テラーノベル
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「ようやく…レベルが上がった…」
勢いで、そう零してしまった。
いやいや、周りから見たら「それはあたりまえのことじゃね?」ってなるけど、俺にとっては初めての事だったんだ。
でも、たった1レベル上がっただけじゃ何もできない…
少なくとも、2~30レベルにはならないといけない…
そうこう考えて、ステータスを見てみたら、そこに書かれていた数字に驚愕した。
『LEVEL:1010010011101』
「ハァ?!」
俺のレベル、一兆を超えた。
マジで意味わからん。
さっき迄レベル0やったんぞ俺。
でも、面白いのは。全部1か0でステータスが構成されてるって事だ。
…てか滅茶苦茶疲れた…
…あれ?
『LEVEL:0』
戻ってる…どうやら、一時的に滅茶苦茶ステータスを上げる能力とかか?
まぁ、そんなことを考える前に、まずは飯をどうにかしなくては…
そう思ったら、目の前に「果物」が出てきた。
何かって?知らん。
林檎っぽくもあればサクランボっぽくもあるこの果物。
何より印象的なのは、黒と白だけっていう。
滅茶苦茶まずそう。
でも、腹減ってるし食べるしかない。
「仕方ないか…」
そう思って食べてみるも、予想通り無味乾燥…味のないオレンジ喰ってるみてぇ…
でも、滅茶苦茶腹に溜まる。死ぬほど溜まる。
何なら栄養もめっちゃ取れてる気がする。意味わからん。
ひとまず、何日かはこれで生きていけるでしょう。
取り合えず…冒険者ギルドにでも…あ、レベル0だから意味ないか…。
ん?やべ。滅茶苦茶泣きそう…。
何でこんな雑魚能力なんだ俺…。
「…!」
「…っと!」
「ちょっと!」
「おうぇうぇあい?!」
うわめっちゃ変な声出た。
「何で道端で突っ立ってるの?」
あんた誰やそもそも。
「お金ないし…スキルも弱いから…なんか…悩み事って言うか…」
「!?」
え?なんでそんなに驚くの?え?なんで?
「じゃ私の家に来ましょう!そうしましょう!」
「え?は?え?」
有無を言わせず連れてこられてしまった…
「めっちゃ豪華…」
「でしょ?私はね、この辺の有名なギルドの受付嬢だから結構収入もあるんだよねぇ…」
(…絶対振り回されてる人いるだろうな…)
「貴方のその無能スキルって何?」
「無能とは言ってないが…まぁ無能か。」
「レベルを0に固定する能力だ。」
「思ってた5倍無能だった。」
酷いなおい。
「じゃぁ、戦ったりもできない感じ?」
そうですねェ…
って、言えるわけないだろボケェ!
「あ、戦ったりは出来る訳ね。」
「じゃぁ、この辺に盗賊とか来たらお願いね。」
「は?」
いや?は?
え?は?
は?
「ちょっとまてぇぇぇ!!!」
悲痛な叫びだぁ…
数日後…
「盗賊きたから追い払って―!」
「できるかんなもん!!」
「えー。ここで暮らさせてあげてるんだから仕方ないでしょ」
それはそうだわ。
何も言い返せんわ。
「あ、そういえばお前のスキルって?」
「私のスキル?言ってなかったねw」
「『刹那』。一瞬を長くする能力だよ。」
「強い…のか?」
「さぁねー?」
「取り合えずやってきてよ!」
…はぁ…もういい。当たって砕けろだ。
「お?何だテメェは?」
「この俺達の足止めか何かか?そんなもん置いたところで無意味なんだよ!へっへっへw」
「ああ。そうだな…」
「俺は全てのステータスが0。」
「そういう雑魚スキルの人間だ。」
「でもな…ただの雑魚と疑うなよ?」
やって見たかったことがある。ようやく実践できる。
薄々できないかと思っていた。
多分。出来る。
『LEVEL:0』
その瞬間相手全員が弱くなるのが分かる。
ああ、レベル零。今じゃ最弱だな…
「レベル:1」
【ステータス】
LEVEL:100
「消し炭になら、出来る」
ドゴォォォン!!!
「終わったぞ。」
「見てたけど…え?無能スキルじゃ無くない?」
「何を言ってる。俺は確かに0に固定するって言ったぜ。」
「その対象が自分だけとは言ってない。」
「マジですか…」
正直、俺もびっくりだ。
そして、少し休もうと思った時…
ー「スキル『零』。MASTER『弐』」ー
え?
また来た。
所謂この能力には、何か別の名前を付けた方がいいのかもしれない。
付けるなら…
『進数』…悪くない。
コメント
1件
あの果物絶対ナニかを圧縮して出来てるだろ…サクランボのような林檎のようなものでそんなに腹に溜まる事無いし…