6話
15年後…
🥞「…冬弥…」
☕「ん?どうした?」
🥞「眠い、」
☕「寝てていいぞ。膝貸してやるから。」
🥞「ん、ありがと、」
愛菜が生まれてから15年がたって愛菜は元気に育って彰人は甘えん坊に育った。
🥞「…すー…すー…すー…」
ガチャ
愛菜「ただいま。」
☕「おかえり。彰人は寝てしまってるから手を洗ったら冷蔵庫に確かプリンがあったから食べていいぞ。」
愛菜「分かった。ありがとー」
愛菜は彰人にはあまり似ず、明るくしっかりした女性に育った。
愛菜はもちろん彰人が訳ありな甘えん坊ということも知ってる。
だからこれも日常になっている。
愛菜「類兄達は?」
☕「類兄さん達は買い物に行った。」
愛菜「おっけー。プリン楽しみー」
🥞「ん、…」
☕「ん?おはよう。」
🥞「…んん、」
☕「ん?どうした?」
🥞「ぎゅして、」
☕「じゃあこっち来てくれ。」
🥞「…ん、」
ぎゅ
☕「彰人は可愛いな。」
🥞「ん、//」
愛菜「(プリンおいしー)」
🥞「あ、愛菜おかえり。」
愛菜「ただいまー」
🥞「まな~…」
愛菜「なにー?」
🥞「…おかえり。」
愛菜「うん。ただいま。」
🥞「ん、、…」
☕「(寝ぼけてるのか?同じことを2回も…)」
🥞「類…?」
愛菜「類兄達は買い物だって。」
🥞「…ふーん」
🥞「…愛菜…兄弟欲しい?」
愛菜「え?いや、別に…」
🥞「居たら…嬉しい?」
愛菜「いや、…え、まぁ、その、」
🥞「ふ、そっか…」
☕「彰人。2人目はダメだ。」
🥞「…なんで?」
☕「前も言っただろ?」
🥞「…2人目居たら楽しいよな?愛菜。」
愛菜「えー…うーん…」
彰人が最近2人目を作りたいと言い始めた。何が目的かは知らないがやたらと愛菜に兄弟が欲しいか聞いて作ろうとする。
類兄さんにまた手をつけてもらわないと。
🥞「愛菜妹欲しいよな?」
愛菜「んー、別にかな…」
🥞「…欲しいよね?愛菜欲しいよね?」
愛菜「…うん、…どうかな、、」
🥞「ほら、愛菜欲しいって、2人目作っちゃダメ?」
☕「ダメだ。」
🥞「愛菜が可哀想…愛菜悲しそう。」
☕「愛菜。キッパリ要らないって言うんだ。(ボソッ)」
愛菜「パパごめん。…妹も弟も…いらない。」
🥞「…そ、っか、…いらないか、」
愛菜がキッパリ言い切ると彰人はフラフラ寝室に入っていく。
大体この流れが多い。
でも、寝室で何をしてるか、最近気づいてしまった。
布団に潜って泣いたり手首を切ったりしていること。
なんて言えば納得してもらえるんだ。
愛菜「パパ…なんか可哀想でやってらんないよ。」
☕「何を企んでるか分かるか?」
愛菜「わかんないよ…。私は正直どっちでもいいけどさ、パパでさえ私達で面倒みるの手一杯なのに兄弟出来たらもっと忙しくなるに決まってるよ。」
☕「また、知らない間に作ってきてもおかしくない。」
愛菜「あぁ、…私みたいになるってこと?」
☕「…ごめんな。愛菜。」
愛菜「いやいいよ。みんながいれば十分すぎるし。」
ガチャ…
🎈「ただいま。」
☕「あ、おかえりなさい。」
愛菜「おかえりー」
🌟「彰人は?」
☕「それが…また2人目が欲しいって…それで今寝室で多分泣いてます。」
🎈「…僕から話をしに行くよ。今日はハンバーグだからみんなで先に作っててくれるかい?」
愛菜「ハンバーグなら任せて!」
🎈「ふふ、頼むよ。」
ガチャ…
🥞「…兄弟いらない、…いらない…いらない…いらない…」
ぼそっと呟く彰人の片手にはカッターがあった。
🎈「彰人。」
🥞「…類、?」
🎈「うん。」
🥞「類兄…2人目欲しい?」
🎈「僕は愛菜で十分幸せだからいいかな。」
🥞「じゃあ、もう1人増えたらもっと幸せになるよ?」
🎈「うん。そうだね。でも愛菜も要らないって言ってたでしょ?」
🥞「…俺は欲しいの!(大声)」
🎈「…」
一方ご飯を作り班
愛菜「次は水を…」
🥞「俺は欲しいの!(大声)」
愛菜「あはは、またか…」
🌟「発作が起こったら…」
☕「鬱でご飯も食べなくなりますね。」
愛菜「…もー、パパったら、」
🎈「欲しいんだよね。分かった。彰人の気持ちは分かった。」
🥞「なんでダメなの?」
🎈「んー、お金が無いし。みんな愛菜がいればもう十分なんだよ。だからかな。」
🥞「俺の意見は?」
🎈「うん。彰人の意見も大切だけど、僕は愛菜が居たらそれでいいって思う。彰人もそう思わない?」
🥞「…思うけど、俺は…また…もうひとり欲しい、」
🎈「なんで欲しいの?」
🥞「…それは、…」
🎈「言えない理由があるの?それとも本当にもう1人欲しいの?」
🥞「…どっちも、」
🎈「理由聞かせて欲しいな。」
🥞「…怒るよ、きっと、」
🎈「怒られる理由なのかい?」
🥞「…そうかもしれないから、」
🎈「そっか。でも、教えて欲しい。」
🥞「…また、愛されたかった。それと、愛菜女の子一人だから妹とか…作ってあげたくて、」
🎈「…愛菜確かに女の子1人だもんね。でも、愛されたいってのは…どういうこと?」
🥞「みんな、俺の事大切にしてくれてるけど、…もう、飽きたって言うか、何回も同じ人に言われると…なんにも感じなくなって…それで、また…つわりで苦しんでる俺見たら心配してくれると思った、」
🎈「そ…っか。怒らないよ。彰人は優しいよ。けど、心配してもらうために赤ちゃんをまた作るのは違うんじゃないかな?」
🥞「この方法しかないだろだって!」
🎈「そんなことない。他にも…」
🥞「司兄は背中をさすってくれて、冬弥兄はヨーグルト買ってくれて、類兄は手を繋いでてくれて、愛菜は俺の子産まれてくるの楽しみにしててくれるの、こんな幸せないよ。」
🎈「…うん。そうだね。彰人からしたらそれは幸せなんだろうね。でもその赤ちゃんは幸せ?」
🥞「…」
🎈「その赤ちゃんは彰人が愛されるために産まれるの正直嫌だと思う。」
🥞「…」
🎈「彰人?」
🥞「また俺の事苦しめたいんだ。死んで欲しいんだ。」
🎈「そんなこと言ってないし思ってないよ。」
🥞「だってそういうことでしょ?!俺の言うことは全部否定されるの!こっちの身になったらきっとッ…類兄も子供が欲しくなる!(大声)」
ガチャ
愛菜「ぱぱっ、…」
🥞「もう俺…死んで欲しいんだ、死ぬよ、死んでやる…」
愛菜「ぱぱ!」
🥞「愛菜も俺が妹作ってあげようとするの…大きなお世話だった?そうだよね?もう、消えたい、」
愛菜「大きなお世話なんかじゃないよ。パパが私の事考えてくれてるの嬉しいよ。でもね、私はもうみんながいれば幸せだから妹は要らないよって意味だったの。」
🥞「…要するにそれが大きなお世話って言うのっ!みんな分かってくれない!」
🎈「分かろうとしてるよ?彰人の気持ち分かりたいって思ってるよ。」
🥞「また、腕が痛いッ…俺が小学生時みたい…また俺の事同じ目に合わせていいの?それでも俺の事愛してるって言える?」
🎈「…」
🥞「何も言えないね。でもいいよ。もう、死んでやるから。」
愛菜「ダメ!パパ死んじゃやだよ!」
🥞「愛菜も…どうせ俺の事なんて嫌いでしょ?いつも愛菜のお世話は類兄達ばっかりで俺は愛菜になんにもいいことさせてあげられなかったし。」
愛菜「そんなことないよ!パパも私の事沢山育ててくれたよ!」
🥞「…産むだけ産んで幸せにしてあげられなかったね。ごめんね。」
愛菜「十分私は幸せだよっ!」
🥞「そっか、愛菜は俺と違って優しい子に育ったんだな。俺みたいに甘えたがりな子かなって思ってたけど。ちゃんとした子に生まれてきてくれて良かった。」
愛菜「終わりみたいに言わないで!まだ私達はこれからだよ?」
🎈「そうだよ。僕たちはまだまだだよ。」
🥞「まだ、?」
愛菜「うん。まだまだ。」
🥞「俺、死んだら悲しい?」
愛菜「うん。悲しいに決まってる。パパがいないと私嫌だよ。」
🥞「…傷だらけでも好きでいてくれる?」
🎈「ずっとずっと彰人がどんな姿でも好きだよ。」
🥞「…」
🎈「彰人?」
🥞「…、今は…ほっといて。1人になりたい。」
🎈「うん。分かった。落ち着くまで待ってるよ。」
🥞「…うん。」
ガチャ…
🌟「遅かったな。もう先に食べてるぞ。」
愛菜「うん。パパ…今回やばいかもね。」
🎈「あれは…もう彰人も限界を超えてるかもしれないね。」
☕「何があったんですか?」
🎈「あぁ、…また彰人が…愛されたいって。納得は少しして貰えたけどいつまた子供を作ってくるか分からない。」
🌟「…それは結構やばくないか?」
愛菜「パパ…」
☕「愛菜。そんなに落ち込むな。彰人の事だからまた前みたいに甘えてきてくれるに違いない。」
愛菜「そうだといいけど…腕…また傷つけてて…」
🌟「いつ、どうなるかなんて俺達には分からないし今はただ待つことだな。」
愛菜「うん…」
一方彰人は…
なんで、いつも自分の意見をみんな分かってくれないんだろう。
俺が普通の人じゃないから?
愛菜までなんで分かってくれないの。俺の子供なんだから俺のことも分かってくれていいじゃん。
目には涙が溢れていた。
手からも血が溢れていた。
本当は嫌いなんじゃないか、本当は兄弟じゃないんじゃないか。
愛菜は類兄達に似てるし。
消えて俺なんて元々いなかったことに出来たらどれだけ楽なんだろうって死ぬほど考えた。
いつになったら俺は報われるんだろう。
そんな俺からは涙しか出てくるものはないし呼吸が浅くなるし手が痛いし心も痛い。
もう嫌だ。
死にたい。
消えたい。
正直この手は使いたくなかった。
けどもう限界。
頭を1回空っぽにしなきゃ。
俺が選んだのは
薬に頼ることだった。
END
明るい話にしようと思ったけどもう少し彰人には苦しんでもらいます🥲
ごめんね彰人〜
愛菜ちゃんはしっかりした子に育ちました!
でも彰人は一向に甘えん坊です🥺
続きもぜひ呼んでくださいね〜!
おったに!
コメント
3件
上手すぎて上手すぎます…(?) 今回の話は本当に大好きです…!🫶🥲😇
前回のがENDだと思ったけど続きがあった…!!! 彰人がどんどん闇深くなってる… 最初は平和なストーリーだと思ったけどこういうストーリーも見どころありすぎてすき!w
好き…🥰🥰🥰🥰🥰🥰🥰🥰 たにさんの書く闇彰人を初めて見たのは耳が聞こえないやつからなんですけど、そこからずっとたにさんの闇系ストーリー大好き…😍 たにさんのストーリー全部一気読みしたの懐かしいなぁ~😚