空「……」
(あれ)
見覚えのある髪。
見覚えのある服。
愛空「……は?」
心臓が、ドクンと跳ねる。
少し近づく。
顔が、見える。
――高良の彼女。
愛空「……」(固まる)
相手は、高良じゃない男。
距離が、明らかにおかしい。
女「大丈夫だって」(笑ってる)
男「ほんとかよ」
そのまま、さらに距離が縮まる。
愛空「……っ」
(なに、これ)
頭が追いつかない。
(恋人、じゃないの)
(高良のこと、好きじゃないの)
――でも、現実は目の前にある。
愛空「……」
胸が、ざわつく。
苦しいはずなのに。
どこかで。
(ああ、そっか)
(じゃあ)
最低な考えが、浮かぶ。
愛空「……じゃあ、いいじゃん」(小さく)
自分で言って、ぞっとする。
(なに言ってんの)
(最低)
でも。
止まらない。
愛空「……高良、知らないのかな」
――その瞬間。
女がふと顔を上げる。
愛空と、目が合う。
女「……え」
愛空「……」
一瞬の静止。
女「……誰」
愛空「……別に」
男「知り合い?」
女「……知らない」(少し焦る)
愛空「……」
その反応で、確信する。
(隠してる)
(やっぱり)
愛空「……」
何も言わず、コンビニに入る。
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