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ふゅう@低浮上
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第20話 深まる闇の中で
rd side
ラダオ・ヴェルディオン(rd)
「誘拐事件って、俺が連れ去られた時の?」
ガイスト(md)
「うん、確かあの時は盗賊のボスがスイッチを押したら、肉塊のようなものが現れてソイツとラダオが飲み込まれた。」
rd
「俺はガイストに救出されたけどそのボスは確か死んだんだっけ。」
md
「そうだね、しかも人の形なんて保ってない。おそらくアイツがあのキメラの体の糧だったんだろうね。そしてラダオはあのキメラの力の根源にされてたんだろうね。」
rd
「そっか、あの時魔力が上手く扱えなかったのもそのせいか…。」
md
「多分この神のキメラもその魔物のキメラと同じような感じなんだと思う。ただ規模が違うってだけで。」
rd
「…つまり、教会は自分達の教徒や牧師を使って神のキメラを作るってこと?」
md
「目的はどうであれ、ほぼ間違いはないかも。」
ここまでの話を聞いて、あまりの規模に言葉を失っていた。こんなことを、教会が…?でもガイストの話に納得はいく。でもあの日記に書かれていることが本当なら、あの人は自分の意思で神の一部になることを選んだ。なぜ?何かそうさせるに至った経緯や裏が絶対あるはず…。
rd
「でもガイスト。大人は知らないけど、少なくともあの子供は神の一部になりたい様子なんてなかった気がするんだけど…。子供だから基本的に考えは単調で分かりやすいと思うんだけど……。」
md
「それは分かってる。でも僕の考えがあってれば、おそらく今回の件は一般的な教徒や牧師は何も知らない。おそらく教会の上層部だけで動いてる。」
教会の上層部…。一体何を企んでいるんだろうか。そもそも今回教会訪問に至った経緯の一つには、教会が法務省に打診した”魔法付与のついたありとあらゆるものの使用を
禁じる”という出来事があったからこそここに来た。何かあるのではないかと思って、大事にはせず、王家や国の上層部、そしてガイスト達七つの王冠しか情報は共有していない。そもそもこの法令に何の意味が…?
そこまで考えて俺の頭は限界を超えた。パンクした。ガイストも俺の様子を見て感じたのかどこからか物を取り出して俺に差し出した。
md
「休憩に、しよう。教会の上層部が何を企んでるか分からない以上、下手に口に入れたり触らせたりすると危険だから。」
そう言って食料と飲み物をくれた。いつも王宮内で食べる食事と比べると味気ないが、俺はこういうのは嫌いじゃないし、むしろワクワクする気持ちがある。こんな状況なのに冒険に来ているような気持ちさえ感じる。そう思った俺はガイストから渡された缶詰や携帯食を口に運んだ。チラッとガイストを見ると、ガイストも俺と同じように携帯食を食べながら資料に目を通している。流石というかなんというか…ガイストは本当に凄いなと思う。とても同い年とは思えない。
図書館内の情報を集めて一区切りが着いたあと、ガイストは立ち上がって教会内にいる七つの王冠のメンバーに念話で情報を共有していた。
md
「早速今日の夜、全員で教会内を散策する。本来ならラダオは部屋にいてって言うんだけど、逆に何されるか分かんないから一緒に行動してもらう。絶対に離れないで、いい?」
rd
「うん、分かった。でも散策って何するの?ナハトにやらせてたんじゃないの?」
md
「確かにナハトにやらせてたよ。そしたら不快な気配を感じる場所を見つけたみたい。普段中に入れない上に他の教徒達も近づけない場所みたいだから、おそらくそこはあの日記にあった特別な場所なんだと思う。だから夜に忍び込む。」
rd
「うん、それなら分かった。」
こうして俺達は真実を確かめるために深い闇の中に足を踏み入れることになった。絶対その目的を暴いてやる。
To Be Continued………
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