深澤side
学校に行く前に目黒ん家寄るか。
確か、借りっぱだった漫画が…
お、着いた。目黒ん家って俺ん家から意外と近いんだよな。
そして、インターホンを鳴らす。
すぐに「はーい」という声が聞こえる。
これは目黒の声だ。
そして出てきたのは、
「ふっかさんか。」
「え!ふっかさん!?」
俺が会いたかった目黒の他に、ラウールも出てきた。
さて、ここで目黒とラウールの説明をしよう。
目黒は、俺の後輩。ラウールも。
この2人はモテている。まあ、俺が学校で1番ですけどね←
漫画を返したらすぐに学校に行こう。
「これ、借りてた漫画。」
「あぁ、ありがとうございます。忘れてました笑」
「じゃあな。」
「はい。」
そう言って2人と別れる。
風が強くなってきた。
寒いしやっぱりやめようか。
でもせっかくここまで来たんだしな…
そして、学校での方に目を向けると、
「…誰かいる?」
誰かが立っていた。学校を見上げ、ただ、立っていた。
そう、遠目からは“ただ”立っているように見えた。
でも、近づくにつれ、誰だか分かってきた。
あれは……
「阿部か?」
そう、あの、保健室で言い争いをしていた阿部亮平だった。
どうしてこんなところに…
そう思って声をかけようとすると、俺はハッと息を呑んだ。
阿部の、昼間とは違う顔を見たから…