今日は雑誌の撮影だけだったから、帰ることにする
それでも、辺りは薄暗くなっていた
雨が降りそうな厚い雲に覆われていた
それのせいで余計暗い
今日は絶好の仕事日和だ
これなら溜まっていた依頼を消化できる
人の多い道から1人もいない、車も通れない狭い道を歩く
しばらく歩くと、ある屋敷が見えてきた
“いかにも”な屋敷で、近づくような人はいない
だから、ここを拠点にしているのだろう
大きな屋敷の門を開ける
俺が来たことはもう分かっただろう
この門には監視カメラが仕掛けてある
俺らは政府非公認組織だから、警察に見つかりでもしたらたまったもんじゃない
組織の人間以外の人間__俺らにとっては不審者__を入らせないようにするために監視カメラが仕掛けてある
門から扉までは少し道がある
走ればすぐだが、急に扉を開けられるよりはマシだろう
俺は扉までのんびりと歩く
門から扉までの間の道の左右には庭が広がっている
雑草が伸びきった庭が広がっている
整備しちゃえばいいのにな、と思うけど俺らもそんなに暇じゃない
扉を開けると、2人の人がいた
今日はこの2人が番人らしい
「お疲れ様」
にっこりと笑って声をかける
「翠玉様の方がお疲れでしょう?」
とにっこり返される
ちなみに、番人というのは、万が一突撃された時に突撃したやつの相手をする役だ
今回の番人は男女1人ずつの2人だった
さっき俺に答えたのは男の方
2人とも俺の後輩だけど、男の方は有難く、俺を尊敬してくれている
俺はこの組織ではもう大御所みたいな存在で、俺と仕事をしたいと言ってくれる人が多い
翠玉(すいぎょく)は、俺のコードネーム
みんな、コードネームで呼びあっている
本名はみんな知らない
すると、何やら奥が騒がしくなる
「……来たか」
これから仕事だから、ウォーミングアップになるか
「威風、神楽、よろしくな」
「はい」
「翠玉様とできるなんて、チョー嬉しいっす!!」
俺が扉の方に体を向けた途端、扉が開いた
「翠玉様!!!」
番人の2人とは違い、武装をしていなかったので俺に真正面から突っ込んで来たやつに一発、蹴りを入れる
俺は長年鍛えてきたから、一般人とは比にならないぐらい威力がある
頭をぶつけて意識を飛ばしたやつから銃と短剣を借りて俺を守るようにしてくれていた威風と神楽の前に出る
「ありがと」
感謝を短く述べ、突撃してくる奴らを撃ったり斬ったりする
気づけば、俺と神楽と威風しか立っておらず、突撃してきたやつはほとんどが倒れていた
数人中に入ったやつがいるようだが、向こうで処理されたようだ
銃と短剣を床に落とし、倒れているやつの息を確認する
ほとんどが死んでいた
数人、運悪く息が残っていたが、放置しておけば勝手に死ぬ
「翠玉様…っ……さすがっす…っ」
息が切れている威風に尊敬される
「翠玉様、傷が」
神楽に指摘され、二の腕に傷がついていて血が流れているのに気がついた
「チッ……」
軽く舌打ちをする
これじゃあなんて説明すればいいか……
傷つけたやつ誰だよ
今すぐそいつを殺したい気持ちに駆られるが多分もう死んでいる
「後処理は……」
「飛翔と怜悧がやるらしいです」
「分かった」
そう言って、奥に進んでいく
ある部屋を目指して歩く廊下にも人が倒れている
「あ、琥珀」
「さっきのやつら、お前がほとんどやったんだろ?」
琥珀とは、俺とほぼ同じ時期にこの組織に入ったやつ
一緒に仕事することが多くて、唯一、心を許せる相手でもある
まぁ、本名は知らないんだけど
向こうも俺のことを何かと気にかけてくれる
「そうだよ?琥珀だって、ここら辺担当してたんでしょ?」
「俺、ここの奴らほとんど捌いたんだぜ」
ドヤ顔を向けられる
「じゃあ、俺これから仕事の確認だから」
「おう、頑張ってこいよ」
「うん。ありがとう」
琥珀とグータッチをし、部屋に向かう
『はいオッケー!』
「ねぇ、俺まだ出ないの?」
だてさんが乗り込んで来た
「これも作者なりの気遣いでしょ」
だってさぁ
だてさんこのシリーズで異様に出演回数多いんだもん
照、翔太、ふっか、佐久間、俺が2回
めめ、康二、ラウールが1回
そしてだてさんが5回
……作者は俺推しなのにね
いっつもルーレットで決めてるらしいんだけどルーレットに好かれすぎだろ
俺だってもっと出たい
「「「俺らは1回なんだから/やから、わがまま言うな」」」
怒られました
コメント
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なんか、あざとい担当の阿部ちゃんがかっけぇ、、