がやがやとうるさくて、頭がきんとする
実況者で集まった飲み会
みんないー感じに酔ってて、ウザ絡みする人も少なくなかった
ガッチさんは絡みにいく方で、絡まれてるのはキヨくん
こちらもだいぶウザそう
俺も飲んだらあーなんのかなぁ
「レトルト、ほんとに飲めねぇのかぁ?」
「え」
急に話しかけられて驚いて振り向く
「そうだ、せっかくの飲み会だしのめよぉ」
いつの間にか俺も絡まれる一員になっていた
「飲まないんじゃなくて、飲めないんですよ…」
この飲み会には目上の人も多くて、ことわるにことわれない…
「飲めよー」
あーもう!
飲めないって言ってんのに!
でもなぁここで意地張ってたらこれからどうなるか…
一口だけならいいか?
そう思って
「そうですね…すこしだけなら…」
と酒を含んだ
うぇ…これ度数高くね…!気持ち悪…
「もっと飲め飲めー」
「ほんと、酔うと迷惑かけちゃうんで」
あーやばい、クラクラしてきた
飲まなきゃダメ?飲むべき?
はぁ
意を決してグラスに手を置いた時
「もーレトさんホント飲めないんですよー?
ほら、酔うと介抱しなきゃ行けないの俺なんですから。
あ、レトさんの分まで俺が飲みますね」
いつの間にか隣に立っていたのはキヨくん
お前…お前…!
「まーいっかー、ガッチマンー!」
あーやっとどっかいった…
「レトさん、外行く?
風邪当たった方がいいよ?」
「うん、そうするわ」
「ついてこうか?」
そうだな、お礼言いたいし
「頼む」
涼しー!
外に出てあった椅子に座る
「おまえやるやーん」
とバシバシキヨくんを叩いた
「まあ…」
「お酒飲めんと、こうなるんやなー
飲めるようになりたいんやけどな」
「レトさんはそれでいいんじゃね」
「ほんまありがとうな!!」
「じゃあさ、1個だけお願い聞いてよ」
「んー、助かったしな…いいよ」
キヨくんは俺の目の前にたって、
「ごめんね」
そう言ってから
キスをした
「は…?」
「じゃあまた」
半ば満足気な表情のキヨくん
ガラガラと扉の音がする
自分でも分かるくらい目をまん丸にした
え…つまりどういう?
また扉の音が聞こえる
「キヨっ……」
「あ?なに?俺も暑くなってさ〜」
出てきたのはうっしーだった
「お前飲まされてただろ、はい、水」
「ありがと…」
水はしっかり飲み込んだけど、気持ちだけは吐き出した
「惚れる……」