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どうも鯵です。今回はリクエスト頂いたのでそれで書きます。それでは……
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(なんなんだよコイツ)
俺の名前は月見里葵(やまなしあおい)。高校1年生だ。苗字とも相まってだいぶ可愛らしい名前だとは自分でも思うが男子である。この間の全国模試では全国2位と俺の名を全国に轟かせたが、
モブA「誰だろうなこの人」
モブB「この学校みたいだけどこんな人知らねぇな」
モブA「月見(つきみ)……ダメだ下の名前が読めん……」
モブB「まぁ俺らがこんな才女と関わることはないんだし別にいいだろw」
モブA「だなw」
こんな感じだ。結構傷つく。俺の名前は苗字が難しいこともあって一発で正しく読まれることはまずない……というかなかった。あの時までは……。
話は入学式のあとまで遡る……
やたらと長いうえ、特に意味がある訳でもない話が延々と続いていた入学式を、中学時代に友達に教わった必殺のちくわ大明神でなんとか乗り切り、教室に戻って休み時間となった。次の時間は自己紹介。俺は「や」だから最後の方になるななんて考えていたら隣の席の人から話しかけられた。
?「隣の席だね。よろしく、月見里 葵(やまなしあおい)君」
葵「よろしく……ってえぇっ!?」
?「どうしたのそんなに驚いて」
葵 「いやだって俺の名前……」
?「机に書いてあるしそりゃわかるよ(ニコッ」
葵「まじか……難しいから一発で当てられたことないのに……なんでわかった?」
?「な〜いしょ」
葵「なんでだよ。そういえば君の名前は? 」
?「私?私の名前は皇竜也(すめらぎたつや)かっこいいでしょ 」
葵「え?」
驚いた。なぜ驚いたかと言うと隣に座っている皇の見た目は完全に女子だったからだ。いや、見た目だけではない。声や仕草なんかも女子のそれだ。なんならスカートまではいている。そういえばうちの高校は男子でもスカート履いていいんだっけか…。
皇「驚いた?でも男子ってわかるところもいくつかあったでしょ。身長とか胸とか」
確かに言われてみれば胸はない。身長も女子にしては高めで170cmくらいだな。
皇「どうしたのそんな胸ばっか見て。触る?」
葵「は、はぁ?!」
皇「私はいいけど?」
葵「俺が良くねぇよ?!そんなことすんな」
皇「あら残念」
なんで残念そうなんだコイツ……。それにしても本当に男とは思えないな。体も細いし声も高いし何より……
皇「ん?どしたー?」
正直どストライクだ。男子でなければ告白するだろう。男子でなければ、だが……。
皇との会話はこれが初めてだった。個人的には仲良くなったので名前で呼びたいのだが、本人の希望により今は仕方なく苗字で呼んでいる。入学して数ヶ月が経ったが皇は相変わらずで下ネタを交えながら俺の事をからかってくる。その度に俺はドギマギしてしまう……。皇はどうやらLGBTQのゲイというやつらしい。その格好もあって、クラスに馴染むのはなかなか大変だろうと思っていたが、案の定、アイツにそんな心配はいらなかったらしい。自己紹介の後の1週間程は少し浮いていなくもなかったが、その後はすっかりクラスの中心になっていた。今も隣で女子数名と好きな男性アイドルグループやコスメなんかの話をしている。皇がクラスに馴染むのは良い事だと思う。しかし、どうにもモヤモヤしてしまう自分もいる。皇のことを考えていると得意な数学をしていてもなんだか集中出来ない。逆に皇と話せたときは苦手な英語でさえもなんだかとてもスラスラできる。俺はどうしてしまったのだろうか。 ふと隣を見ると皇がこっちを向いて微笑んだ。俺は咄嗟に目をそらす。
まったく……なんなんだよコイツ//
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お疲れ様でした。とりあえず1話目終了ですね。今回は葵目線でした。次は竜也目線で書くつもりです。感想やアドバイス等ございましたらコメントしてください。それでは……