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好き!好き!10年は長い!…愛の力は凄いな
好きすぎです☆ もう神超えて女神です☆(?)
橙桃です。本人様とは関係ありません。
地雷だよって方、通報される方は見ないようにしてください。
Noside
とある王国に桃という王子がいた。彼は王国の人々に心から愛されていた。
桃「……よしっ!!」
ガサガサと森の奥から出て来た王子は商店街へと足を運ぶ。
モ男「あぁ、桃様。また城を抜け出して来たのですか?」
桃「まぁね、今日は稽古があったから」
モ女「ふふっw自由ですこと」
王子は城を抜け出しては遊び歩き、見つかれば逃げて夜に城に帰っていた。
黄「桃様!!見つけましたよ…はぁはぁ…またお稽古をせずに抜け出して…!!今日という今日は受けてもらいますからね!」
桃「げっ…」
黄「あっ!!!待ってください!!」
王子が使用人の黄に追いかけられる光景はもう随分見慣れたものだ。
桃side
桃「よっ……」
黄「桃様ー?…いない……」
少し逃げたあと、森に入ると黄はとうとう俺を見失って諦めたのか城の方に向かって行った。
やったぁ!!!今日もサボれる〜!!
桃「…ッわぁ…………」
なんとなく入って来た森の奥。目の前にはキラキラと光る小川が流れており、小さな色とりどりの花が咲いていた。
桃「綺麗……」
ゴロンと寝転び青空を見上げる。
桃「あの雲…羊みたい……あっ!ちょうちょ!!」
模様が立派なアゲハ蝶を追うと、とあるものに目が行った。
人が倒れている。
桃「たっ、大変!!!」
すぐに駆け寄って声をかける。
桃「大丈夫ですか?!」
オレンジ色の髪の男は声をかけても、体を揺すっても反応がない。
桃「しっ死んでる…?」
震える体を落ち着かせ、彼の胸に耳を近づける。
トクン……トクン……トクン
桃「よかったぁ………生きてた…」
でも体は冷えているようだ。
俺はすぐに商店街へもどり、温かいブランケットや水などのあらゆるものを買って男の看病を始めた。
まだ真面目に稽古を受けていた頃にある程度の看病の仕方も教わっていたのだ。
桃「直で寝かせられないよな…流石に枕は売ってなかったし…何か代わりになるもの………あ、そうだ。」
男の頭を自分の膝にそっと乗せる。
無いよりはマシだろと思い、膝枕をしたのだ。
?「ぅ……んぅ…………パチッ」
桃「あ、起きた!」
?「…天国ですか?」
桃「え…違うと思う……」
?「あ……ごめんなさい、余りにも美しくてこの世のものでは無いのかと………」
桃「へ…/////」
?「あっ、えっとす、すみません!急に変なこと言っちゃって……」
男はすぐに起き上がって正座し、ペコリと頭を下げた。
桃「……プッあははっ!!」
?「え」
桃「お前面白いなwなぁ、具合はどう?此処で倒れてたんだよ」
?「そうだったんですか…助けてくださりありがとうございます。」
そしてまた頭を下げる男。
桃「お前って礼儀正しいなー」
?「そうですか?」
桃「うん」
?「あ、すっかり元気になりましたよ!」
桃「なんで倒れてたの?」
?「俺、旅人でして…ずっと歩いていたから疲れとかで…あはは…」
桃「もぅ…俺が見つけなかったら大変だったんだぞ」
?「ありがとうございます…」
丁寧に話すその男に興味が湧いて色々話をした。
男の名前は橙というらしい。旅が趣味で世界中を旅していたとき、丁度この地に着いたのだとか。
橙「桃さんはなんでこんなところにいたのですか?」
桃「俺は稽古が嫌だから」
橙「お稽古…?」
桃「俺、一応この国の王子だからさ」
橙「お、王子様?!?!」
桃「?そうだけど?」
橙「そんな…大変無礼なことをしてしまって…」
桃「………別にいいじゃん。俺が助けたかっただけだし」
橙「申し訳ありません…」
桃「…やめてよ。」
橙「え…?」
桃「俺、みんなに『ありがとうございます』『申し訳ありませんでした』『王子様』とか言われんの嫌なの。かしこまって言ってほしくないの。俺は街のみんなと仲良くなりたいだけなのに…いつも俺から距離を取ってるの………橙はやっぱり俺と仲良くなりたくない…?」
橙「…………では桃さん。俺と“オトモダチ”になりましょう。」
桃「オトモダチ……?」
小さい頃、読んだ本に書いてあったその言葉。
オトモダチ。一緒に遊んで一緒にご飯を食べて…かけがえのない存在。
桃「い、いいの……?」
橙「ええ、俺とオトモダチになったら毎日一緒に遊びましょう。旅もしばらくの間やめようと思っていたので丁度良いです。」
桃「ほんとに…?!やったぁぁ!!!オトモダチ!オトモダチ!!橙は俺のオトモダチ!!」
橙「ふふっw」
桃「ねぇ橙!!」
橙「なんですか?」
桃「オトモダチは敬語を使わないの!そして俺の事を王子だと思わないで!オトモダチとして考えて!ね?」
橙「でも、流石にそれは…」
桃「オトモダチでしょ………?」
橙「ッ!!………うん、分かった」
にこっと橙が微笑む。綺麗なエメラルドグリーンが輝いていた。
俺にとっての初めてのオトモダチになった橙とはすぐに大の仲良しになった。
俺が毎日城の外に出れば橙と出会ったところに行って日が暮れるまで遊んだり、お喋りしたりしている。
橙の話はどれも面白い。旅をして色々な国で体験したことを話してくれる。橙の声は優しくて聞いていて心地が良い。
橙「桃ちゃん」
桃「ん?」
俺が振り向くと頭の上に何かを乗せられた。
桃「なぁに?これ」
橙「ふふふw花の冠!」
桃「わぁ…かわいい!!」
ピンクとオレンジのお花で出来ている冠。
男の割に可愛いものが好きな俺には嬉しいプレゼントだ。
桃「橙は手先が器用だねぇ…」
橙「そうか?」
桃「うん!こんなに可愛いものが作れるなんてカッコいい!!」
橙「桃ちゃんもかわええで」
桃「!…/////」
最近、橙といると胸がきゅう…ってなる。
なんかの病気かな………。
赤「桃様、おかえりなさいませ。」
桃「ただいま〜」
城に帰って執事の赤に会う。赤は小さい頃から俺の執事をしていて幼馴染のような感覚。
そして俺の良き理解者でもある。
桃「ふふ〜ん♪」
赤「今日もご機嫌ですね」
桃「まぁね〜♪」
赤「何か良い事でもあったのですか?この頃良く外に出てますよね。今までもだけど最近は毎日ですもの。」
桃「知りたい〜?」
赤「まぁ…そりゃあ桃様の事ですから。」
桃「実はね………オトモダチが出来たの!!」
赤「オトモダチですか…?女性の方ですか?」
桃「ううん!男だよ〜」
赤「そうなんですか…」
桃「凄く優しくてね!明るくて面白くて、そして手先が器用なの!見てよこれ!そいつが作ってくれた花の冠!!」
赤「本当だ…上手に作られてます」
桃「でしょでしょ〜!!でもね……最近そいつといると胸がきゅう…ってなるんだ。赤といてもならないんだけど、そいつと一緒にいたり、夜にそいつのことを考えるとなるの。赤、何か知ってる?これって病気なのかな?」
赤「………桃様。それはきっと“恋の病”ですよ。」
桃「恋…?なぁに?それ」
赤「桃様はそのお方のことが好きなんです。」
俺が…橙のことを好き…??
桃「でも、俺は男だよ?男は女の人を好きになるんじゃないの??」
赤「ええ。一般的にはそうです。でも同性愛というのも存在するのですよ。好きという感情に性別なんて関係ありません。」
桃「そっかぁ…俺、橙に恋してるんだぁ…」
確かに俺が橙に抱いている感情に“恋”と言う名がぴったりだ。
赤「しかし桃様。そのお方とのことを絶対に王様とお妃様、他の使用人には言ってはいけませんよ。」
桃「え?なんで…?」
赤「王様とお妃様や他の使用人に言ったらそのお方と引き離されてしまいます。男の場合だと桃様に近づく愚か者だと思われてしまうのです。」
桃「そ、そんな…」
橙と離れ離れなんて絶対に嫌だ。
赤「そのお方のことは桃様と私の秘密です。いいですね?」
桃「うん…!!」
橙「それでなそこの民族衣装が結構派手だったんやけど、意外と似合っちゃって…」
桃「…」
橙「?どしたん?具合悪い?」
昨日の夜言われた 恋 という言葉を意識してしまう。今だって隣で旅の話をしてくれている橙の横顔を眺めてしまった。まつげが長くて鼻も高い。言葉を発する度に動く喉仏。優しい声色。全てが好きすぎて可笑しくなってしまいそうだ。
桃「ううんっ!!何でもない!!」
橙「ならええんやけど…」
桃「……」
橙「…やっぱり具合悪いんやない?」
桃「えっいや…ッ?!?!」
橙は自分と俺のおでこをコツンと合わせる。
ち、近い………/////顔、近すぎるよぉ…
そんな風に思っていた時だった。
「桃様!!!!!!」
桃「えっ………青…」
橙「ッ…」
騎士団のトップ、青だった。
青「桃様、離れてください!!最近桃様がよく外に出ているなと思い、追跡してみたら……貴様、桃様に何をした!!!」
桃「や、やめてよ!!!!」
青「桃様?!」
桃「やめて!!橙は俺の大切な人なの!!!」
橙の前で手を広げて庇う。やめて。俺から橙を奪わないで。
「桃」
桃「お、父様………」
お父様「どういうことだ」
桃「あ、え…ぁ……」
ここで、オトモダチだと伝えたら認めてくれるのだろうか。でも……………俺と橙の関係をオトモダチという言葉で片付けたくない。そんなことを思っているとお父様が口を開いた。
お父様「桃。今の行為はなんだ?」
そうだ。今おでこを合わせていた光景を見られてしまっていたのだ。もう、言い逃れようがない………
橙「…王様。大変申し訳ありませんでした。」
桃「橙……?」
橙は俺を見ると悲しげに微笑んだ。
桃「うわぁぁぁぁん…ぅう…グスッ…ポロポロッ」
あの後、橙は追放となった。10年間、俺とあっていけないという。
なんで、なんで……俺が橙に恋したから?恋をして橙のことを見つめちゃって…それで橙とおでこを合わせてしまったから…?もしあんなことしてなければ明日も明後日もずっと一緒にいられたのに。
トントンと誰かが部屋のドアを叩く。
赤「桃様、赤です………」
桃「………」
赤「入りますね…」
ガチャッとドアが開き、赤が心配そうに顔を覗かせる。
桃「…ヒック……んぅ……ぅ……グスッ」
赤「桃様………桃様はまだあのお方のことを愛していますか?」
桃「っ!決まってるでしょ?!?!好きだよ!大好きだよぉ…ポロポロッ愛してるよぉ………」
赤「………桃様。今晩、港から船が出ます。あのお方はその船でこの国を去るそうです。」
桃「や、やだぁ…………」
赤「…桃様、最後にもう1度会ってよろしいですよ。」
桃「………え?」
赤「私が騎士団の足を止めておきます。そのうちに港へ向かって下さい。」
桃「でも…」
赤「桃様、まだあのお方に思いを伝えられていないのでしょう?しっかりと伝えて下さい。」
桃「…………うん。ありがとう。」
夜
城を抜け出して走る。
バレてはいけない為、馬車は使えない。
桃「はぁはぁ…ッ…」
どれぐらい走ったのかも分からない。
見えてきた港には大きな船が1隻だけ浮かんでいた。
そしてそこにいたのは大好きなあの人。
橙「も、桃ちゃん…?!?!」
ギュッと橙に抱きつき、顔を彼の胸元に埋める。
橙「ど、どうして…」
桃「執事が見逃してくれたの。最後に会って来てって。」
橙「そ、そうなんや……」
桃「……橙っ……好きっ!好きだよぉ………」
橙「え?!?!そ、それは…オトモダチとして…?」
桃「ううん!!!橙のことが大好きなの…そ、その…恋してて…/////ずっとずっっと一緒にいたいの…」
橙「………」
桃「ご、ごめん……、男なのに…」
橙「嬉しい……」
橙は俺の事を力いっぱい抱き締めた。
橙「俺も…俺も大好きやで。桃ちゃんのこと、だぁいすき。」
桃「ほ、ほんとに…?」
橙「俺が嘘つくと思う?」
桃「ううん…思わない。」
橙「……10年後の今日。絶対戻ってくる。それまで待ってて。」
桃「……………うんッ!!」
そして船が出る直前、深くて熱いキスを交わした。
『お元気ですか?こちらの国ではピンク色の花が咲き乱れています。優しくて温かいこの色を見ると可愛らしい笑顔の貴方を思い出しては会いたいという想いがまた増えていきます。早く抱き締めたいです。この声で「好き」と伝えたいです。そんな願いも叶うまであと少し……本当に長くて辛いです。貴方と離れていると1日1日が長くて……でも、貴方の手紙のお陰で前を向くことができています。
ちょっと堅苦しい言い方してみたんだけど、どう?返事、いつもありがとうな。立派な男になって桃ちゃんの隣りに相応しくなって戻るからな〜!大好きやで♡』
『急に変な文だからびっくりしちゃった。出会ったばかりの橙を思い出したよwこの前、お父様とお母様と一緒に港に行ったんだ。この海の向こう側に橙がいるんだと思うと悲しいような、嬉しいような…凄く複雑な気持ちになっちゃった。早く橙に会いたいよ。あと少しだよね。なんかドキドキしてきちゃった!!大丈夫、橙は既に立派な俺の王子様だよ。待ってるからね、大好きだよ♡』
橙から届いた大量の手紙を全て箱に入れ、引き出しにしまう。
ガチャッとドアが開く……
「桃ちゃん」
桃「んぅ…………?」
橙「おはよ、よぉ眠ってたな〜」
桃「………夢?」
橙「?何か夢みたん?」
桃「………」
橙「朝ご飯出来てるでー!!橙様特製ピザトースト!!」
寝室を出て朝から騒がしい橙の後ろを歩く。
あの後……2人は会えたのかな…………
桃「……橙。」
橙「ん〜?」
桃「…何処にも行かないでね」
橙「…………。当たり前やろ。桃ちゃんを置いていくわけ無いやろ。1人になんてさせへん。それに……」
桃「それに…?」
橙「俺、桃ちゃん無しじゃ生きていけへん。」
桃「………ッ俺もだよ、ばーか!!!!」
みなさぁぁぁん!!!投稿遅くなってしまって申し訳ございません!!!!!
いやぁ…学校やら部活やらで毎日疲れてしまって…平日の投稿は難しいですよねぇ……。
これからもマイペースに投稿していきますので、暇なときにでも読んで下さると嬉しいです!!
いじょー!!!
ベリーベリーグッバイ☆