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9 - 虐め Ⅰ

♥

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2026年02月02日

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《設定》

・兄弟パロ

・年齢、兄弟構成は『俺の秘密』と全て同じ


※めちゃめちゃ長い話です

(多分10話を余裕で超える…)

【NO side】


昼休み。

教室は騒がしいのに、翠の周りだけ不自然に静かだった。


誰も近づかない。

机も、少しだけ離されている。


——見えない壁。


翠は弁当箱を開ける手を止めた。

食欲なんて、最初からなかったけど。


「……それ、まだ食ってんの?」


後ろから、ひそひそ声。


「薬臭くない?無理なんだけど」

「病人が普通ぶってるのキツい」


くすくす、という笑い。


翠は、何も聞こえないふりをして、箸を持つ。

指が震えて、うまく掴めない。


呼吸が、少し浅くなる。


——落ち着け

——まだ、大丈夫

——発作じゃない


そう言い聞かせるほど、胸が苦しくなる。


次の授業は体育だった。


「見学?また?」

「ずるくね?評価下がんないし」


翠は体育館の端に座らされる。

笛の音が、やけに遠い。


走る音、笑い声。

普通の世界。


翠だけが、そこにいないみたいだった。


突然、胸がひゅっと縮む。


空気が、うまく入らない。


——やばい


でも、吸入器は使えなかった。

さっき踏まれて、どこかおかしい気がして。


「……っ」


咳を押し殺す。

音を立てたら、また何か言われる。


視界が、じわっと滲む。


「うわ、咳」

「やっば、こっち来るなよ」


誰かが、距離を取る。


その仕草が、一番きつかった。


——俺、汚いのかな

——近くにいるだけで、嫌なのかな


体育館の床に、ぽたっと汗が落ちる。


苦しい。

怖い。

でも、助けを呼ぶ言葉が出てこない。


だって。


「迷惑かけたくない」


それだけが、翠を支えてる“ルール”だったから。


授業の終わり。

誰も、翠を見なかった。


先生も、

クラスメイトも。


翠は、ひとりで立ち上がって、

ふらっとよろけて——


それでも、誰も気づかない。


——まだ、大丈夫

——俺は、平気


その言葉だけが、

翠の中で、空虚に響いていた。

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コメント

1

ユーザー

救いがなくて辛い( はーどーしよ脳内で璜ちゃんが来たってことにでもするか(??? たまにはバトエンもいいな(

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