※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体等とは一切関係ありません。
「ウサギは、私だ……。本当の誘拐犯は、私だったんだ……」
〈19話〉
それまで、私の人生はそれなりに順調だった。
家では当たり前に「おはよう」や「おやすみ」を家族と言い合い、学校の私の席の周りには自然と人が集まってきた。
友達とコンビニで立ち読みして、クレーンゲームの原価数百円の景品に2000円を費やす。
そうやってふらふらと寄り道して家に帰ると、お母さんに進路のことを聞かれて耳を塞ぐ。
夜はべろべろに酔ったお父さんの「俺の若いころはなあ――」っていう声が、自分の部屋に戻る合図だった。
毎年、誕生日ケーキは違うお店のものを強請ってて、お父さんチョイスの誕生日プレゼントはいつも微妙に私の好みを外してた。
その年もお父さんの運転で、両親は誕生日には少し早いけどと言って************
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