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友道side




別に、邪魔するつもりはなかったんだ…



僕は25年前、このY学園で幼馴染の『あっちゃん』と一緒に、映画部に所属していたんだ







あっちゃん『ねえ、これ見て!』




夕焼けの公園の中、ブランコに座ってる友道に向かって、あっちゃんが何かを見せる




友道『【ムゲン増殖ゾンビーズ】?』



あっちゃん『そう!キノコから菌が飛んで、人がゾンビになっちゃう映画!』



友道『それ、絶対面白いよ!』




友道はページを捲りながら感心する




あっちゃん『いつか一緒に、この映画を撮ろうよ!』



友道『うん!約束だよ!』




2人は、互いの拳を突き合わせた








映画部で、あっちゃんは監督に、僕は俳優になった



でも、役者に向いてない僕はずっと雑用係をやっていた



…だけど、卒業制作の映画撮影で、あっちゃんが……










あっちゃん『最後の映画、主演は友道でやらせてください!



僕は、アイツの映画を撮りたいんです!』




放課後に、校長先生らしき人に向かってそう言うあっちゃんを、



扉の隙間から覗き見ていた友道は唖然とした








友道「本当に僕でいいの?」




友道はあっちゃんに問いかける




あっちゃん「勿論だよ。あの夢を叶えよう!」



友道「…ありがとう。僕、頑張るよ!」








でも……



無限増殖ゾンビーズの撮影途中、僕は足を滑らせて…






死んでしまったんだ




友道「あっちゃんとの夢の映画が台無しに……」




友道は自分の過去を全て話し、目に涙を浮かべる




アゲハ「それが心残りで、色んな映画に映りこんでたんだ…」



コマ「未完成だった映画への想いが強すぎて、自ら増殖ゾンビなったんだね…」




アゲハとコマも眉を下げ、嗚咽を漏らしながら泣く友道を見つめる




マタロウ「しかも、主演俳優が次々と映画部を辞めることに…」



ジョージ「その事なんだが……」




アゲハとコマが顔を見合わせていると、ジョージが控えめに声をかけてくる




ジョージ「実はあの後、辞めた3人によくよく話を聞いてみたところ、



映画に謎のゾンビが出てきた事にビビッて逃げ出しただけだったんだ」




それを聞いて、アゲハは納得した声を上げる




アゲハ「そうか。友道君は。純粋に映画に出たかっただけだもんね」



マタロウ「呪いとかじゃなかったんだ…」




マタロウもホッとして目を瞑る




友道「でも、驚かせちゃって……悪かったね…」




友道は眉を下げて謝り、立ち上がった



すると、友道の尻ポケットに丸めた本が入ってるのがアゲハの目に入る




アゲハ「!…これって…」




アゲハは、映画部の部室の扉に貼られてあった『グロサワアキオ』の写ったポスターを思い出す



確か、アキオのポケットにも同じのが入っていた気が…




アゲハ「……友道君、ついてきて!」



友道「え……////」




アゲハは友道の腕を引っ張って、何処かに走って行った




マタロウ「……エ。」←



コマ「ちょっとアゲハちゃん!見ず知らずの人の手は掴んじゃ駄目だよ!」



ジンペイ「そうだそうだ!」




……2人はそう言ってるが、実際は友道に嫉妬してるだけだから、そこは安心してほしい…








アキオ「嘘だろ……と、友道じゃないか!;」




アゲハと友道の後を追いかけてやってきたのは映画館



アキオは、もうこの世にいない筈の友道を見て、目を見開く




友道「久しぶりだね。







『あっちゃん』」




どうやら、友道の幼馴染というのはアキオの事だったようだ




アキオ「お前…死んだはずじゃ……」



友道「うん。でも、映画に出たいと思ってたら、こうして……」




アキオは友道に近づく




アキオ「まさか、また会えるとは…」



友道「僕のせいで、卒業制作の映画、ダメになっちゃたんだよね?



…本当に悪かったと思ってる」




友道は俯いて、申し訳なさそうに謝る

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