今回の登場人物︰カミラ・ロールズ(K.L。主人公。ヴァンパイア聖魔学校3年)、レオン・フローレス(L.F。ヴァンパイア聖魔学校3年。カミラの相方)、アダム・ロールズ(A.L。ヴァンパイア聖魔学校3年。カミラの双子の弟)、ヴァニスタ・ストレンジ(V.S。ヴァンパイア聖魔学校3年。右手に火傷のあとがある)、ルカ・ボーンズ(R.B。カミラたちの担任)、グレース・マッケンジー(G.M。本を開けた時に出てきた吸血鬼。ルカの親友)
K.L「やっぱり心配だわ。探してくる」
カミラはヴァニスタを探しに行った。
A.L「あ!おい!」
アダムはカミラを追いかけようとしたが、止めても無駄だと思い、諦めた。
L.F「ヴァニスタ、戻ってくるかな?カミラも」
R.B「授業前には戻ってくると思いますよ。ですが、心配なので念の為行ってきますね」
ボーンズ教授はカミラとヴァニスタを追うように教室から出ていった。
K.L「ヴァニスター!」
カミラがヴァニスタの名を呼んでも、ヴァニスタらしき声も影も気配もしない。その時、
R.B「あらロールズさん、ここにいたのですね。ストレンジさんは見つかりましたか?」
カミラはボーンズ教授と再会し、ヴァニスタのことについて話していた。
K.L「いいえ、気配すらしません」
2人が困っている時、
V.S「あぁ、いたのか」
ヴァニスタがやってきた。先程よりは落ち着いているが、まだ元気がない。
K.L「ヴァニスタ、『ストレンジじゃない』ってどういうこと?」
カミラが聞くと、ヴァニスタは怒った表情で
V.S「文字通りだ!私はストレンジじゃない!私と私の家族は血が繋がっていなかったんだ!それを親は17年間ずっと隠していたんだ!」
と言った。そして、続けて
V.S「私は3人を家族だと思っていた!でも違った!私は騙されていたんだ!真実を知らなければ!ボーンズ教授の言う通りにしていればこんなことにはならなかったのかもしれない!でも、いつかは伝えられる!私が絶望を早めただけだ!」
と言った。ヴァニスタは少し魔力が増えた。そして続けて言った。
V.S「なぜこんな思いをしなければならない?何か悪いことでもしたか?そうなら教えてくれ!」
ヴァニスタの魔力はもっと増えた。その時、勢いで外へ出ていってしまった。
―教室―
カミラたちがなかなか帰ってこないことを不思議に思ったレオンとアダムは、昇降口へ向かうことにした。
L.F「カミラたちいるかな?」
A.L「ん〜…あ、おい。あれじゃないか?」
アダムが指をさしたのは、外にいるカミラたちだった。
L.F「何やってんだろ。行ってみよ!」
―校庭―
外に行くと、中央の辺りにヴァニスタが立っていた。
K.L「あら、来たのね」
A.L「当たり前だ。ヴァニスタは何してるんだ?」
R.B「実は、ーーー…ってことなんです」
A.L「マジかよ」
L.F「そうなの…可哀想」
4人が話をしている間に、ヴァニスタの魔力がどんどん増えていった。
R.B「魔力が増えていってますね…このままじゃ…」
ボーンズ教授は、このままでは生徒や教師が危ないと思ったが、どのように避難されるか考えているうちに、ヴァニスタの様子が変化した。ヴァニスタの体からオーラが放たれ、爪が伸び、翼が大きくなった。
A.L「ヴァ、ヴァニスタ…?おい、どうしちまったんだよ…」
L.F「ボーンズ教授、今のヴァニスタは、どういう状態なんですか…?」
レオンが恐る恐る聞いてみると、
R.B「あれは、魔力がキャパオーバーした姿、“限界突破”した姿ですね」
“限界突破”とは、魔力がキャパオーバーすることであり、その状態から元通りにするには一定の魔力量に減らさなければならない。その魔力量は10%~20%だが、その量は命が危ないと言われている量であるため、限界突破状態から元通りになったら、直ってからから1時間以内に50%の魔力量に戻さなければならない。
K.L「どうするのよ…今は生徒が沢山いるから被害が大きく出る可能性があるわ」
R.B「私に考えがあります。校長に話をしてきますので、皆さんでストレンジさんの相手をしてくれますか?」
L.F「俺たち3人でヴァニスタの相手!?無理ですよ!」
レオンがそう言うのも無理はない。今のヴァニスタは、自分達よりも圧倒的強い。そんな相手に挑んだところで負けるだけだからだ。
R.B「ご心配なく。グレース、3人のお手伝いをお願いします」
G.M「任せろ」
飛んできたのはグレースだった。現在グレースは、ボーンズ教授の相棒としてボーンズ教授のそばにおり、何かあったらサポートするようにしている。
K.L「グレース!いいタイミングね!」
G.M「だろう?ここからは真剣勝負だ。○んでもおかしくないぞ」
A.L「あぁ」
ボーンズ教授は校長へ話をしに行った。その間は、カミラ達がなるべく被害を出さないようにヴァニスタの相手をする。
V.S「明日月光に照らされないと思え!」
ヴァニスタはカミラ達に向けて攻撃をした。避けようとしたが、避けたら被害が広がると思い、避けずに防衛魔法で抑え、跳ね返した。
G.M「ヴァニスタ・ストレンジ…なんて力だ…おらっ!」
グレースは思いっきり魔法を跳ね返した。
V.S「ぐっ!」
跳ね返した魔法はヴァニスタに命中した。それにより、ヴァニスタは少しよろけた。でもすぐに体勢を立て直し、もう一度攻撃をしようとした。
『ドォン!』
L.F「うわっ!」
ヴァニスタの攻撃がレオンに命中してしまった。その衝撃で、レオンは体勢を崩し、木に当たってしまった。
K.L「レオン!」
V.S「他人に構っている暇などあるのか!」
K.L「くっ!」
ヴァニスタはカミラに向けて攻撃をしようとした。
R.B「無駄ですよ」
ボーンズ教授が間一髪でカミラを守った。
R.B「校長は、『生徒を皆帰らせる。教師陣は残ってもらうが、ストレンジ君と戦うのはルカ君とロールズ姉弟とフローレス君に任せる』と仰っておりました。生徒たちは裏口から出て家へ帰ってもらいます。生徒が全員学校から出たら、グレースの時と同じように学校全体に結界を張ります」
ボーンズ教授はそう言った。ヴァニスタはまだ攻撃をし続けている。夜が明ける前に、この戦いを終わらせなければならない。でなければ、ヴァニスタを含めたカミラたちは○んでしまう。
A.L「必ず元に戻す。覚悟しておけ!」
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