〔 海side 〕
五条 「 あ、赤坂海くん…….だっけ? 」
海 「 五条さん、 」
1人静かに泣いていると、五条さんが向かい側から歩いていた。
やっぱり目隠し…….。
警察に通報されたこととかないのか?
五条 「 どうしたの?泣いてるけど、 」
海 「 あ、いや…….。 」
俺がなにも話さないでいると、何かを察したのか「 少し場所変えようか 」と
花奈と前一緒にいた公園に向かった。
ベンチに座り、なにか飲み物を持ってきてくれた。
五条 「 はい、水 」
海 「 あ、ありがとうございます 」
隣で長い足を組み、いちごオレを飲む五条さん。
優しい人なんだろうけど、まだこの人を信用しきれないのは事実だ。
五条 「 で、どうしたの? 」
海 「 …….驚くかもしれませんが、さっき花奈に告白しまして、 」
そういうと、五条さんは驚いた顔をしていた。
まぁそうだろうな。
高校生であっても、人妻。しかも、相手が隣にいる本人だし、
海 「 まぁ、振られてしまいましたけど、(笑) 」
五条 「 そっ…….か 、 」
五条さんはさっきよりもっと驚いた顔をして、いちごオレの飲み口と睨み合っていた。
俺は、公園を見渡す。
昔、ここで花奈と馬鹿みたいにはしゃぎ回ったことを思い出す。
懐かしいな、
五条 「 振られてすぐこう言うのもなんだけど、花奈はなんて? 」
少し気まずそうにする五条さん。
気を使わせてしまって、申し訳ないな
海 「 幼馴染の関係でずっと仲良くしていてほしい、と言われました。 」
五条 「 そう、 」
五条さんは、花奈にとって理想の彼氏図なんだと思う。
けど、俺はやっぱ大人となると怖い。
いつか捨てて、花奈を悲しませるかもしれない。
俺は花奈を悲しませるやつが嫌いだ。
だったら、俺の方がいいだろう。とか思ってしまう。
そんな自分も嫌いだ。
花奈が選んだ人だからこそ、応援しないといけない。
だけど、まだライバルとして張れるのなら、言わないといけない。
海 「 花奈を悲しませたら、俺は貴方を許さない。
それが例え自分のせいじゃなかったとしても、
あと、まだ俺も諦めたわけじゃないので、気…….抜かないでくださいね 」
五条 「 …….はは、受けて立つよ 」