テラーノベル
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えっ、と声がして、コーヒーの処理を終えた俺が振り返るとそこには信じられない光景が広がっていた。
💚「わー!」
💚「わーッ!」
🖤「え???」
阿部ちゃんが、2人。
全く同じ姿と声だけどお互いを見て驚き、それぞれに動いている。
🖤「どういうこと?」
💚「たぶん、めめがプログラムの途中でエンターキー押しちゃったから」
💚「画面の中で作られてたアバターと本物、両方こっちの世界に出てきちゃった」
こうして見ていても気持ちが慌てるばかりで、どちらが本物でどちらがアバターなのか見当もつかない。
声も仕草も話し方も、どっちも違和感なく阿部ちゃんだ。
💚「◯◯さんに相談してみよう」
💚「うん」
しかも同じ頭を並べて仲良く対策を考えている。こういうのにありがちな『お前が偽物だろ!』『いやお前だ!』みたいな喧嘩しないんだな、と思う。
阿部ちゃんは増えた自分にも元の自分にも優しいのか。なんて平和なんだろう。
2人の阿部ちゃんはこのシステムを作った、例のプログラミングでお世話になってる人に現状を相談したようだ。そして多忙だからか返事はすぐに来ないとわかっているようで、2人でああでもないこうでもないと仮説を立てて話し合っている。
買ってきたコーヒーは2つな上1つはこぼしてしまったので、仕方なく家のボトルコーヒーで新たに2つ淹れ直した。
アバターの方は人間の食べ物が無理とかあるのかと思いきや、普通に飲み食いできるらしい。2人とも俺の差し入れのチョコレートも仲良くつまんでいるし、コーヒーも飲んでいる。
よくよく観察してみても特に違いはなく、俺としては完全にお手上げ状態だった。
コメント
7件
推しが2人いるの可愛い
もうさすが💚としか言えん。
喧嘩しないのかわちい。