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《洞窟の闇 ――誰かの視点》
おやおや、また誰か来たようですぞ?
さてさて……誰かと思えば……。
……なんだ、またこの質の悪い肉のご老体か。
興味ないですぞ、まったく!
「足元に気を付けろ、滑って転んで怪我をされたら、ユキが心配するからの」
「はい、わかりました」
……おや? 今日は、何か違う気配がしますぞ。
誰か、連れてきている……?
ん? どうしたのでしょう?
我がパートナーが何やら震えているような……?
いやいや、気のせいですぞ。
きっと興奮しているだけですぞ。
あの駄肉老人は、たまたまこの洞窟に入ったとき――
無数にある出口のひとつを引き当てて以来、
こうして良くこの道を利用しているわけですが……。
そろそろ、“間違い”を正すべきですかな?
「ほれ、早くしろ」
「待ってください、今そっちに……うわっ!あぶなっ!」
「滑りやすいと言っただろう」
そんなことより、今は――この声の主……!!!!!
な、な、な、な、な――ななななななななななななななな!!!!!!!!
な、何ですぞおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!
う、嘘ですぞ!? 夢ですぞ!? でもこれ……現実ですぞおおおお!!!!!
あれは、紛れもなく――
“あの時”のお姉さん!!
信じられないですぞ!!!
手が震えるですぞ……涙が出てきますぞ……
でもでもでもでも、こんなにも待ちわびた再会なのに、
いざ目の前にすると、どうしていいかわからないですぞぉ……!!!
「覚えられるかなぁ……すごい複雑だけど……」
あぁ……あぁ……お姉さんの声……。
はぁはぁ……聞くだけで……果ててしまいそうですぞ……!!
(※おちつけですぞ、まだだ、まだ終わりじゃないですぞ)
___む?
もうひとつ、別の気配?
誰ですぞ!?
この感動の再会タイムを邪魔する奴は――!!
……おや? おやおやおや?
この気配、どこかで……?
「長い洞窟だな。昔、クロたちと行ったダンジョンを思い出す」
(……あれ?
それ、ここにいるのおかしくないですぞ?)
これは……早急に報告せねばなりませんな。
お姉さんのことは、あとで――
じっくりと、ゆっくりと、時間をかけて……
ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……。
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