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これは、猫編の続きとなっておりますので、猫編からよむことを推奨します。
4日前、米花町。
米花町、それは日本のヨハネスブルグ。
今日も悲鳴の絶えないこの町に、新住居を買った者がいた。
「狭いけど設備が整っててええとこやな」
「ほんまグルッペンさんも無茶な命令するよな、いきなり日本やぞ?」
そう話しながら彼らは荷物を片付けてゆく。
"ルルルルルルルルル,,,,,,,"
スマホの着信音が質素な新居に鳴り響く。
「ショッピ、鳴ってるで」
ショッピと呼ばれた青年は、ライダージャケットのポケットからけたたましい旋律を奏でるスマホを取り出し耳に当てる。
「グルッペンさんからや、もしもし,,,,,」
彼は約1分程会話した後、げんなりとした顔で椅子へ座った。
「チーノ、助けて,,,,,」
チーノと呼ばれた背の高い青年は、作業の手を止めショッピの向かいの椅子へと座る。
「また無理難題を押し付けられたんか?」
チーノがそう問うと、ショッピは小さくうなずいた。
「あのな,,,,,,,,,,,,
"外資系!頼みがあるんだゾ"
"なんですか?"
"今日本にある漆黒の金剛石とやらを盗ってきてほしい"
"盗るって、金持ってるんですから買い取ればいいんじゃないですか"
",,,,,,,,,,,,,,,,,,,,"
",,,,もしかして怪盗キッドですか?"
"さすが外資系!察しがいい。怪盗キッドのファンだから、サインがほしいんだゾ"
"それで俺に怪盗になれと,,,,わかりましたよ、チーノといっしょに準備しておきます"
ってことなんやけど、チーノいっしょに作戦考えてくれ!」
「はぇーお前も大変やなぁ」
「お前詐欺師やからこういうの得意やろ!報酬半分やるからさぁ」
"報酬"というワードが出たとたん、チーノの耳がピクリと動いた。
「報酬って、具体的にどれくらいなんや?」
「えっと確かピーーーーーーーーーだったと思うけど」
はっきりとは言えないが、小屋が買えるぐらいとだけ言っておこう。
「,,,ショッピ」
「なんや?」
「その話、乗った!早く作戦立てるで!」
2日後。
「よっしゃ、作戦決まったから準備するで!」
「チーノ、"アレ"は?」
「もちろん完璧にできてるで」
そういいチーノはポケットから、"漆黒の金剛石"を取り出した。それも2つ。
「偽物とは思えへんな、さすが平成のメーヘレン」
メーヘレンとは、20世紀で最も巧妙な贋作者と言われるオランダの画商である。
チーノが作成した2つの贋作は、どれも偽物とは思えない代物だった。
しかし、チーノは顔を曇らせ、どこか悲しげな声で"せやな"とだけ呟いた。
「一応作戦確認しておこか」
2人が考えた作戦はこうだ、
1,あらかじめ千野千尋を電波の通じない山奥でのキャンプに招待しておく
(キャンプ好きの千野は食いつくはずや!)
2,チーノは千野千尋として潜入し、ショッピは予告状を出す
3,当日、ショッピは停電を起こし、盗った本物を手に持っておく
4,チーノは拳銃でショッピを撃ち、手から落ちた本物を袖に隠してある偽物と交換し、その偽物をブン投げて破壊する
(血のり入りの防弾チョッキを用意しておくから、大丈夫や)
5,キャンプから戻った千野を防波堤に呼びつける
6,ジェット機で逃走!
「皆の反応が楽しみやな」
2人は怪しく笑った。
1日後。
「ショッピ、緊急事態や」
電話越しでの第一声がこれだった。
「本物に発信器がついた、あの江戸川コナンっていう奴なんやねん!」
"あんの高校生探偵がぁ"と唸りながら悲痛な叫びをあげる。
「チーノ、発信器辿るやつ偽物とすり替えといて」
「はぁ?なんでいきn」
チーノの言葉を遮って、ブチッという音と共に電話が切れた。
「ほんま、人使いが荒いんやから,,,,」
そして現在に至る。
「うまくいったなチーノ」
「大金ゲットだぜ!」
高らかな笑い声が響くここは、ジェット機の中。
目に隈をつくっているチーノは、きっと徹夜で発信器をつくっていたのだろう。
「シャオさん運転うまいっすね」
「お前ら"小学一年生"にジェット機運転させるって頭おかしいんか」
運転席から顔を出したのは、肩まである髪に豚のヘアピンをつけた"小学一年生"くらいの男の子だ。
{番外編}
<怪盗の名前決め>
「ショッピ、名前どうする?」
「適当でええんちゃう?」
「じゃぁ、好きなものとかある?」
「,,,ししゃもねこ」
"怪盗ししゃもねこ"
猫だけとった。
<衣装決め>
「チーノっお前、なんでマントついとるんや!」
チーノが出したのは、怪盗キッドの衣装の黒バージョン。
「せっかく徹夜で作ったんやぞ、着ろや!」
むりやり着せられた。
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