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#一次創作
ruruha
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「……アーウィン……」
銃身を握りしめたまま、黒髪の男の人を見上げる。違うよね?私たち、家族よね?
だって私たちは家族なんだって、あの人が。
私に向かって微笑むと、スッと目を閉じた。
やがて開かれた目は。
「これで満足ですか?」
真っ赤に濡れている。
「…………」
体から力が抜けていく。
手から銃が滑り落ちた。
……もう、何も分かんない。
どうしたらいいの?どうするべきなの?
どうにかする必要があるの?
フレディは私を庇って、背後に押しつける。
抵抗せず、それに従った。
「目的は何?」
「お前には関係ない」
切って捨てるような答えに、彼は肩をすくめる。
「ここまでやっといて、それはないんじゃない?」
「オーゼンナートのひよこが出向くほどのことでもないだろう」
「!……へえ、俺のこと知ってるんだ?」
ニコッと笑う。
「じゃあ、ますます放っておけない」
アーウィンは正面から見据えて、宣言した。
「彼女は央魔となる。お前たちにとって不都合は何もない。関わるな」
「どうしてそんなことが言える?」
間髪を入れずにフレディが問い返す。
「彼女が行くのは」
そこでちょっと言葉に詰まった。
「……違う道かもしれない」
何かを迷うような、辛そうな声。
それに引き換え、アーウィンの答えは自信に満ちたものだ。
薄い笑みさえ浮かべて、言い放つ。
「なるさ。『それ』は、そうならなければならない」
「…………」
その答えを聞いて黙り込んでしまった。
何かを考えているようだ。
そして、慎重に言葉を選んで口を開く。
「確かにね。利害は一致してる、かな。でもなんでここまでする必要があった?何もしなくたって……ヒナは、いずれトリになる。央魔になるって確信がどこからくるのか知らないけど、そこまで自信があるならあんたは持つだけでよかった。それなのに」
彼はじっとフレディを見つめた後、ふと私に視線を移した。
びくっとする。
だって怖い。あの目は何?
まるで私を憎んでいるみたいな……。
今までアーウィンにあんな目で見られたことがない。
急に知らない人に見えた。
目の前の小さな背中をキュッと掴んで、深く俯く。
背中ちっちゃい。
私、隠れられない。
やがて、彼がポツリと一言呟くのが聞こえた。
「……待つのは、もう飽きた」
「…………」
長い沈黙。
その静かさが怖くて、一層小さくなって背中に隠れようとする。
「レナ」
アーウィンが高圧的に私の名前を呼んだ。
体がびくんと震える。
「そろそろ夜が明けます。こちらへ」
「…………」
「レナ」
声が苛立たしげな色を帯びた。
今まで怒られている時にだって、聞いたことのない声。
深く深く俯いたまま、顔を上げられない。
「こちらに来なさいと言っている」
「姉ちゃん……」
私を背中に庇ったまま、フレディがそっと声をかけてきた。
労わる声に勇気づけられて顔を上げると、首を捻って見上げる彼の顔があった。
「今は行って……。大丈夫。あいつは姉ちゃんに危害は加えないよ」
「……フレディは?フレディも一緒に来て!」
驚きだった。
何年も一緒に暮らしてきた家族同然の人より、会って間もないこの男の子といる方が数倍安心だと思うなんて。
「俺はもう少し、ここでやらなきゃいけないことがあるから」
体ごと私に向き直る。
仕方なく、コートを掴んでいた手を離した。
「姉ちゃんはとりあえず今は帰った方がいい。夜が明けたら、多分動けなくなる」
「?」
「来なさい、レナ」
つかつかと歩み寄ってきたアーウィンが、乱暴に抱き上げる。
「フレディ!」
すぐに手が押し付けられ、私の視界は閉ざされる。
「オーゼンナートの坊、ひとつだけ言っておく。これはそちらの過失が招いたことでもあるのだ」
抱かれているせいで、彼の声がひどく響いて聞こえてきた。
重く、冷たく。でも少しだけ懐かしく。
「お前は聖女アーシュラを知っているか?」
「!なんだって……おいッ!」
フレディの声は最後まで聞こえなかった。
冷たい霧に包まれた不思議な感覚の後、私の意識も霧のように消える……。
コメント
1件
うわっ……。なんかもう、胸がぎゅーってなる回だったわ……。 今まで一緒にいたはずのアーウィンが、急に「知らない人」に見える瞬間の描写がリアルで怖かった。あの「憎んでるみたいな目」って、家族だと思ってた相手に初めて向けられる視線の残酷さがすごい伝わってきた。 フレディが少しでも守ろうとしてくれてるのがせめてもの救いだけど、アーウィンの「待つのはもう飽きた」の一言の重みがヤバい。何を待ってたんだろう……気になる🔥 続き読みたいです!