そうか、僕はずっと勘違いをしていたんだ。
星は、星が映るのは、空だけだと思っていた。だけど、空だけじゃない、こうやって、地面にも足をつけるように、星は映るんだ。
……ああ、そうか。
僕は、もう1つ勘違いをしていたようだ。
僕はあのとき、彼女、彩から、何も聞いちゃいない。何も、聞こうとしていなかった。
僕は次の朝、すぐに学校へ向かった。
息を切らして、途中途中息を整えながら、僕は、走った。
教室にはすでに、彩の姿がいた。
「あ、天兎くん、おはよう。」
「あ、うん、来るの早いね。」
「そうかな、天兎くんも早いね。」
何気ない挨拶と会話をしながら、僕は彩に伝えた。
「…、今日の昼休み、屋上に来てください。」
普段ならタメ口で話す口も、今日は、今回は、敬語で話していた。
「分かった、昼休みになったらすぐ行くね。」
彩は笑顔でそう言って、教室から出て行った。
不思議とその背中は、嬉しそうだった。
授業中は、あまり集中が出来なかった。
ボーッとしすぎていて、大切な事は書き忘れるし、問題を答えろと当てられても、答えることができなかった。
頭の中は、彩と、いつも星の動物が現れる夜中でいっぱいだった。
時間はあっという間に流れていき、気づけば昼休みへとなっていた。
僕は急いで屋上に行くと、グラウンドを上から見つめる彩がいた。
「それで、用って?」
「あ、あの…」
ここで負けちゃいけない。そう思って、負け覚悟で言った。
「…僕は、ずっと前から彩が好きです。人の話も聞かないで、勝手に好き勝手動いちゃうどうしようもない僕だけど、彩が良ければ、付き合ってください。」
彩は少し驚いたあとに、こう言った。
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