目黒に吐き捨てる様にそう言われ…渡辺の身体が強張った
確かにそれは全部、今まで自分が言って来た言葉で…
「悪い、そうだよな…」
勝手に拒絶された気になって、のろのろとズボンと下着を脱いで尻を向ける…
こうしていれば目黒が入れてくれて、後腐れなく楽しめるはずだ…
「………」
胸が苦しい…
自分の言い出した事とはいえ、こんな風に後悔する日が来るなんて…
『自業自得だな…』
諦めた様な気になって、じっと静かにその時を持った
「………」
しかし、いくら待っても目黒が来ない…
四つん這いのまま待っているのも滑稽だと気が付いて
「今日は、もうやめる?」
渡辺が俯いて呟くと…目黒がギュッと抱きしめて来た
「ごめん!そんなつもりじゃ無かったのに…」
「俺は大丈夫だから。目黒の気分が乗らないなら…今日はもう…」
脱いだ服に手を掛けた渡辺を、目黒が慌てて引き止める
このまま終わってしまったら、次はもう無いかも知れない…
「翔太君、待って!俺の話を、ちゃんと聞いて…」
焦る目黒は渡辺を引き戻し…
全てちゃんと話そうと、目を見つめた
◇◆◇◆
「俺、ずっと前から翔太君の事が好きだったんだ…。だから初めて誘われた、あの日も…翔太君に触れたいってすぐにOKした。それなのに…この前、楽屋に忘れ物取りに戻った時…。偶然、翔太君と康二のキスシーンを目撃しちゃって」
「えっ!あの時、居たの?」
誰にも見られていないだろうと油断していただけに、動揺が激しい…
「それで、ラウールとどうしたら康二に対抗出来るかって作戦考えて…。しばらく引いてみる事に決めたんだ」
目黒の告白に、思い当たる節がある
突然、目黒から誘われなくなって…
俺からいくら誘っても【仕事が忙しい】と断られ続けた
「その間に、2人がどんどん仲良くなって…俺、それ見て焦っちゃって…。今日やっと誘えたのに、嫉妬に駆られて翔太君に酷い事を…」
「嫉妬?」
目黒から、嫉妬される様な心当たりが全く無い…
「それ…」
指を刺され、それを辿ると
「これ?」
それは向井が昨日付けた、キスマークだった…
「翔太君、俺には駄目って言ったのに…。康二に痕付けられても、笑って許しちゃってるし…」
そう言った目黒は…子供の様に口を尖らせ、不満そうな顔をする
「……全く…」
呆れた様な渡辺の顔に、関係の解消を言い渡されるのかと覚悟を決める
後腐れない関係を望む渡辺にとって、俺の気持ちは重過ぎるだろう…
「自分だけ傷ついたみたいな言い方して…。俺だって、お前に誘われなくなった時…もう飽きられたのかなって悩んだり…。さっきキスを拒まれた時も、俺はもう適当な遊び相手に変わったんだって思って辛かったんだぞ…」
突然の告白に、今度は目黒が驚く番だった
「翔太君、それって…俺の事、好きになってくれたって思って良いんだよね?」
「えっ、そうなのか?…ただ寂しかっただけだとか…」
「俺に誘われなくて、辛かったんでしょ?もっと一緒に居たいって、思ってくれたって事でしょ?」
自分の気持ちが恋なのか決めかねている渡辺に、チャンスは今しかないと…
勢いに任せて、説き伏せて畳みかける…
「そう、なのか?」
「そうなんだよ!そっかぁ〜俺達、両思いだったんだね…///」
嬉しそうに微笑んで、抱き締められる…こうして、俺達は恋人同士となり
目黒の必死の頼みにより、他の3人との関係を終わらせる事になった…
コメント
8件
天才👏
なんで🖤がよかったんだろう? 🧡も本気なのに。作戦勝ちなのかな?🤔
ぃやったぁぁぁ🖤🖤🖤 本当におめでとう😭 そしていつも素敵なお話をありがとうございます😊