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神主


視界がゆっくりと歪む。何もかもがスローで見え、一つ一つが鮮明に見える。

なにがあった?

それを私が理解するのに数秒かかった。私の体がアスファルトに叩きつけられ突き刺す様な痛みを感じた瞬間、私が車に跳ねられた事を理解した。

だんだんと力が抜け、視界が暗くなってゆく。

……もう死ぬな。

そう思い、私は目を閉じた。

……でも、もう少しだけ、もう少しだけ、生きたかったな。









ーじゃあ、生きてみる?

















な……なんて?

そう私は思い、目を開いた。

だが、そこは先程のアスファルトの地面ではなく触り心地の良い布団だった。

病院?いや、そうじゃなさそうだ。

誰かの家。それも男の子の部屋。

私の部屋でも、友達の部屋でもない。

その時、扉が開き、赤髪の青年が顔を覗かせた。

「お早う、○○」

○○。私の名前を彼は知っている。けれど、私は彼の名前を知らない。

「……誰?」

「……俺はブラッドだ、宜しく!」

そう言って、彼は微笑む。

「……宜しく」

「ああ。んじゃ、飯の用意してくるから待っててくれ」

彼はそう言い、部屋から出ていった。私はベッドから出ると、どこも骨折していない事に気づいた。これは、何かの走馬灯?もしくはあの世だろうか?

ーそんなわけないじゃん。

また、さっきの声。幻聴だろう。それにしては語りかけてくる様な声だ。

ー幻聴じゃないよ、○○。

……どうやら知能はあるらしい。

ー酷い!

……感情も。

ーまぁ、それはともかくさ……僕が誰だか分かる?

分かるわけがない。

ーだよねぇ……。

説明早よ。

ーそう急かさないでよ。……さっき、君は死んだ。

知ってる。

ーんで、「生きたい」って言ったよね!

言ったと言うより思った。

ー細かいなぁ……まぁ、その願いを僕が叶えてあげたんだよ!

願いを叶えた?どうやって?

ー僕は神様だからね!君に興味持ったから叶えてあげたんだよ!

随分と身勝手な神様。

ー五月蝿い!いいでしょ!?君は今生きてるし!

あー……はいはい、そうだね。今生きてるって……転生したって事?誰に?

ーあの世界とは違う……別世界の君に、だよ!

別世界?

ーパワレルワールドって知ってる?

ああ、この世界は分岐点があって、もしこの選択を辿ればこんな世界に……とかいうアレ?

ーそうそれ!

へー……流石神様なだけありますね。

ーでしょでしょ!?

……とりあえず、貴方の名前は?

ー``イザナギ´´だよ。

イザナギ?

ーうん。所でこの世界、君は暗殺者みたいだね。君に危険とかが迫ってたら伝えるからよろしく~。

……分かった。


「○○ちゃん?」

ブラッドではない金髪に青い瞳の女性……。

ーライト、だよ。光って書くらしい。

いる情報といらない情報を有り難う。

「○○ちゃん?」

「あ、はい!」

「……じゃあ、皆呼んでるから行こうか」

「……はい」

私はライトと一緒に部屋から出て、階段を下りた……。

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コメント

2

ユーザー

全キャラクターの性格がすごく好きです!頑張って下さい╰⁠(⁠⸝⁠⸝⁠⸝⁠´⁠꒳⁠`⁠⸝⁠⸝⁠⸝⁠)⁠╯

ユーザー

ライトちゃん名前……尾刀光……??

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