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かくれんぼ 完全版
Karte.1 かくれんぼ 完全版
私は、咲輝。小学6年生の陰キャである。私は自分を隠して生活している。本当は明るい性格だった。しかし、一度いじめられた事があって自分を隠すようになった。他にもいるんじゃないかと思う。自分を隠して生活している人が。一生かくれんぼをしている気分だ。それは遊びの楽しいかくれんぼではなく、いじめられて自分を失い、したいことも出来ない、地獄のようなかくれんぼ。本当は、あってはならない。でも誰もそんな事きづかない…いや、気にしない。いつしか、私の友達は居なくなった。半年ほど、独りだったのだ。信頼できるのは家族だけだった。友達なんていない。自分を隠しているから後輩とも関わらない。そんな、誰にも気づかれないかくれんぼをしている。独りで探す人もいない、いや、探してくれないかくれんぼ。自分を出すのが怖い。だから、前に進めない。誰とも関われない。学校で支えてくれる人は一人もいない…そう思っていた。
ある日一人の後輩の女の子から話しかけられた。その子は、小学4年生であったこともなかったし、一緒に何かするということもない。「何で話しかけてきたの?」
「話したことないから話したかったの!」
そう言ってくれた。私は、とても嬉しかった。半年間誰にも相手にされない、関われない、私にも話しかけてくれた。その小4の子は私にとって救いだった。あの子だけ、学校で私と話してくれた。少し話して、授業が始まるのでお互い教室に戻った。この日、私のかくれんぼは終わった。小4の子が見つけてくれたからだ。次の休み時間、その子の名前を聴いた。
「名前なんて言うの?」
「優美!優美とかいてゆみと読むんだよ!」私は優美ちゃんに救われた。この日から、毎日話した。そんな生活をして、半年たった。私は卒業する時が来た。優美ちゃんは卒業式の後、手紙を渡しに来てくれた。めちゃくちゃ笑顔で感謝の言葉を言ってくれて、その後私の卒業を泣いて悲しんでくれた。ほんとに嬉しかった。優美ちゃんが話しかけてくれた時も、今までにないほど嬉しかったけど、それ以上に今の方がとても嬉しい。まさか、自分の卒業を祝ってくれて、悲しんでくれるひとが親子以外にもできるなんて半年前まで思ってもなかった。1mmも想像できなかった。本当はここでずっと話していたい。しかし、もう無理なんだ。私は泣く泣く優美ちゃんにあいさつをし、また会うという約束をして、家に帰った。その日、私は無意識に優美ちゃんとの会話を思い出していた。楽しかった日々。あの頃に戻りたいと思いながら、私は目を閉じて、昼寝を始める。
コメント
5件
うぇいうぇい新作やぁぁぁ✨️✨️✨️ なんかタイムリープとごっちゃになりそう((( えまって何がとは言わないけどまじかよ!?!(?) またリアルで話そーな☆☆☆ 咲輝ちゃんと優美ちゃんね… …可愛い名前すぎんか!?! 陽星ってそんなネーミングセンスあったっけ…(( 小4とね…学年違うの悲し(泣) かくれんぼってそゆことね! 続き見てくるのだ👍