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建物と建物の間にいる俺達の足元には、人が転がっていた。

「じゃあ捨ててくるわ」

俺はみんなに見送られながら適当な所へと転移した。

転がっていた人を捨ててきた後、すぐに戻ってきた。

「おかえりなさい。それにしても多いね…」

「そうだな。以前からこういうことは多かったが、この国は無法地帯だな…兵士だけだが」


説明しようっ!

聖奈とミランに言い寄ってきた兵士をボコったのだ!

以上っ!


「自身の力ではなく、背景を脅しの材料にしなければ女性に言い寄れないとは……情けない人達です」

「そうだよね!決まってこの人達の言うセリフは『逆らったらお前の家族がどうなるかわかるな?』だもんね〜私からしたら、日本に転移して家族をどうにかしてきて欲しいくらいだよ」

無理難題とはこのことか……

俺やライルがいても関係ないからな。

草食系男子ばかりの日本に生まれていたら、さぞ女性を取っ替え引っ替えしていたんだろうな。

ん?やっぱり転移して殺してこようかな?

「所で、何処に捨ててきたの?」

「荒野のど真ん中だ」

流石に自国にも他国にも捨てに行くことはしなかった。

あんな奴らがいても迷惑なだけだしな。

「優しいね。どうせなら山脈の頂上にでも捨ててくれば良かったのに。

あ。もちろん北東部と南東部のほうね」

「そんな場所に捨てたらすぐに死んでしまうだろ?

まぁ荒野も夜になると魔物が沢山出るらしいから、昼の間にどれだけ動けるかに、生存の望みは掛かっているだろうがな」

この国の4割は荒野だ。

そしてその荒野には、夜になると活発に動く種類の魔物が多く生息していると聞いた。

馬や牛などの魔物が一番多く、次はそれを餌にする大型の肉食獣の魔物が多いと聞いている。

魔物でなければまんまサバンナの生態だ。

何体か牛系の魔物を倒したが、中々強かったな。

討伐には武器を持った村人であれば怪我を覚悟の上で10人は必要だろう。

強さはそこそこだったが、近づかなければ向こうから態々やってくることはなかった。

その辺がこれまでに遭った魔物との違いだな。

聖奈曰く、自分達が食物連鎖の下位にいることを自覚しているから、進化の中で攻撃的じゃなくなったんじゃない?とのこと。

まぁ調べる気もないから謎のままでいいや。

「それよりも、この街だけですでに3人目だぞ?」

「聖奈とミランは汚職兵士ホイホイだな…」

ライルがうんざりしたように告げて、俺はこの方法でバーランド王国でも汚職兵士を検挙できないか少し考えて、すぐに諦めた。

聖奈ことを一般兵は見たことがなくても、王妃が国では珍しい黒髪だとか身長だとかの情報は得ているだろう。

ミランは…実際されたら普通にムカつくからダメだっ!

嫁はいいのかって?

聖奈に勝てる兵士がいると思っているのかっ!

物理的にも、口でもだっ!

「セイくん。何か失礼なこと考えているでしょ?」

「そ、そんなこと、あるわけないだろ?なっ?」

何故心が読めるんだ…新しい魔法か?

「セイさん…私はゴキブリ◯イ◯イではありません…」

「ミラン!当たり前だろ!?ミランに悪さする奴はゴキブリ以下だっ!!」

ミランは異世界では平気だった虫が、地球に長く居るようになってから苦手になってきていた。

特にGのことは親の仇のように……

もう一人もなんか言っているが無視しよう。

いつも通りだ。






「ナンパ兵士をどうにか活用出来ないかなぁ…」

ここはコンテナハウスだ。

エリーの一件があってからは、なるべくみんなで寝るようにしている。

ライルは…リア充だから……

夜になりコンテナハウスに転移で戻ってきて、食事と入浴を済ませ、今はベッドの上だ。

隣のベッドから聖奈が怖いことを呟いていた。

「やめとけ。奴等も不相応な権力を手にして狂ってしまっただけの、憐れな国の人形だ。

連邦でもまともな兵士も沢山いるだろうから、クズはクズだけどな」

「セイくんって偶に国王様になるよね?実はなりたかったとか?」

俺が為政者のような台詞を言ったからか、聖奈がニヤニヤしながら揶揄ってきた。

「俺はどこかの魔王様に誑かされただけの、憐れな操り人形だよ」

「そんなヤバい人がいるんだねっ!」

アンタのことや……

「冗談はおいといて、ホントに勿体無くない?」

「なんだ?ウチは人手が足りないのか?」

内政に全く関与していないからわからん。

「国なんて人手はいつも足りないよ。今度新しい事業に人手を割くから、ナンパ兵士でも出来る仕事をしてくれたら助かるんだよね」

「…わかった。最終的に人道的で外交上の問題もないのなら任せるよ」

途中経過はしらん。終わり良ければだ。

兵士の未来が地獄ではないことを祈っておこう。

祈る対象は魔王だがなっ!






「じゃあ今日から予定が増えるけどよろしくねっ!」

ここはイステーファル連邦の荒野。

今日から兵士を捕まえて移送する作業が加わったので、その仕事を聖奈が改めて伝える。

「あんな雑魚を集めて何になるんだ?」

「ライルくん。商会を大きくする為に私たちがしたことを覚えてる?」

「孤児を集めたな」

「そうだよ。子供でも活躍の場を上手く与えれば、すぐに戦力になるの。

あの兵士達は理性さえ上から押さえつければ、忠実なしもべへとすぐに変わるよ。

モノは使い用だから頑張って学んでね?商会長さん?」

ライル…頼む…毒されないでくれ……

「恐らくだけど、他の街からも軍隊が移動してきているはずだから、少数の部隊を狙うよ」

大軍隊はそこに常駐しているわけではない。

散らばっている軍を核となる街に集め、それから荒野を行軍しているのだろう。

今回は招集場所に集まる前の小規模な部隊が標的だ。

「大群だとセイでも殺すしかできないからか」

「そう。でも二人なら余程の強者でもいない限り、10人くらいなら制圧できるでしょ?」

「街にいた雑魚兵士ぐらいなら100人いても問題ねーよ」

人を殺戮兵器呼ばわりしないでくれませんか?

それとライル。あんなのでも100人いたら面倒だぞ?

殺すのは簡単だが、大怪我もさせられないからな。






「いました。こちらに向かってきます」

俺達は村に毛が生えた程度の、とある集落の近くにいる。

ここで張っているのは近くの街で軍を招集していたからだ。

「何人くらいだ?」

「15人程度です」

俺の問い掛けにミランが答える。

「前哨戦には丁度いい数だな。じゃあ予定通り俺とライル以外は隠れていてくれ。ライル。行くぞっ!」

「おうよ!」「「はい」」「気をつけてねー」

聖奈の間伸びした応援に転びそうになったが、気を取り直して部隊へと向かった。







「結構集まったな」

ここはバーランド王国の軍事演習場。

10万規模の演習が行えるこの場所を、バーランド兵5万が取り囲んでいる。

そしてその中心部には沢山のテントが張られていて、そこに非武装のイステーファル兵が生活していた。

・・・あれから1週間が経っていた。

「うん。延べ2,500人だよ」

「そうして聞くとかなりの数に聞こえるが…」

「軍全体からみても大した数じゃないね。国の総人口からしたらさらに微々たるモノだから、気付いても気にしないだろうし」

…憐れ連邦兵。

地球でもどこかの大国さんがそんな対応をしているし、人命の価値なんてそんなものか。

「それでコイツらをどうするんだ?」

「普通に暮らしてもらうよ。働きながらだけどね」

???

「王国軍で少しでも生活すれば、ここの生活の方が連邦むこうより良く思えるのはわかるよね?」

「そりゃあな。街は活気があるし、聖奈の政策のおかげ(せい)でお洒落な建物や服も多く、食べ物も色々あるからな」

「そう。まずは元の国よりこっちが良いって思わせるの。そして軍の教育により私達に忠誠が向くから、裏切る理由はなくなる」

それで完全な国民にするのか……

どこかのカルト教団かな?

「連れ去る前に妻帯者や子持ちは除外したから、その辺で裏切ることもないし、完璧だねっ!」

「洗脳っぽくてあれだけど、俺たちの価値観ではこっちの生活の方が幸せだからな」

「ぽい?洗脳だよ?」

犯罪の片棒を担がされてしまった……


今更か。

〜ぼっちの月の神様の使徒〜

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