(ドンっ)
(パキっ)
(カンっ)
そとの方で怪音が鳴り響く。
凛子と誠は耳を澄ます。
虫の音がない。。。
(ドンっ)
(パキっ)
(カンっ)
さっきまで、オーケストラのように奏でていたのに時が止まってしまったかのようだ。
建物の周囲に何かわからないが何かの気配を感じる。
それもひとつではない。。。木扉の隙間から煙と汚物を混ぜたような異臭が侵入してくる。
誠は勇気を振り絞り凛子を自分の背後に潜ませる。とはいってもたかが「ニート」されど「ニート」凛子の「ニード」にはなれないのは重々承知していた。
尻込みし、使えるのは足の指先だけ。その指先でジレンマをつつく
「ジレンマさん、起きてください」
「起きてください。。。」
「しーっ!起きてるよ」
ジレンマは横になっていたが起きていた。
「誠くん落ち着いて、こちらから出ない限り奴らは中には入ってこれない、修羅くんが結界をはってくれたからね。」
ああいった、怪のモノは余程のことがない限り、招き入れるという行為がないと結界の中には入れないようだ。
ジレンマは体を起こし、平田さんと貞治の方をみる。
外の怪音はジレンマの設置した呪物に干渉してるからのようだ。
「なんなんですか?一体何が外にいるんですか?」
誠も初めての経験で正常心を保つのがやっとである、そんな誠の手を凛子が握る。
「誠くん落ち着いて、ジレンマさんに任せよ?」
(ドンっ❗️)
(パキっ❗️)
(カンっ❗️)
怪音がさらに大きくなる。
(ピカピカ ピカピカ)
時折閃光が走る。
「お父ちゃん。。。」貞治が目を覚ました。
「おぃちゃん、お父ちゃんが呼んでる」
貞治が立ち上がり土間の方に出ようとする。ジレンマは即座に行手を阻む。
「平田さん‼️貞治くんを」ジレンマの声掛けに平田さんも起きて貞治を抱きしめる。
「貞治、だめた、ここにじいちゃんとおるぞ」
「だって、お父ちゃんが呼んでるよ」
(ドンドンドンドン‼️)
誰かが扉を叩く。