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第57話『秘策』
夜明け前。
龍哭谷。
虹国軍三万は完全包囲されていた。
南には蒼厳軍十五万。
北には黄雷軍。
そして黒牙軍。
誰が見ても絶望だった。
なおきりは焚き火の前で地図を見ていた。
「明日が正念場やな。」
じゃぱぱも頷く。
「生き残れる気がせぇへん。」
珍しく弱音だった。
しかし。
その時。
遠くから馬の足音が響く。
ドドドドドドド!!
見張りの兵が叫ぶ。
「敵襲!?」
虹国軍全体に緊張が走る。
だが。
次の瞬間。
兵士が驚きの声を上げた。
「違う!!」
「援軍です!!」
全員が振り向く。
谷の東側。
大量の旗が現れた。
黒い秦の旗。
なおきりが目を見開く。
「秦軍…?」
やがて先頭に二人の将軍が姿を見せる。
一人は冷静な眼差しを持つ名将。
王翦。
そしてもう一人。
不敵な笑みを浮かべる男。
桓騎。
虹国軍が騒然となる。
「なぜ秦軍が!?」
「王翦将軍だ!」
「桓騎将軍まで!」
じゃぱぱも驚く。
「なんでおるんや!?」
その時。
後方から一通の書状が届けられる。
差出人。
光金王。
なおきりは急いで開く。
そこには短く書かれていた。
『念のため、合従軍戦後に密かに秦へ使者を送っていた。』
『虹国は秦を救った。』
『今度は秦が応える番だ。』
なおきりは目を見開く。
光金王は最初から動いていた。
もしもの時のために。
その頃。
王翦軍本陣。
王翦は龍哭谷を見つめる。
「見事に包囲されているな。」
副将が頷く。
「蒼厳は優秀です。」
王翦は小さく笑う。
「だからこそ面白い。」
一方。
桓騎は崖の上から黒龍軍を眺めていた。
「へぇ。」
「こいつら結構強そうじゃねぇか。」
部下たちが笑う。
「久々に派手にやれそうですね。」
桓騎の笑みが深くなる。
「皆殺しだ。」
こうして。
秦軍十四万が到着。
龍哭谷の虹国軍三万。
秦軍十四万。
総兵力。
十七万。
絶望だった戦場に。
希望が戻る。
しかし。
黒龍軍本陣でも動揺はなかった。
蒼厳は報告を聞く。
「秦軍十四万接近。」
副官が焦る。
「計十七万になります!」
しかし。
蒼厳は静かだった。
「問題ない。」
その言葉に黄雷が笑う。
「ようやく面白くなった。」
黒牙も斧を担ぐ。
「退屈しなくて済むな。」
蒼厳は遠くの秦軍を見る。
そして初めて。
わずかに目を細めた。
「王翦。」
「秦最高の将軍か。」
黒龍国最強。
蒼厳。
秦最強の知将。
王翦。
そして。
狂気の将軍。
桓騎。
龍哭谷決戦は。
ついに中華最高峰の将たちを巻き込み始めた…。
#リゼロ
すず
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コメント
1件
うわっ、まさか秦軍が来るとは…!😳 絶望しかなかった場面に王翦と桓騎が現れた瞬間、心臓跳ねたよ。光金王、最初から伏線張ってたんだね。ずるいけどカッコよすぎる。蒼厳が「問題ない」って余裕なのも逆に怖いし、次どうなるんだろ…もう続きが気になって仕方ない!🍙さんの展開、毎回読んでてゾクゾクする🥀