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第1話 暇だった
黒猿龍は村の広場で寝転がっていた。
「暇だな……」
朝なのにやる気はゼロだった。
そこへエビフライポテトがやって来る。
「暇だな」
「お前もか」
二人は特に目的もなく空を眺めていた。
そのとき――
ヒューーーーーッ!
何かが空から落ちてきた。
ドゴン!!
広場の真ん中に紙が突き刺さる。
「危なっ」
「紙が刺さることあるんだな」
黒猿龍が紙を拾う。
そこには大きな文字でこう書かれていた。
『至急。世界を救ってください。』
二人はしばらく黙った。
「誰宛て?」
「知らん」
裏を見る。
『たぶん近くにいた人へ』
「適当だな」
「俺たち向けかもしれん」
さらに下には地図が描かれていた。
地図の端には、
『魔王復活まであと20日』
と書かれている。
「どうする?」
とエビフライポテト。
黒猿龍は少し考えた。
三秒くらい。
「暇だし行くか」
「そうだな」
こうして二人は世界を救うための旅に出ることになった。
しかし出発して五分後。
「どっちだ?」
「地図逆さまだぞ」
旅はすでに不安だった。
第1話 終わり
→ 第2話「変な森」へ続く。
コメント
1件
第1話、読み終わりました!「暇だし行くか」で世界救う旅に出るノリが最高に好きです。空から紙が刺さる衝撃、しかも『たぶん近くにいた人へ』って宛名の適当さに笑いました。三秒で決断して五分後に地図逆さま、もうこの二人のコンビが可愛い。設定のゆるさに惹かれました。続きが気になります!