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『言葉で紡ぐ恋のライム』
〜マイクで紡ぐ恋の予感?〜
番外編15『ライバルは幼馴染?』後編
桐生家 パーティー
『大きなホールだね〜。人がいっぱいだよ…。あれ?まりぃちゃんは?』
『お嬢様ならあちらに。』
私は舞台の方を指さす。
『ピアノ弾けるの!?』
『えぇ。お嬢様は多才な方ですから。』
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『……。』
私はピアノを奏でる。
『あれが姫神家のご息女、麻里衣さんよね?』
『まだ20歳なのに探偵をやってるそうなのよ、ご両親の跡をいずれは継ぐみたい。』
『凄いわね、流石姫神家のご令嬢…。』
私はお辞儀をして席から離れる。
『ふぅ…。』
『お疲れ様、お姉ちゃん。はい、飲み物。』
『ありがとう。』
『褒められてましたね、麻里衣さん。』
『寂雷さん…あの人達はただ上辺だけしか見てないんです。お金や地位に興味のある人達なんですよ。私達一人一人のことなんて見てもないんです。』
『麻里衣さん…。』
『きっと、桐生も同じです。私が今日ここに呼ばれたのは恐らく……。』
『ねぇ見て、あれが桐生家の跡取り息子らしいわよ。』
『そうなの?威厳を全然感じられない…。 』
『長男だって言うけど麻里衣さんとは雲泥の差ね。学力も武芸も麻里衣さんの方が上だし…。』
『桐生家の当主が可哀想ね。くすくすっ。』
『何あれ、酷い…』
『桐生の見せしめの為に私が呼ばれたのよ。桐生は父親には逆らえないから…。』
『桐生宗山様。桐生家の当主であり奏様のお父様です。』
『…あ、麻里衣!来てくれてありがとな。』
桐生が笑顔を向けて私の方に駆けてくる。
『桐生、好き勝手言われて悔しくないの?』
『いや〜事実を言われるだけだし、昔から言い慣れてるから慣れたな。』
『はぁ、呆れた。言い返さないなんて。』
と、その時――。
『久しぶりだね、麻里衣さん。』
『…!親父…。』
『初めて会ったのは幼い時のパーティーだったかな。大きくなったね。』
『お久しぶりです、宗山様。ありがとうございます。』
『うちの愚息が世話になったね。』
『いえ、そんなことは…… 』
『奏は君に迷惑をかけてないかな?昨日も突然家に行ったみたいで驚かせただろう。桐生家跡取りに相応しい行動をしろと言い聞かせてきたはずなんだけどね…。奏。ちょっと来なさい。』
奏のお父様は桐生を腕を引っ張りどこかへ連れていく。
『お姉ちゃん、いいの?』
『ん?』
『桐生…連れてかれちゃったけど。』
『……。』
私は黙って席を外す。
『お姉ちゃん…。』
(桐生の父親は息子のことを大切に思ってない。ただの道具だと思ってる。桐生は桐生なりに頑張ってるのに。)
『ねぇ、聞いた?奏さんの話。』
『えぇ、学生時代の話でしょう?麻里衣さんとよく争ってたみたいだけど、1度も勝てたことないんですって。 』
ご令嬢達がなにやら噂話をしている。
『あの財閥の桐生家が姫神家に劣るなんて
宗山様も残念がってるわよね。』
『ホントよ、麻里衣さんの足元にも及ばないなんて。あははっ。』
『…ご令嬢方。』
『ま、麻里衣さん…!』
『な、何か…』
ぷち
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『ふふ、いいえ。なにやら楽しそうな話が聞こえたもので。私も混ぜてくれますか?』
『え、っと…』
『…失礼ですが、桐生を悪く言っていいのは対等の立場である私だけです。他人の貴方方にどうこう言われる筋合いはありません。それに……人の悪口を言うとせっかくのその美しいお見目が台無しですよ。』
『っ、はい…申し訳ございません…。』
それだけ言い残し、私は去る。
『……麻里衣――。』
パーティーも終盤に近づき、お開きになろうとしていた時だった。
『みなさま、パーティーの最後を飾るのは、私の息子のスピーチです。』
『……。』
俺は舞台に立つ。
『ぁ……っ。』
(声が、声が出ない…。)
『ヒソヒソ、どうしたのかしら。』
『やっぱりダメね、宗山様もお気の毒だわ。あんな無能な息子を持つなんて。』
『……。』
『なんですかこの人達、人の事を悪く言って…』
『お姉ちゃん、どうす――って、あれ、いない!?』
『…!百合菜、舞台見てみろよ。』
『え?』
私はピアノを弾く。
ダァンッ!!
『っ!?』
『ま、麻里衣……?』
『雑音なんて気にしなくていいわ。桐生。
あなたのいい所は真っ直ぐで自分の意思を貫くところ。いつもの威勢はどうしたの?』
『麻里衣…』
『音楽は私に任せて、貴方は自分の言いたいことを言えばいい。』
『俺の……。』
俺は予め用意された原稿を破る。
ビリッ!
『か、奏…!』
俺はマイクを取る。
『俺は…学力も武芸も、何一つ、優れてない。麻里衣に劣るのも事実だ。だけど、それでも俺は、いつか超えてみせる。親父に認められるように、今以上に努力してみせる。だから…。』
俺は親父に向き直る。
『俺のことを見てて欲しい。必ず桐生家を継ぐ。それが今の俺の夢だ。』
パチパチ……。
パーティ終わり
『いや〜助かったわ、麻里衣。』
『私こそごめんなさいね、邪魔しちゃって。』
『何言ってんだよ、お前のおかげだ。これからも俺は桐生家の跡取りして頑張るよ。いつかお前も超えてみせる。』
『クスッ。ええ、楽しみにしてるわ。』
『Σ(°꒫°*=͟͟͞)➳♡ズキュン』
(くっそ、可愛いな……。)
『あの、麻里衣……。』
『?』
『俺、実は――。』
『はいはーい。失礼しますよ。』
私と桐生の間にみんながやってくる。
『っ、お前ら…。』
『邪魔してしまいましたね。』
『悪く思ってねぇだろ!』
『邪魔した?って何を?』
『く…この鈍感野郎!』
『なっ!』
『今に見てろよ!いつかお前のこと振り向かせてやるからなー!!』
桐生は叫んでどこかへ走っていく。
『な、何よいきなり…。』
『お姉ちゃん…頭はいいのになんでそんなに鈍感なの…』
『お嬢様らしいですけどね……。』
『まりぃちゃんは気付いてないみたいだし、自覚させたら意識しちゃうから黙ってよっか。 』
『えぇ、そうですね乱数。』
『悪い大人がいる……』
『見んな、千年、千代、千和。』
めでたしめでたし……
コメント
1件
読んだよ〜〜!!😭💕✨ 今回の番外編、まりぃちゃんのカッコよさが爆発してたね…!! パーティー会場でピアノをバーン!って鳴らして桐生を助けるシーン、マジで痺れたよ…「雑音なんて気にしなくていい」とか言っちゃうの? かっこよすぎでしょ!!🔥 あと「桐生を悪く言っていいのは対等の立場である私だけ」って台詞、もうね…まりぃちゃんの桐生への信頼とか距離感が一発で伝わってきてエモすぎた😭💖 最後の桐生の「今に見てろよ!」も、なんだかんだちゃんと頑張ってる桐生らしくてほっこりしたよ〜♪ 鈍感なまりぃちゃんと、それでもまっすぐ想いをぶつける桐生、最高の幼馴染カップルだね…! ぷちさん、素敵な番外編ありがとうございました🌸🎀