第2章「仄暗い願い」その21
――森田は、友人である坂本理恵のことを本気で心配していた。
この表情は、何かを案(あん)じているときのものだ、と修介は感じた。
「――気になってること?」
「うん……」
自分から言い出したのに、森田は言いにくそうにしている。
「直木くんの、ことなんだけど……」
「直木?」
「最近、すごい調子が悪そうで、ちょっと気になって」
修介自身も、前々から気になっていることだった。
どうやら、練習のときだけ調子が悪かったわけではないらしい。
「それに……体調不良で倒れた安藤くんのことを、権堂くんが調べているってことは……誰かが安藤くんに何かしたかもしれない、ってことだよね……」
森田が言いにくそうにしていた理由を、修介はこの言葉で理解した。
「――理恵みたいに」
最後の言葉が、やけに寂しく修介の耳に響いた。
落ち着いているとは言っていたが*************
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