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先日のお誕生日、おめでとうございました🌹
BANG!!のMVも素敵でしたね〜😽😽😽
今回はこじだて。バースデー動画見てから個人的にだてこじ いわだてがアツかったので沢山書きたい。3月27日はさくらの日ということでそれに因んだちょっとした短編です。
「ごめん舘さん!待った?」
「待ってないよ、俺もさっき来たとこ。」
―嘘。俺は緊張しすぎて30分前にはここに着いていた。 けど、その嘘にぱっと笑う康二の笑顔は薄暗くてもよく見えて。
「良かったあ〜俺遅れちゃったかと思った!行こか!!」
「そうしよっか」
暗い道を二人で並んで歩く。
にしても、この季節は夕方になるとまだ寒さが残る。だから、手のひらにもう片方の手の指を絡ませていたら。
「まだちょっと、冷えるよな」
―そう言いながら柔く笑うのに見蕩れていたら。冷えた指先が、大きくてあたたかな手に包まれる。
…こいつのこういうところが俺は好きと同時に嫌いだ。…誰にでもやるだろうから。
「ほんま急でごめん!でも舘さんと行きたくてさ」
「…気にしないでよ。誘ってくれてありがとう」
…確かに、急だった。連絡が届いたのは昨日の夜。「急にごめん!明日空いてる?夜な!」なんていう文言が、22時過ぎに。空いてるって答えたら、指定されたのは今日の18時。道沿いの桜を夜に撮りたいらしくて、そのついでに夕飯を外で一緒に、とのことだった。…ちなみに、空いてるっていうのも嘘だったけど。
「いやー…やっぱライトアップとかなくても綺麗やなあ、夜桜。この辺で撮ってもいい?」
「分かった。一旦どっか捌けてるね」
写真のことはよく分からない。けど、まあ離れれば邪魔にはならないはずだ。そう思って歩みの向きを変えようとしたけど、きょとんとした康二の表情に動きを止める。
「ん?どうしたのこーじ」
「…んん?待って待って、だてを撮んねんで?」
「え、俺?」
「うん。だめかな?」
「い、いや、いいんだけど…俺でいいの?」
「うん。舘さんを撮りたかったから、舘さんを誘ったんやで」
勘違いしちゃってたからちょっとびっくりしたけど。康二に撮ってもらえるなら普通に…というかめちゃくちゃ嬉しかったから、快諾。
「おっけ!じゃあ…そうやなあ…」
周りを見渡しながらある一箇所に留まる。
「ここ!ここに舘さん立ってて!」
「わかった」
前後に桜の枝が広がるちょっとした空間。
「今の顔の角度キープね!何枚か撮るから、その都度目線と表情は変えてみよ!!」
そう言って、康二はフィルムカメラを取り出した。
*
「…いやあ、それにしても綺麗やなあ。だても桜も」
…たぶん写りとしてのことを言ったんだろうけど、顔が火照るのを感じた。
「なんだそれ。」
「いやほんまなんやって!」
「…うん、確かに。ありがと。」
でも、喉から出た声は想像以上に温もりを帯びていなくて。
「な、記念に二人で写真撮らん?今度は俺のスマホで!」
「いいよ、撮ろう撮ろう」
スマホを片手に持ち、康二は俺に寄りかかる。俺と肩を組んで、組んだ指先の形はピースサイン。…いやいやいや近い近い近い…!
「はーい!だてもピースね!はいチーズ!!」
…やべ、ぼーっとしてたかも。
急いで指を曲げる。…今どんな顔してるか分からないけど、写真は送ってもらおう。
「…よし、ちゃんと撮れた!どっちもあとで送っとくな、見といて!」
「ありがとう」
「じゃあ…行こか、ご飯!」
「そうだね。どこ行くの?」
「なんと!今回俺が予約してます!!」
「おっ。ごめん、ありがと」
「気にせんといてや!お寿司で大丈夫?」
「おぉ。いいね」
…つい、期待して。少し大袈裟に手を擦り合わせる。
「…あらら、まだ手ぇ冷たい?」
…ねえ、ごめん。俺また嘘吐くね
「まだちょっとね」
「そか」
直ぐに指を絡め取られる。
…俺、こうして欲しいからって嘘ついてるってバレたら…なんて言われるんだろ。引かれるかな。
「…っぱ、俺舘さん大好きやわ」
「…んふ。ありがと」
…悔しい。誰にでもこんなこと言ってんの??
優しくて穏やかな声が、今はこんなにも心に刺さる。
「ねえ、舘さん」
「なに?」
「俺ね、人とスキンシップとるの好きなのよ」
「確かにね」
「抱きついたり、取っ組み合いしたり、腕組んだりね。」
「…目黒とか、佐久間とかにでしょ?」
目黒とか、佐久間とか、あと照とか翔太とか。あの辺りと仲良くしてるのはよく見る。でも俺は違う。良くて触れられる程度、そこまでの仲。
だと思ってた。
「でも俺ね、アナタ相手だとね、そういうことは照れて緊張してあんまり出来ないの。気持ち悪がられるかなとか思っちゃう。」
「…ん?」
「舘さん。意味、分かってくれる?」
「…待って待って待って、え?」
「…引いた?」
「ち、違う、俺も―」
俺がもし意味を履き違えてたらどうすればいい???こんなにも好きなのに、声に出すのが怖くて。こうしている間も待ってくれる康二の顔を見れば頭ん中で答えは出てる筈なのに。
たった2文字のそれを直ぐに言えたら、どんなに楽だっただろう。まあどれだけたらればのことを考えても喉に詰まるだけだったけど。
「俺も?」
「…っ、俺、も…」
康二の、目を細めて笑う表情が視界に映る。
「…ふふーん、舘さんって意外とウブなんやね。」
「ウブ、っていうか…!」
…もうさ、ずっとニヤニヤするじゃん。自分のチェリーっぷりにもはや泣きそうになる。
「ねえ。さっきスキンシップがどうとか言っちゃったけどさぁ、ぎゅってしたい」
「…え?え??」
「気持ち悪がらん??」
「も、勿論」
「そんじゃ遠慮なく」
ただのじゃれ合いじゃなくて、まっすぐなハグ。…あったかい。
肩に顔を埋められてるから表情は汲み取れないけど、どんな顔してるんだろ、康二。散々余裕ぶってたけど、今は違うのかな?
「いいにおい」
「…そうかな」
「うん、落ち着く」
「―ね、舘さん、このまま話すな」
「…うん。」
「俺、絶対待つからさぁ。」
「さっきの、いつか絶対だての口からしっかり聞かせてな」
声こそ出なかったけど。
俺から両手を腰に回して抱きしめ返した。